累計相談数
10
万件超
累計サイト訪問数
3,844
万件超
※2024年11月時点
ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ) > 交通事故コラム > 過失割合 > 右折事故とは|交通事故の原因と過失割合
キーワードからコラムを探す
更新日:

右折事故とは|交通事故の原因と過失割合

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
右折車有り事故注意

交差点は交通事故が起こりやすい場所です。その中でも、特に右折事故の発生率が高いです。同じ道路だと、直進車と右折車の両方が青信号になるので、お互いが「青信号だから大丈夫」と油断をしてしまい、事故が発生するケースが非常に多いといわれています。

交差点では、道を譲るかどうかを常に正確に判断しなければいけません。しかし、それは難しいことです。そのため、右折事故は過失割合(事故の責任の割合)で事故当事者同士が揉めてしまうことも珍しくありません。

そこで、この記事では右折事故の過失割合を図解で解説します。また、右折事故が起こる原因や、過失割合で揉めた際の対処法などもご紹介しますので、右折事故について調べている場合は、参考にしてみてください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ交通事故で 
損害賠償・慰謝料請求に強い弁護士を探す

 

右折事故の約8割は交差点が原因

交通事故総合分析センターが公表するデータによると、右折事故の約8割は交差点(信号あり交差点:44%、信号なし交差点:37%)で発生しています。

右折事故の発生場所

【参考】イタルダ・インフォメーションNO.95

そして、その事故の原因の大半を占めるのが安全不確認です。安全不確認とは、一時停止や徐行をしたにもかかわらず、安全確認を怠って起こした事故の原因を意味します。

状況別交通事故発生の原因

【引用】イタルダ・インフォメーションNO.95

つまり、右折事故の大半は交差点での安全確認不足が原因であるといえるでしょう。お互いが「相手が譲ってくれるだろう」と判断して交差点内に進んでしまい、事故が多発しているのが現状です。

自動車同士の右折事故の過失割合

自動車同士の右折事故の過失割合を、図解します。なお、以下の過失割合は判例(過去の裁判判決)を基準にした割合です。基本的には、どんな事故でも過去の判例を参考に過失割合を決定しています。

交差点で直進車と右折車が接触したケース

同一道路を対向方法から進入

過失割合(%)

四輪車A

四輪車B

信号機が設置されている

直進車A、右折車Bともに青で進入

20

80

直進車A黄で進入、右折車B青で進入黄で右折

70

30

直進車A、右折車Bともに黄で進入

40

60

直進車A赤で進入、右折車B青で進入赤で右折

90

10

直進車A赤で進入、右折車B黄で進入赤で右折

70

30

直進車A赤で進入、右折車B青矢印の右折か信号で右折

100

0

直進車A、右折車Bともに赤で進入

50

50

信号機が設置されていない

直進車Aと右折車B

20

80

交差道路で直進車と右折車が接触したケース

交差道路から進入

過失割合(%)

四輪車A

四輪車B

A車は直進、B車は左右から進入

40

60

優先道路・道幅の違う道路で直進車と右折車が接触したケース

優先道路から進入

過失割合(%)

四輪車A

四輪車B

直進車Aが広路を進行、右折車Bが狭路から広路へ右折:図1

20

80

直進車Aが優先道路を進行、右折車Bが劣後路から優先道路へ右折:図1

10

90

右折車B①が広路・優先路から直進車Aの進行してきた狭路へ右折(対向方向右折):図2

60

(狭路)

40

(広路)

80

(非優先)

20

(優先)

右折車B②が広路・優先路から直進車Aの向かう狭路へ右折(同一方向右折):図2

50

(狭路)

50

(広路)

70

(非優先)

30

(優先)

左折車と右折車が接触したケース

左折車と右折車の衝突

過失割合(%)

四輪車A

四輪車B

直進から左折のA車、直進から右折のB車

30

70

右折車と右折車が接触したケース

右折車同士

過失割合(%)

四輪車A

四輪車B

同幅員の道路

左折車Aと右折車B

40

60

自動車と二輪車(バイク)の右折事故の過失割合

右折事故には、自動車が死角から出てきた二輪車を回避できずに生じる事故も多々あります。以下では、自動車と二輪車の右折事故の過失割合を図解でご紹介します。

交差点で直進二輪車と直進自動車が接触したケース

信号機が設置されている

過失割合(%)

二輪車

四輪車

単車直進、四輪車右折

直進車、右折車双方とも青で進入

15

85

直進黄で進入、右折車青進入黄右折

60

40

直進車、右折車双方とも黄で進入

30

70

直進車は赤、右折車は青で進入赤で右折

80

20

直進車は赤、右折車は黄で進入赤で右折

60

40

右折車に青矢印による右折可の信号、直進車は赤

100

0

双方とも赤で進入

40

60

交差点で直進自動車と直進二輪車が接触したケース

信号機が設置されている

過失割合(%)

二輪車

四輪車

単車右折、四輪車直進

直進車、右折車双方とも青で進入

70

30

直進黄で進入、右折車青進入黄右折

25

75

直進車、右折車双方とも黄で進入

50

50

直進車は赤、右折車は青で進入赤で右折

10

90

直進車は赤、右折車は黄で進入赤で右折

20

80

右折車に青矢印による右折可の信号、直進車は赤

0

100

双方とも赤で進入

40

60

信号機が設置されていない

過失割合(%)

二輪車

四輪車

単車直進、四輪車右折

15

85

単車右折、四輪車直進

70

30

交差道路で自動車と二輪車が右折で接触したケース

交差道路から進入

過失割合(%)

二輪車

四輪車

左方四輪車の右折:図1

30

70

右方四輪車の右折:図2

20

80

優先道路・道幅の違う道路で自動車と二輪車が右折で接触したケース

交差道路から進入

過失割合(%)

二輪車

四輪車

左方単車の右折

50

50

右方単車の右折

60

40

修正要素によって過失割合が変わる場合もある

修正要素とは、上記で紹介した判例の過失割合から加算・減算される要素です。例えば、片方が速度違反や無灯火で運転していた場合、その分の過失が修正要素と判断されて、過失が加算される場合があります。ですので、上記で紹介した過失割合の判例が、そのまま適用されるとは限りません。

修正要素にはさまざまな種類がありますが、右折事故で生じやすい要素としては以下が挙げられます。

修正要素

概要

早回り右折

交差点の中心の直近の内側を進行しない右折。右折車が早回りで右折すると事故の危険性が増すので、過失割合が加算される。

大回り右折

交差点の手前で、あらかじめ道路の中心に寄らないで行う右折。この右折方法だと周囲が右折を予測できず、事故の危険性が増すので、過失割合が加算される。

直近右折

直進車の至近距離で行う右折。対向車が交差点内に侵入をしている最中に右折を開始した場合、辞意個の危険性が増すので、過失割合が加算される。

既右折

右折を既に完了している際に対向車に衝突された場合に適用される修正要素。既右折の場合は右折車両の過失割合が減算される。

明らかな先入り

道幅が広い道路でも、狭路車が先に進入していた場合に適用される修正要素。この場合は狭路車の過失割合が減算される。

合図なし

ウインカーを出さずに右左折をした場合に適用される修正要素。合図を怠った車両は過失割合が加算される

徐行なし

徐行が必要な場所(交差点)でそれを怠った場合に適用される修正要素。徐行をしなかった車両は過失割合が加算される

修正要素で過失割合がどれくらい変わるかは、事故の状況や修正要素の内容によって異なります。基本的には、5~20%の修正になるケースが多いようです。

過失割合で揉めた際の対処法

過失割合は、保険会社間の話し合いにより決定されて、その後事故当事者に告げられる決まり方が一般的です。しかし、保険会社が提示する過失割合が必ず正しいという保証はありません。過失割合の判断は難解なので、法律の専門家でないと判断を誤ってしまう可能性は十分にあります。

ですので、もし過失割合に納得できない場合には、弁護士への相談を検討した方がよいでしょう。過失割合は示談が成立する前であれば、見直しが可能です(示談成立後に内容の変更はできないので注意)。過失割合が1変わるだけでも、保険金の総額が大きく変わります。

なお、弁護士を雇えば適切な過失割合の判断だけではなく、慰謝料の増額(人身事故の場合)も期待できます。もし慰謝料の金額にも不満がある場合には、法律相談だけでも検討されてみてはいかがでしょうか。

まとめ

右折事故の原因の大半は、交差点での安全確認不足です。過失割合は過去の似た事故の判例を参考にして決定されるので、事故の状況によって過失割合がどうなるかは異なります。

適切な過失割合を証明するには、法律の知識とそれを裏付ける証拠(事故記録・目撃者・動画など)が必要です。ただ、個人では証拠をそろえるのは厳しいです。弁護士に依頼した方が交渉はスムーズに進むでしょう。

過失割合は交通事故の示談において、とても大きな要素です。示談は成立したらやり直しができないので、過失割合に納得いかない場合には、すぐに示談に応じず、慎重に手続きを進めていただければ幸いです。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ交通事故で 
損害賠償・慰謝料請求に強い弁護士を探す

 

参照元一覧

判例タイムズ社 ホームページ

『交通事故の法律知識[第3版] 弁護士 有吉 春代 他(自由国民社)』

『交通事故民事裁判例集[第48巻第4号] 不法行為法研究会/編(ぎょうせい)』

この記事をシェアする

弁護士に相談するかお悩みの方へ

下のボタンからあなた当てはまるものを選んで悩みを解消しましょう。

弁護士が必要か分からない方
保険会社に相談
弁護士に相談
自力で解決

弁護士に相談する以外にも様々な方法があります。
あなたは弁護士に相談すべきかを診断してみましょう。

\ 最短10秒で完了 /

弁護士の必要性を診断する無料
弁護士の費用が心配な方

弁護士費用特約があれば 実質0円で依頼できます!

多くの保険会社では、被害者1名につき最大300万円までの弁護士費用を負担してくれます。特約があるか分からない方でも、お気軽にご相談ください。弁護士と一緒にご確認した上で依頼の有無を決めて頂けます。

特約を利用して弁護士に相談する
弁護士の選び方が分からない方

交通事故問題を依頼する弁護士の選び方にはポイントがあります。

  • 過去の解決事例を確認する
  • 料金体系が明確である弁護士を選ぶ
  • 交通事故問題が得意な弁護士から選ぶ

等です。

詳しくは以下の記事を読んで、正しい弁護士の選び方を理解した上で弁護士に相談しましょう。

弁護士の選び方について詳しくみる
東京
神奈川
福岡
大阪
京都
愛知
弁護士法人みずき

相談料着手金無料治療の打ち切りを迫られている/後遺障害認定に納得がいかない/示談交渉をしてほしい交通事故に遭ったらすぐにご相談を経験豊富な弁護士が事故発生直後からあなたをサポート致します!

事務所詳細を見る
【被害者専門の相談窓口】北千住支店 アディーレ法律事務所

提示された賠償金に納得がいかない方は、アディーレへご相談を!適正な賠償金を受け取るためにサポートします◆自転車・バイク事故にも対応◆  

事務所詳細を見る
【事故被害者/来所不要】ベリーベスト法律事務所

【来所不要・交通事故の被害者は初回相談料0円豊富な解決実績◆示談金の大幅な増額実績多数交通事故専門チームが丁寧に対応します。まずは無料でご相談ください。【「六本木一丁目」駅より徒歩3分】

事務所詳細を見る
東京都の弁護士一覧はこちら
あらゆる事故に備える!ベンナビ弁護士保険
弁護士費用を補償

交通事故や自転車事故など、事故はいつ起きてしまうか分からないものです。弁護士費用を用意できず泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。

ベンナビ弁護士保険は、弁護士依頼で発生する着手金を補償する保険です。

交通事故だけでなく、自転車事故、労働問題、離婚、相続トラブルなど幅広い法的トラブルで利用することができます。

無料で資料ダウンロード
弁護士費用を負担してくれる
弁護士保険で法律トラブルに備える
弁護士保険に関する資料のお届け先
氏名
必須
フリガナ
必須
電話番号
必須
メールアドレス
必須
この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

過失割合に関する新着コラム

過失割合に関する人気コラム

過失割合の関連コラム


過失割合コラム一覧へ戻る
弁護士の方はこちら