交通事故や自転車事故など、事故はいつ起きてしまうか分からないものです。弁護士費用を用意できず泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。
ベンナビ弁護士保険は、弁護士依頼で発生する着手金を補償する保険です。
交通事故だけでなく、自転車事故、労働問題、離婚、相続トラブルなど幅広い法的トラブルで利用することができます。
弁護士保険で法律トラブルに備える
交通事故の被害に遭った際、過失割合は加害者に対して請求する損害賠償金額に大きな影響を与えます。
過失割合が9:1の場合、修理費はどのようになるのか知りたい方も多いでしょう。
また、交通事故の被害者側にもかかわらず、過失割合が1割ついてしまったという方も少なくありません。
交通事故の過失割合が9:1だった場合、修理費は保険会社に払ってもらうべきなのか、たとえ自分の過失割合が1でも、相手より多く支払う場合があるのかなど疑問点も多いでしょう。
過失割合が9:1のうちが「1割側」だからといって、負担金額が0(ゼロ)だとは限りません。
事故の状況によってもケースが異なるため、過失割合や負担金額についてはあらかじめ確認しておく必要があります。
この記事では、過失割合が9対1の場合の修理費はどれくらいなのか、過失割合が9対1でも「1割側」である被害者が多く支払うケース、クロス払いや修理費の支払い方法・不満がある場合の対処法などについて解説します。
交通事故において加害者側と示談交渉する際、ほとんどのケースで修理費を請求することが可能です。
修理費はについてはまず、交通事故の発生後に被害者側が車両を修理工場に持ち込んで見積もり書を作成してもらいます。
修理工場の見積もり書の金額を基準として、保険会社が最終的な金額を決定します。
具体的な修理費の金額は、事故や損害の具体的な内容によって異なるため一概にはいえませんが、事故の性質や車両の種類、損傷の範囲、修理工場の料金など多くの要素が考慮されます。
ただ、一般的な修理費の相場は、10万〜50万円程度といわれています。
なお、修理費の正確な金額を知るためには、事故の状況に基づいた査定が必要です。
そのため、保険会社や修理工場に連絡して事故の詳細を伝え、修理費の見積もりを依頼しましょう。
過失割合は、交通事故が起こったことに対する責任の割合を示すものに過ぎないため、中には過失割合が9対1でも、以下のようなケースでは1割側である被害者のほうが損害賠償を多く支払うこともあります。
【過失割合が9対1でも「1割側」が多く支払うケース】
たとえば、過失割合9対1の交通事故において加害者の損害1,000万円に対し、被害者の損害100万円の場合、被害者が加害者へ請求できる損害賠償の結果は、以下のとおりです。
|
加害者(過失割合:9) |
被害者(過失割合:1) |
発生した損害の総額 |
1,000万円 |
100万円 |
請求金額 |
100万円 (1,000万円の1割) |
90万円 (100万円の9割) |
受取金額 |
10万円 |
0円 |
このように、被害者の過失割合は1割ですが、加害者に対して10万円の支払いが生じます。
つまり、支払いの金額だけを見る限り、中には被害者とは言い切れないケースも存在するということになります。
また、自動車保険に任意で加入しているのであれば、一般的には保険を利用して損害賠償を支払うことを検討するでしょう。
しかし、加入している自動車保険を利用して損害賠償金を支払った場合、翌年から保険の等級が下がり、保険料が上がることが想定されます。
保険料が実際にどのくらい値上がりしたかにもよりますが、加害者へ支払う損害賠償の金額よりも値上がりした保険料の方が高いことが想定される場合には、自己負担で支払うほうがよいケースもあります。
ご自身が加入している自動車保険の利用を検討しているのであれば、保険料が値上がりするのかを事前に保険会社の担当者へ確認することをおすすめします。
加害者側と被害者側それぞれに発生した損害賠償の清算方法として、クロス払いと相殺払いがあります。
クロス払い |
それぞれ発生した支払額を、互いにそのまま支払う方法 |
相殺払い |
互いの支払額をあらかじめ差し引いたうえで残額を支払う方法 |
このうち、どちらも任意保険に加入している場合には、クロス払いによる支払いが一般的です。
そのほか、不法行為による損害賠償を相殺するためには加害者・被害者互いの合意が必要であるため、どちらか一方が相殺に合意しない場合にもクロス払いが適用されます。
過失割合が9対1の交通事故では慰謝料に限らず、修理費も損害額のうち9割しか請求することができません。
加えて、交通事故によって加害者が運転する車が破損した場合、修理費などの1割を被害者が負担しなければなりません。
そのため、修理費を補償してもらったとしても金額の一部については、次のような方法で自分自身で支払う必要があります。
【交通事故による残りの修理費用を支払う方法】
自己負担で修理をする場合、自己負担額や保険の適用範囲についてご自身の保険契約書や保険会社との連絡を通じて、正確な情報を得ることが大切です。
保険会社や修理工場の指示に従い、適切な手続きをおこなうようにしましょう。
車両保険を利用することで、残りの修理費を支払えるケースもあります。
ただ、車両保険においても保険契約者が修理費用の一部を負担しなければならないこともあるため、注意が必要です。
なお、自己負担額は保険契約書や保険プランによって異なります。
また、修理費の支払いに車両保険を利用すると保険の等級が下がり、翌年の保険料が上がる可能性があるため注意が必要です。
支払われた修理費の範囲内で修理するというのもひとつの手段です。
走行に支障が出てしまう重要な部分を優先的に修理して、外装などの見た目の部分はあとから修理するという方法もあるでしょう。
交通事故においては修理費として補償金が支払われますが、必ずしも修理費として利用しなければならないわけではありません。
実際に修理をしなくても、修理費相当の補助金額を受け取ることができます。
修理した方が費用が高くなってしまうという場合は、車を買い替えるのもひとつの手段でしょう。
過失割合は、必ず9対1になるとは限りません。
不満な過失割合に対処する方法は、具体的な状況や法律によって異なる場合があります。
そのため、専門家のアドバイスを受けながら、ご自身の権利を守るための最善のアプローチを選択することが重要です。
過失割合に不満がある場合の対処法は、以下のとおりです。
【過失割合に不満がある場合の対処法】
なかには、保険会社が一方的に「1割」を主張している可能性もあります。
基本的に、過失割合には数値の根拠が存在するため、根拠が立証できなければ過失割合は変わります。
そのため、保険会社の主張をただ受け入れるのではなく、ご自身でも根拠を確認しながら精査する必要があるでしょう。
保険会社から提示される過失割合は、弁護士などの専門家から見ると適正でないことも多いため、過失割合を下げられる可能性もあります。
ただ、過失割合を下げるためには、交通事故に関する書類や過去にあった同様の判例などの根拠を提示しなければなりません。
知識がなければ難しい部分も多いことから、過失割合を下げたい場合は早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士が示談交渉しているのにもかかわらず、相手が納得しなかったり、交通事故の内容によって過失割合を算出したりすることが難しい場合は、過失割合を「9対0」に設定するのもひとつの手段です。
「9対0」のように、加害者側のみが賠償金を支払う方法を片側賠償といいます。
加害者側の過失割合は変わらないものの、被害者側には一切過失がないと主張できます。
また、被害者は1割の過失を認める代わりに加害者側は損害賠償請求を放棄して、お互いに譲歩するシステムです。
過失割合「9対0」だからといって被害者の過失がなくなるわけではありませんが、過失割合「9対1」で過失相殺をおこなうよりも損害賠償金額は高額になります。
また、「9対0」に設定することによって、いくつかのメリットが期待できます。
【過失割合「9対0」のメリット】
加害者側の車両状況やけがの具合が悪い場合は特に、過失割合「9対0」のメリットが大きくなるでしょう。
裁判に発展させないためにも、過失割合が変更できる場合は「9対0」での交渉を検討してもよいでしょう。
過失割合に不満がある場合は、弁護士などの専門家に相談をしてみるのもひとつの手段です。
弁護士であれば関連する法律や過去の類似事例に基づいてアドバイスを提供し、適切な手続きや対応方法も提示してくれます。
民事訴訟を提起して裁判所の判断をあおぐことで、過失割合の再評価や補償金の増額を求めることもできます。ただ、法的手続きには時間と費用がかかるため、早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に相談することで、過失割合を変更できる可能性も高まるでしょう。
交通事故の過失割合が「9対1」でご自身が「1割」側だったとしても、状況によっては相手よりも多くの修理費を支払う必要があります。
また、過失割合を基にした交渉が成立したとしてもすべての修理費を負担してもらえるわけではないので、自己負担する金額についても考慮する必要があるでしょう。
そのほか、過失割合に不満がある場合、調停や裁判に発展することもあります。
そのため、スムーズな交渉や手続きを進めるためにも早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。
希望の過失割合を定提示して不利な条件で話し合いを進めないよう、弁護士に相談してアドバイスや対応方法を提示してもらってください。
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