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自転車事故の過失割合(じてんしゃじこのかしつわりあい)とは、自転車事故の当事者間におけるお互いの不注意(過失)の程度を数値化したものです。
自転車事故の発生件数は年々上昇傾向にあり、平成27年の交通事故発生状況(警察庁の統計)によれば、状態別の負傷者の構成比は、自転車搭乗中が19%になっていますし、兵庫県の自転車保険の義務化に伴い大阪府も自転車保険の加入を義務化にする動きが出てきています。
自転車は、自動車やバイクのように免許が必要になる乗り物でもありませんし、自賠責保険といった強制加入の保険制度がまだまだ発展しているものでもありませんので、自転車事故の問題点などを踏まえて、今回は自転車事故と過失割合や損害賠償について解説していきます。
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北海道・東北 |
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北陸・甲信越 |
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九州・沖縄 |
まずは自転車事故による事故の過失割合について見ていこうと思いますが、過失割を決める基準となるものは、基本的には当事者同士の話し合いになります。
また、過去の裁判例も参考にしていきますので、正確な過失割合を算出する際は、自転車事故の状況に応じて割合を修正しながら決定していく流れを取るのが良いかと思います。
下記は「(財)日弁連交通事故相談センター」から発行されている「交通事故損害額算定基準」に掲載があったものを参考にした過失割合の数値になります。
事故の容態 |
過失割合 |
|
自転車が青侵入、四輪車が赤侵入 |
0 |
100 |
自転車が赤侵入、四輪車が青侵入 |
80 |
20 |
自転車が黄侵入、四輪車が赤侵入 |
10 |
90 |
自転車が黄侵入衝突時赤、四輪車が青侵入 |
45 |
55 |
自転車が赤侵入、四輪車が黄侵入 |
60 |
40 |
双方とも赤侵入 |
30 |
70 |
事故の容態 |
過失割合 |
||
一方が明らかに広い道路 |
自転車広路、四輪車狭路 |
10 |
90 |
自転車狭路、四輪車広路 |
30 |
70 |
|
一方が優先道路 |
自転車優先道路、四輪車非優先道路 |
10 |
90 |
自転車非優先道路、四輪車優先道路 |
50 |
50 |
|
一方に一時停止の標識あり |
自転車規制なし、四輪車一時停止規制 |
10 |
90 |
自転車一時停止規制、四輪車規制なし |
40 |
60 |
|
一方通行違反 |
四輪車一方通行違反 |
10 |
90 |
自転車一方通行違反 |
50 |
50 |
事故の容態 |
過失割合 |
||
自転車右折、四輪車直進 |
直進車、右折車双方とも青で侵入 |
50 |
50 |
直進車黄、右折車青侵入、黄で右折 |
20 |
80 |
|
直進車、右折車双方とも黄で侵入 |
40 |
60 |
|
直進車、右折車双方とも赤で侵入 |
30 |
70 |
|
自転車直進、四輪車右折 |
直進車、右折車双方とも青で侵入 |
10 |
90 |
直進車黄、右折車青侵入、黄で右折 |
40 |
60 |
|
直進車、右折車双方とも黄で侵入 |
20 |
80 |
|
直進車赤、右折車青で侵入、赤で右折 |
70 |
30 |
|
直進車赤、右折車黄で侵入、赤で右折 |
50 |
50 |
|
直進車赤、右折車青矢印による右折可の信号で右折 |
80 |
20 |
|
直進車、右折車双方とも赤で侵入 |
30 |
70 |
事故の容態 |
過失割合 |
|
自転車直進、四輪車右折 |
10 |
90 |
自転車右折、四輪車直進 |
50 |
50 |
事故の容態 |
過失割合 |
|
自転車直進、四輪車右折 |
20 |
80 |
自転車右折、四輪車直進 |
30 |
70 |
事故の容態 |
過失割合 |
|||
一方が明らかに広い道路 |
広路車直進、狭路車右折 |
10 |
90 |
|
狭路車直進、広路車右折 |
対抗方向 |
30 |
70 |
|
同一方向 |
||||
一方が優先道路 |
優先道路車直進、非優先道路車右折 |
10 |
90 |
|
優先道路車右折、非優先道路車直進 |
対抗方向 |
50 |
50 |
|
同一方向 |
||||
一方に一時停止標識あり |
一時停止規制側直進、非規制側右折 |
対抗方向 |
45 |
55 |
同一方向 |
||||
一時停止規制側右折、非規制側直進 |
10 |
90 |
事故の容態 |
過失割合 |
|||
一方が明らかに広い道路 |
広路車直進、狭路車右左折 |
40 |
60 |
|
狭路車直進、広路車右左折 |
対抗方向 |
20 30 |
80 70 |
|
同一方向 |
||||
一方が優先道路 |
優先道路車直進、非優先道路車右左折 |
50 |
50 |
|
優先道路車右左折、非優先道路車直進 |
対抗方向 |
20 30 |
80 70 |
|
同一方向 |
||||
一方に一時停止標識あり |
一時停止規制側直進、非規制側右左折 |
対抗方向 |
20 30 |
80 70 |
同一方向 |
||||
一時停止規制側右左折、非規制側直進 |
45 |
55 |
事故の容態 |
過失割合 |
||
四輪車が先行の場合 |
四輪車が先行する場合 |
10 |
90 |
四輪車が後行する場合 |
0 |
100 |
自転車:四輪車=20:80
事故の容態 |
過失割合 |
|||
道路外出入車と直進車 |
自転車直進、四輪車路外車 |
10 |
90 |
|
自転車路外車、四輪車直進 |
40 |
60 |
||
転回中の車両と直進車 |
自転車直進、四輪車転回 |
10 |
90 |
|
自転車横断、転回、四輪車直進 |
転回 |
50 30 |
50 70 |
|
横断 |
事故の容態 |
過失割合 |
|
自転車 |
歩行者 |
|
歩行者青、自転車赤で侵入 |
100 |
0 |
歩行者黄で横断開始、自転車赤で進入 |
85 |
15 |
歩行者赤で横断開始、自転車赤で進入 |
75 |
25 |
歩行者赤で横断開始、自転車黄で進入 |
40 |
60 |
歩行者赤で横断開始、自転車青で進入 |
20 |
80 |
歩行者青で横断開始、横断中赤に変わる、自転車赤で進入 |
100 |
0 |
歩行者赤で横断開始、横断中青に変わる、自転車赤で進入 |
85 |
15 |
歩行者青で横断開始、横断中赤に変わる、自転車青で進入 |
80 |
20 |
歩行者黄で横断開始、横断中赤に変わる、自転車青で進入 |
65 |
35 |
事故の容態 |
過失割合 |
|
自転車 |
歩行者 |
|
歩行者青、自転車青侵入 |
100 |
0 |
歩行者黄で横断開始、自転車青進入 |
65 |
35 |
歩行者赤(歩行者用信号機)で横断開始、自転車青進入 |
40 |
60 |
歩行者黄で横断開始、自転車黄で進入 |
75 |
25 |
歩行者赤で横断開始、自転車黄で進入 |
60 |
40 |
歩行者赤で横断開始、自転車赤で進入 |
75 |
25 |
歩行者青で横断開始後赤に変わる、自転車赤進入 |
100 |
0 |
歩行者赤で横断開始後青に変わる、自転車赤進入 |
85 |
15 |
事故の容態 |
過失割合 |
|
自転車 |
歩行者 |
|
歩行者横断歩道直進、自転車直進または右左折 |
100 |
0 |
横断歩道内で自転車と歩行者が接触 |
100 |
0 |
自転車横断帯内で歩行者と自転車の接触 |
95 |
5 |
事故の容態 |
過失割合 |
||
自転車 |
歩行者 |
||
自転車横断歩道通過後、歩行者に衝突 |
歩行者が青、自転車が赤 |
95 |
5 |
歩行者が黄、自転車が青 |
80 |
20 |
|
歩行者が赤、自転車が赤 |
70 |
30 |
|
歩行者が赤、自転車が黄 |
40 |
60 |
|
歩行者が赤、自転車が青 |
20 |
80 |
事故の容態 |
過失割合 |
||
自転車 |
歩行者 |
||
右左折自転車が横断歩道通過後 |
歩行者青、自転車赤 |
90 |
10 |
歩行者黄、自転車青 |
55 |
45 |
|
歩行者赤、自転車赤 |
20 |
80 |
|
歩行者黄、自転車黄 |
65 |
35 |
|
歩行者赤、自転車黄 |
50 |
50 |
|
歩行者赤、自転車赤 |
70 |
30 |
事故の容態 |
過失割合 |
||
自転車 |
歩行者 |
||
自転車が横断歩道手前で歩行者に接触 |
歩行者青、自転車赤 |
90 |
10 |
歩行者黄、自転車赤 |
75 |
25 |
|
歩行者赤、自転車赤 |
65 |
35 |
|
歩行者赤、自転車黄 |
40 |
60 |
|
歩行者赤、自転車青 |
20 |
80 |
事故の容態 |
過失割合 |
||
自転車 |
歩行者 |
||
横断歩道のない交差点又はその付近 |
85 |
15 |
|
横断歩道や交差点から離れている場所 |
80 |
20 |
|
歩行者用道路での事故 |
100 |
0 |
|
自転車が歩道上を直進走行中 |
100 |
0 |
|
自転車が歩道外から歩道を通過又は歩道に進入 |
100 |
0 |
|
自転車が路側帯上を直進走行中 |
100 |
0 |
|
自転車が路側帯外から路側帯を通過又は路側帯に進入 |
100 |
0 |
|
歩行者が車道に侵入する場合 |
歩行者に車道通行が許されている場合 |
90 |
10 |
歩行者に車道通行が許されていない場合 |
75 |
25 |
|
歩行者及び自転車が道路走行中 |
歩行者が道路の右端を歩行 |
100 |
0 |
歩行者が道路の左端を歩行 |
95 |
5 |
|
歩行者が道路の中央を歩行 |
90 |
10 |
|
道路外車道から進入した歩行者の事故 |
歩行者が歩道への侵入 |
100 |
0 |
歩行者の路側帯への侵入 |
100 |
0 |
自転車同士の過失割合は自動車同士の事故と同じですので、詳しくは「四輪車同士の事故 | 追突事故の過失割合」をご覧いただければと思います。
優先道路を走っていたのはどちらか
左側車線走行を守っていたのはどちらか
一時停止の規制があったのはどちらか
速度超過などはなかったか
夜間の無灯火などがなかったか など
上記の項目によって、過失割合がきまっていきます。自転車同士の事故は四輪車と同じ考えが当てはまりますので、基本的には5:5が自転車同士の接触事故の原則になります。ただ、それはお互いにルールを守っていた上での条件ですので、交通規則を守っていない場合は、必然的に過失割合が高くなっていきます。
次に、過失割合の決まり方などをご紹介していきます。
自転車事故の過失割合は、基本的には事故態様に基づいて当事者同士の協議で決めるのが通常です。このとき、過去の判例などをベースに話し合いを進めることが最も適切といえます。
しかし、通常は、過去の裁判例を熟知しているということはありませんので、事故類型ごとに過失割合を定型化した「自転車事故の過失割合|状況別の過失割合の例」を参考として頂ければと思います。
ただ、過失割合の修正には気をつけてください。過失割合の本などもアマゾンなどで購入できますので、実際の事故状況をよく確認して近いケースを当てはめればある程度は分かるでしょう。
しかし、当事者同士で話し合いが進まない、トラブルに発展している場合は、交通事故に詳しい弁護士などに相談されることで、スムーズな解決を行うこともできますので、検討されてみるのが良いかもしれませんね。
自転車事故の当事者(被害者及び加害者)の力関係は、交通事故における自動車やバイク、自転車、歩行者の関係によって様々ですが、自動車と自転車の事故の場合はどうしても自転車の方が弱い立場になるため、一般的な過失割合はやはり自動車のほうが高くなってきます。
それと同様に、歩行者と自転車の場合は車両の扱いになる自転車のほうが過失割合はやはり高めになりますので、相手によって立場が変わるのが自転車のややこしいところと言えますね。
自動車の方が悪いもしくは五分五分だった場合は、自動車の過失割合が高くなります。しかし、誰がどう見ても自転車の方が悪い場合でも自転車の扱いは少し違ってきます。
事故容態 |
自転車 |
歩行者 |
歩行者黄で横断開始、自転車黄で進入 |
80 |
20 |
歩行者赤で横断開始、自転車黄で進入 |
60 |
40 |
上記でも例に出しましたが、どう考えても自転車の方が悪いと理解していても、自動車側にも過失が出るのは少し理不尽に感じるかもしれません。
しかし、優者危険負担の法則に則り、基本的には自動車の方が不利となりますので、車を運転するドライバーは安全運転に努める必要があるでしょう。
こういった問題の解決は当事者同士では難しくなりますので、早い段階で弁護士に相談し、正しい過失割合などの算出をお願いしてみることを強くおすすめします。
両手放しで運転していた場合は重大な過失と判断され、大幅に過失割合が加算される事になります。
約時速20キロ以上で走行していた場合は過失割合が加算されます。
夜間は車が自転車を発見しにくい状況にあり、車が自転車を発見する事の方が難しいからとされています。
なお、自転車が照明を点灯させずに走行していたような場合も一定の加算がされます。
下記は一例ですが、自転車事故における過失割合が修正される要素をご紹介していきます。下記の表を見て頂くと、過失割合の修正値に多少の幅が持たされていますが、これは過失の程度に寄って差が生まれるからです。
この修正値が最大になるのは、幾つかの要素が重複した場合だとお考えいただくのが良いかと思いますが、詳しい内容は弁護士などに相談いただくのが良いでしょう。
修正内容 |
修正値 |
二人乗り |
10〜30 |
高速度・スピードの出し過ぎ |
10〜30 |
ジグザグ・ふらつき運転 |
10〜30 |
徐行義務違反 |
10〜20 |
曲乗り運転 |
20〜30 |
片手運転 |
1〜20 |
傘差し運転 |
20〜30 |
犬の散歩(犬の大きさも考慮する) |
20〜30 |
携帯電話使用 |
20〜30 |
前方不注視 |
10〜30 |
低視力・視野狭窄 |
5〜30 |
整備不良車 |
5〜30 |
傘固定具使用 |
5〜10 |
ヘッドホン・イヤホン・耳あて使用 |
5〜10 |
警音器(ベル)の使用・不使用 |
5〜20 |
飛び出し |
10〜30 |
では、実際に自転車事故が起こった場合に、過失割合の妥当性を判断する方法と、損害賠償請求をする場合の手順などを確認しておきましょう。
自転車事故で損害賠償を請求する場合の手順は自動車による交通事故の場合と一緒になります。
物損事故は被害者に怪我がない場合の事故になりますので、自転車の修理代や再取得の際の費用を基本的には請求していくことになるでしょう。
人身事故の場合は治療費や入院費用、休業損害、逸失利益、後遺症が残れば後遺障害慰謝料などの請求をしていくことになります。また、怪我をしたのに物損事故扱いになっていると慰謝料系は全て請求できなくなってしまいますので、「物損事故から人身事故に切り替える作業」も発生しますので、覚えておくと良いでしょう。
もし自転車保険に加入していた場合は、早急に保険会社に連絡をして示談代行などを頼むことをおすすめします。保険は基本的に加害者となった場合に頼るものですが、場合によっては保証をしてくれる可能性もありますし、過失割合についてもめているようであれば相談をすることもできます。
最も安心なのは、弁護士に相談するという手段です。弁護士は100%あなたの味方となってくれる存在ですので、弁護士に依頼することであなたの有利になるように計らってくれます。
弁護士費用が少々高いというデメリットはありますが、弁護士特約が付随していれば、保険を使って弁護士費用を賄うことができますし、交渉を委任することで、精神的な負担などから開放されるという面は、大きなメリットと考えられます。
近年、道路交通法は改正が何度かあり、平成27年6月1日施行の改正において、自転車の運転による交通の危険を防止に関する規定の整備が行われています。
主に以下の点などですね
原則車道通行、歩道通行は例外
車道は左側を通行する
歩道は歩行者優先・車道よりを徐行する
飲酒運転、二人乗り、並進の禁止
夜間のライト点灯、信号を守る、交差点での一時停止・安全確認
児童・幼児のヘルメット着用
運転中の携帯電話の使用・傘さし運転などをしない など
さらに、自転車でも危険な違反行為を2回以上摘発された場合、公安委員会の命令を受けてから3ヵ月以内の指定された期間内に講習を受ける必要も出てきました。
【自転車による危険な違法行為の例】
信号無視、通行禁止違反、歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)、通行区分違反、路側帯通行時の歩行者の通行妨害、遮断踏切立入り、交差点安全進行義務違反、交差点優先車妨害等、環状交差点安全進行義務違反、指定場所一時不停止、歩道通行時の通行方法違反、
制動装置(ブレーキ)不良自転車運転、酒酔い運転、安全運転義務違反 など
参考:自転車事故の損害賠償例と自転車事故に備えるための方法
自転車事故でも、自分が事故の加害者となって2000万円を超えるような高額な損害賠償を請求される可能性もあります。近年の自転車事故の発生状況は、年々減少傾向にはありますが、2015年1月時点の統計データによると、事故件数は前年より5万4783件少ない57万3465件となり、ピーク時の平成16年(95万2709件)と比較すると約40%の減少がみられます。
また、自転車乗用中による死傷者数は12万529人と交通事故全体の死傷者数に占める割合は15.3%と高い数値を示しており、このうちの約2割を高齢者、4割を若者と子どもで占めています。
自転車事故の大きな問題は、自賠責保険などの強制保険への加入がまだ義務付けられていない点があります。自動車なら必ずある保険が自転車にはないという事は、事故が起きた際に誰も助けてくれる人がいなければ、保証も何もないということになります。
「自転車事故による高額な賠償請求の例」で詳しく解説していますが、小学生に9500万円もの請求が課せられた例もありますので、今後はますます自転車保険への加入に関心が高まるのではないでしょうか。
上記のような問題を受けて、いち早く対応を開始したのが兵庫県と大阪府です。兵庫県は平成27年4月から、大阪府は平成28年4月から自転車保険への加入の義務化を開始しました。
条例の背景
自転車は幼児期においては保護者とともに遊び道具として使われ、その後成長に従って通学や通勤、買い物など多目的に利用され、さらには高齢者も利用できる手軽な移動手段として幅広く使われています。
一方、県下の交通事故件数は、自転車関係事故の件数も含めて年々減少傾向にあるものの、歩行者と自転車の事故については、平成16年から平成25年までの10年間で1.9倍に増加しており、自転車側に対して、高額な損害賠償事例も見られる状況にあるなど、自転車の安全な利用への対策が喫緊の課題となっていました。
こうした状況を踏まえ、県では自転車の交通安全対策の強化を図るため、有識者などで構成する「自転車の安全な利用等に関する検討委員会」を設置し、交通ルール・マナーや、事故への備えなどの課題について検討されました。平成27年1月に提言がとりまとめられ、委員会からの提言を踏まえ、県では、「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を制定されました。
引用元:兵庫県|自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例
大阪府内では、平成27年の自転車事故の死者数は50人に達し、平成26年に比べて16人の大幅増となりました。特に死者数の約5割が高齢者で、その死因の約8割が頭部損傷によるものでした。また、自転車が加害者となる交通事故によって、死者や重篤な後遺障害が生じ、高額な賠償請求事例も発生しています。
このような問題は、大阪府域全体の共通課題となっていることを踏まえ、自転車の安全で適正な利用を大阪府、府民、関係者が一丸となって促進するため、本条例が制定されました。
引用元:大阪府/大阪府自転車条例
自転車事故の増加に伴う対応としていち早く対応を開始した2つの県と府の動向をうけ、今後は全国的に加速していくのではないかと思います。ただ、現状はまだそこまで浸透してはいないため、現状の対策としては下記の二つの記事を参考にして頂ければと思います。
(向かって左側から)、お孫さんをお迎えにきたおばあちゃんが、お孫さんとならんで歩いてこられたので右側に迂回しようとしたところ、お孫さんが突然こっちに飛び出してきたので、慌ててハンドルを切り転倒してしまいました。
病院へ行ったところ、息子が顔と耳に外傷を負い、私は打撲捻挫をし、自転車は破損しました。
「歩道上での歩行者と自転車の事故の過失割合について」yahoo知恵袋
このような場合、歩行者側に過失割合は発生するのでしょうか。
当記事を監修頂いた弁護士法人プラム総合法律事務所の梅澤弁護士の見解は以下の通りです。
本事故は歩道上を自転車が走行していた際に発生した事故のようです。
自転車が歩道を走行することは特に珍しいことではありませんが、やはり歩道上は歩行者が優先であり、歩行者と自転車の接触に伴う基本的な過失割合は歩行者0、自転車100です。そのため、本事故のようなケースでも、基本的に自転車側が歩行者側に何らかの責任を追及することは難しい場合が多いと思われます。
なお、本事故のように歩行者が急に飛び出してきたような場合には、当該飛び出し行為に5%程度の過失を認める余地がないではありません。
しかし、本事故のように飛び出してきた相手が幼児であるような場合には、当該過失が認められるかどうか極めて微妙であり、結論としては、相手方に何らか責任を追及することは、やはり難しいように思われます。
私はスローブ(結構勾配が急です)を自転車を押しながら(自転車が右側、私が左側)下りたところを右から来た相手とぶつかりました。私は、救急車に運ばれ、結局前歯が1本折れる、打撲、切り傷(小さいけれど顔の一部に傷跡が残る)等を負いましたが、相手は無傷です。自転車は後輪の泥よけが壊れてしまいました。
結構急なスローブなので、左右確認をして出ましたが、相手は見えていませんでした。「自転車対歩行者の事故(過失割合)について教えてください」yahoo知恵袋
このような場合、過失割合は何対何が妥当なのでしょうか。
当記事を監修頂いた弁護士法人プラム総合法律事務所の梅澤弁護士の見解は以下の通りです。
本事故は歩道上に設置されたスロープを歩いて下った先で右から進行してきた自転車と衝突した事故のようです。
道路の状況が不透明なので、なんともいえませんが、仮に歩道上ので出来事であれば、上記と同じく、歩行者と自転車の過失割合は0-100が基本です。仮に本事故で相手の自転車が歩道外から歩道に進入した場合でも結論は同じです。
したがって、本事故については歩行者と自転車の歩道上の事故と見る限り、歩行者側に過失は認め難いと考えます。もっとも、事故の状況や道路の状況がいまいちよくわからない事案であるため、確定的な判断は難しいと考えます。
先日、歩道にて私(カッパ)、相手(傘)で正面から衝突しました。(半身ずつズレてた)
お互い無保険で素人同士での示談となるため、分かりません。私の言い分は、歩道の左側を走行中、傘をさして走行していた相手が私のほうへ直前になって寄ってきた。
しかし、相手は寄っていない、道路の端(私の反対側)を走行していたと言い張ります。
目撃者もなく、物証もありません。
「自転車同士の事故の過失割合、示談方法について」yahoo知恵袋
このような場合、過失割合は何対何が妥当なのでしょうか。
当記事を監修頂いた弁護士法人プラム総合法律事務所の梅澤弁護士の見解は以下の通りです。
本件のような歩道上での自転車の正面衝突の事例では、一方が事故直前に方向を大きく変えたり、路外から路内に進入してきたというような場合でない限り、基本的には50-50からの判断になろうかと思われます。
その上で、実際の事故状況・事故態様を踏まえ、いずれの当事者に過失を加算するべきかどうかが判断されるものと思われます。
例えば、上記事故であれば、一方当事者は傘を指しながらの片手運転であったことが伺われ、これがハンドル操作を誤らせる一因となった可能性があります。もし当該事実が認定されれば、一方当事者に10~20程度の過失を加算することはあり得るように思われます。
したがって、本事故については、投稿者の過失を30~40、相手の過失を70~60と主張することに一定の合理性はあるかと思われます。
自転車事故の過失割合の算定に関してご理解しただけたかと思いますが、実際に過失割合について交渉する際は専門的な知識が多く必要になりますので、当事者間でトラブルになっているようであれば、早急に弁護士などの専門家に相談されることを、強くおすすめします。
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交通事故の過失割合が9対1というケースでは、1の過失が認められた被害者側は得られる賠償金の額が減ってしまうため、納得いかない方も多いでしょう。この記事では、交通...
交通事故で過失割合が10対0になるケースをご紹介します。過失割合が10対0になった場合、加入している保険会社に示談を代理してもらえないなどの注意点もあります。こ...
過失割合は弁護士を通し交渉することで大きく変わるでしょう。適切な過失割合にすることは、慰謝料増額にもつながります。この記事では、過失割合に納得できない人が弁護士...
バック事故は事故の中では比較的珍しいため、『どちらが悪いのか』という点でトラブルになりがちです。この記事では、バック事故の過失割合の解説だけでなく、『過失割合』...
交通事故の過失割合は、事故状況に合う裁判例をもとに修正要素なども考慮しながら決めていきます。過失割合によって賠償額は大きく左右されますので、示談交渉時の大きなポ...
先頭の車に非がないことはなんとなく想像がつきますが、2台目、3台目の車に乗っていた運転手にはどういった過失割合が定められるのか、また、損害賠償は誰に請求すればい...
過失相殺を決める際、警察が行う現場検証の実況見分調書が最重要資料となります。この過失相殺について、その意義や過失相殺後の補償金に納得がいかない時、弁護士に相談す...
自転車事故の過失割合(じてんしゃじこのかしつわりあい)とは、自転車事故の当事者間におけるお互いの不注意(過失)の程度を数値化したものです。