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公開日:2020.7.28  更新日:2020.9.28

交通事故の過失割合が10対0になるケースとは?

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
交通事故の過失割合が10対0になるケースとは

交通事故では加害者と被害者それぞれの過失割合を決定する必要がありますが、加害者に100%の責任が認められて過失割合が10対0になるケースがあります。

10対0になると過失相殺が行われないので被害者にとって有利なようですが、実は大きな問題が発生します。

今回は、交通事故の過失割合が10対0になるパターンとその場合の注意点、対処方法をご紹介します。

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そもそも過失割合はどうやって決まるのか

交通事故が起こったとき、どのようにして過失割合と被害者それぞれの過失割合を決定しているのでしょうか?

判例を元に当事者が話し合って決める

過失割合を決める方法

過失割合とは、加害者と被害者それぞれの交通事故の損害発生に対する責任の割合です。

過失割合には、これまでの判例によって積み重ねられてきた一定の目安があります。そこで事故が発生すると、被害者と加害者が話し合い、その目安にあてはめて過失割合を取り決めるのが通常です。

実際には示談を代行する保険会社が事故の状況に応じて過失割合を算出して相手に提示する処理が一般的です。そして加害者と被害者の双方が納得すれば、その割合で決定します。

保険会社が主張する過失割合は正しいのか

このように説明すると保険会社が主張する過失割合は正しいように思えますが、必ずしもそうとは限りません。

保険会社はあくまで相手の代理として動いていますので、相手の立場から過失割合を提示します。そのため、相手側に有利な事情のみを取り上げたり、相手に不利な事情を無視するなどして過失割合を相手有利なもので提示するということは往々にしてあります。

そのため保険会社の主張する過失割合を鵜呑みにすると損をしてしまうおそれがあるので注意が必要です。

過失割合が10対0になるケース

多くの交通事故では、被害者であっても過失割合が0にならず何らかの過失割合が認められるものです。ただし、なかには被害者の過失割合が0になるケースもあります。

どのような場合に加害者と被害者の過失割合が10対0になりやすいのか、みてみましょう。

過失割合が10対0になるケース

一方的に追突された

被害者が加害者から一方的に追突された場合、基本的に加害者と被害者の過失割合が10対0になります。ただし被害者が急ブレーキをかけたために追突された場合には被害者にも過失が認められます。

被害者が青信号、加害者が赤信号

交差点などで、被害者が青信号を守っているのに加害者が赤信号で信号無視してきた場合には、加害者と被害者の過失割合が10対0になることがあります。

相手に重大な過失があった

加害者による前方不注視などが原因の一般的な交通事故であっても、加害者が飲酒していたり著しいスピード違反をしていたりして重過失があった場合などは、加害者側の過失割合が加算されて過失割合が10対0になる可能性があります。

歩行者が横断歩道上を歩いていた

歩行者が横断歩道上を歩いている場合、道路交通法によって絶対的な保護を受けます。そこで横断歩道上の歩行者が自動車に接触された場合、過失割合が10対0になる可能性が高くなります。ただし歩行者が赤信号で横断歩道を渡っていたケースなどでは歩行者にも過失割合が認められます。

過失割合に関する被害者側の注意点

交通事故に遭ったら、被害者としては以下のようなことに注意しましょう。

過失割合10対0の場合は保険会社に示談を代理してもらえない

過失割合が被害者0加害者10の場合には保険会社の示談代行サービスが使えない

一方的な追突事故の事案などで、被害者側の過失割合が0のケースでは、確かに過失相殺が行われないので相手に請求できる賠償金は減額されません。しかしその場合、被害者が加入している保険会社が示談交渉の代行をしてくれないことが問題です。

通常交通事故に遭ったら、被害者が加入している損保会社の担当者が加害者側との示談交渉を代行してくれるので、被害者自身が直接相手の保険会社と話し合いをする必要はありません。交通事故で適用される「対人対物賠償責任保険」には、示談代行サービスがついているからです。

一方、被害者の過失割合が0の場合、対人対物賠償責任保険が適用されず、示談代行サービスを利用できません。保険会社が勝手に被害者の代理で示談交渉をすると「弁護士法違反」になってしまいます。

結果的に被害者は自分一人で加害者の保険会社と話し合いをするしかなくなり、大きく不利になってしまうケースがみられます。

被害者側の過失を多めに主張されることがある

追突事故や横断歩道上の事故、加害者が明らかな信号無視をしていた事故などでは本来被害者の過失割合が0ですし、何らかの過失割合が認められるとしても非常に低くなるはずです。

しかし、保険会社との示談交渉では、こうした事故でもさまざまな理由をつけられて被害者の過失割合を高めに主張されることが多々あります。そうなると被害者側の過失割合の分「過失相殺」されて、本来受け取れる金額よりも賠償金額を下げられてしまいます。

過失割合が0であることを証明するのは簡単ではない

被害者の過失がないことの証明は難しい

次に証明の問題です。交通事故で相手が信号無視をしていたり、重過失があったりする場合には、加害者と被害者の過失割合を10対0にしてもらえる可能性がありますが、自分の過失がないことを証明するのは簡単ではありません。

たとえば被害者が「加害者が信号無視をしていた」と主張しても、加害者は「黄信号だった」と主張するかもしれませんし、「被害者の信号が黄色(赤)だった」などと嘘をつかれるかもしれません。ドライブレコーダーなどにはっきり事故当時の信号の色が映っていないと、相手の信号無視を証明できなくなってしまう可能性もあります。

また、相手が飲酒運転や著しいスピード違反などで重過失がある場合でも、どの程度飲酒していたのか、どのくらいスピードを出していたのかはなかなか証明できません。相手が「コップ一杯飲んだだけでほとんどしらふでした」とか「スピード違反していません」などと言い出せば、相手の重過失が認められずに被害者にも過失があるとされてしまうケースがあります。

弁護士に相談するメリット

交通事故問題を弁護士に相談するメリット

交通事故の過失割合について悩んだときや不満があるとき、弁護士に相談すると以下のようなメリットがあります。

過失割合を是正してくれる

被害者が自分で加害者の保険会社と示談交渉を進めると、必ずしも適正な割合を当てはめてもらえるわけではありません。ときには被害者に過大な過失割合を適用されて、必要以上に大きく賠償金を減額されてしまうケースも珍しくありません。

そのようなとき弁護士に相談すると適正な過失割合を算定してくれるので、不当に低い過失割合を受け入れてしまうリスクを避けられます。

保険会社との交渉を一任できる

過失割合について相手の保険会社と意見が割れると、示談交渉がこじれてトラブルになりやすくなります。保険会社が「それ以上言うなら裁判するように」などと言ってくるケースも多々あります。

そんなとき弁護士に保険会社との示談交渉を任せると、保険会社の対応が変わり、それまでの主張より被害者の過失割合を下げてもらえるケースも多くみられます。

慰謝料が増額される可能性がある

人身事故の被害者は、相手に慰謝料を請求できます。怪我で入通院治療が必要になったら入通院慰謝料を請求できますし、後遺障害が残ったら入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料を請求可能です。

しかし、被害者が自分で示談交渉をする場合、任意保険会社は低額な自社独自の基準である「任意保険基準」を適用するので、慰謝料が法的な基準より大きく下げられてしまいます。

弁護士に示談交渉を依頼すれば、法的に適正な基準である「弁護士基準」で計算してもらえるので、慰謝料の金額が上がります。任意保険基準の2倍以上になるケースも多いので、依頼するメリットは大きいでしょう。

弁護士特約があれば費用の心配はない

弁護士に示談交渉を依頼すると、弁護士費用を心配される方は多いですよね。

あなたが自動車保険に「弁護士費用特約」をつけていれば、弁護士費用の負担を0円にすることも可能です。

弁護士費用特約を適用すると、弁護士の相談料は10万円まで、示談交渉などの費用は300万円まで保険会社が負担してくれるからです。

自分の自動車保険だけではなく配偶者や親、子どもなどの自動車保険の特約を利用できるケースもあるので、交通事故に遭ったらまずは保険の加入状況を確認し、弁護士費用特約を利用できないか調べてみましょう。

まとめ

交通事故で過失割合が10対0の場合でも、示談交渉で被害者の立場が悪くなってしまうケースが多々あります。そのようなとき、状況を逆転させて被害者に有利に話を進めるには弁護士の力が必要です。示談の最中に不明なことや不満を感じることがあったら、諦める前に弁護士に相談してみてください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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