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公開日:2020.7.27  更新日:2020.9.10

過失割合に納得いかない場合の対処法と相談先まとめ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

自分では過失がないと考えているのに、1対9や2対8の過失割合を主張されてしまう。交通事故の示談ではそのようなトラブルは日常茶飯事です。

しかし、加害者の主張や保険会社の判断する過失割合が必ず適正であるとは限りません。示談成立前であれば、専門家に相談をして対処することで、過失割合が見直される可能性は十分にあります。

この記事では、過失割合に納得いかないときの対処法と相談先をご紹介します。過失割合に関するトラブルにお悩みの場合は、参考にしてみてください。

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過失割合でトラブルが生じる2つの理由

過失割合でトラブルが起こる主な原因としては、以下の2点が挙げられます。

  • 加害者と事故状況の主張が食い違っている
  • 保険会社の判断が間違っている

加害者と事故状況の主張が食い違っている

交通事故では、事故当事者の両方が「信号は青だった」と主張するケースは珍しくありません。このように被害者と加害者の事故状況の見解に相違がある場合、どちらの主張を参考にするかによって過失割合が変わってしまいます。

このような認識の違いによって適切な過失割合が判断できないトラブルは多いです。

保険会社の判断が間違っている場合もある

過失割合は、事故当事者が加入する保険会社同士による交渉で決定されるケースが一般的です。判例(過去の裁判結果)から似た状況の事故を参考にして、過失割合の決定をしています。

しかし、保険会社が参考にした事例が必ずしも適正であるとは限りません。まったく同じ状況の事故は存在しないので、保険会社が間違った判断をしてしまう可能性もあるでしょう。

加害者が事実と違う主張をしてくるときの対処法

加害者が事実とは違う主張をしてくる場合には、こちら側の主張が正しいと証明する証拠を示す必要があります。例えばドライブレコーダーや防犯カメラによる記録がある場合には、それを証拠として提出することが考えられます。

ただ、事故状況を証明できる証拠が何もない場合もあるかと思われます。そのような場合には、弁護士を雇って細かな事情を一つずつ確認してもらう必要があるでしょう。

「相手の主張が正しいと仮定して不合理なことはないか」「車の傷つき方に不自然な点はないか」など、さまざまな角度から事故状況を検証してもらい、適切な過失割合を検討していくことになります。

保険会社の提示に納得いかないときの対処法

保険会社の提示した示談金に納得がいかない場合の対処法

加害者と事故状況の認識に相違はないが、保険会社の提示する過失割合に納得できない。そんな状況で取れる対処法は以下の2点です。

納得いかないときの対処法

  • 参考にされた判例が本当に適切か確認
  • 修正要素があれば主張をする

参考にされた判例が本当に適切か確認

交通事故の過失割合は、『判例タイムズ』に掲載されている判例の過失割合を参考に決定されています。保険会社からどの判例を参考にしたのかを問い合わせて、その判例が本当に適切かどうか確認してみましょう。

保険会社が参考にした判例よりも、もっと事故の状況が似ている判例が他にあるかもしれません。その場合は、判例を根拠に保険会社に過失割合の見直しを相談してみてください。

修正要素があれば主張をする

過失割合の修正要素とは、「スピード違反をしていた」「ながらスマホをしていた」など、過失割合が増減される要素のことです。例えば、車同士の事故では以下のような修正要素が挙げられます。

車同士の事故の修正要素

  • 脇見運転などの前方不注視
  • 15〜30キロの速度違反
  • 30キロ以上の速度違反(重過失)
  • 直進車の至近距離での右折
  • 中央に寄らない右折
  • 大型車両の運転
  • 酒気帯び運転
  • 飲酒運転(重過失)
  • 居眠り運転
  • 無免許運転

該当する要素がある場合には、5〜20%の加算

保険会社の提示する過失割合は、この修正要素が見落とされている場合もあります。修正要素は多岐にわたるので、専門家に相談をして確認してみてください。

過失割合でよくある誤解

過失割合でよくある3つの誤解

誤解①動いている車同士では0対10はあり得ない

動いている車同士での事故でも、後方から追突を受けたり、修正要素が適用されたりする事故であれば、過失割合が『0対10』になるケースはあります。

「動いている車同士では0対10はあり得ない」という主張は絶対ではありません。保険会社からこのような主張をされたとしても、過失割合を見直せる可能性はあるのでご安心ください。

誤解②駐車場事故の過失割合は5対5になる

駐車場での接触事故は、5対5の過失割合が基本だと主張する保険会社は多いといわれています。

しかし、駐車場の事故だからという理由で、5対5の過失割合を基本とすることが必ずしも合理的とは限りません。

たとえ、駐車場内の事故であっても過去事例と比較して細やかな検討は必要でしょう。

誤解③過失割合は警察が決めている

事故の状況を検証して記録を残すのは警察の役目ですが、過失割合の決定に警察が関与することはありません。警察は民事不介入が原則なので、示談金の額に影響が出る過失割合を決定する権利も義務もないのです。

保険会社や加害者の主張に納得ができないからと相談を持ちかけても、警察には応じてはもらえないので注意してください。

過失割合に納得がいかない場合に関するQ&A

路外から進入した車両と衝突した場合の過失について

片側1車線のセンターライン有(黄色)の普通の道幅のそこそこ交通量のある道路を法定速度程度で走行中、左側後輪を路外から左折してきた車と衝突しました。

路外(公民館)から出る箇所が少し奥まっていてそこに車がいた事すら記憶に無く、おおよそ等間隔で何台も連なって(渋滞ではない)走行していたので、何にぶつかったかすらわからない状況でした。通過直後に出てきたらしいので、危険を回避する云々の余地はありませんでした。


引用元「自動車事故過失割合が納得いかない場合の対処法」yahoo知恵袋

このような場合に、相手保険会社から提示された過失割合は80:20だったようです。インターネット上の情報ですので、真偽は定かではありませんが、珍しくないケースだと思われます。


この過失割合は適切であると言えるのでしょうか。

ご監修頂いた弁護士法人プラム綜合法律事務所の梅澤先生にご回答頂きました。

梅澤弁護士のご回答

過失割合は事故態様から客観的に定まるものですが、実務的には当事者双方がそれぞれの認識する事故態様に基づき適正と考える過失割合を提示し、これを擦り合わせる形で決めていくのが一般的です。

そして、加害者側の保険会社は、当事者双方の車両が動いている時に発生した事故については、追突や信号無視など一方の無過失が明白なケースを除き、なかなか10-0の過失割合を認めることは少ないのが実情です。

上記事故は、道路を直進中に進行方向左の道路外から道路内に左折進入してきた車両と衝突した事故のようですが、この場合の基本的な過失割合も0-10ではなく、直進車2、進入車8とされています。保険会社の提示した過失割合は基本過失に則したものではあります。

しかし、上記事故は、直進車が概ね進入車の前を通過後であり、衝突部位は直進車の左後輪という点が特殊事情と言えます。

この場合、衝突時には直進車は進入車を避ける術が乏しいですし、進入車も前方を直進車が進行していることは前を見ればわかるはずです。

そうすると、進入車には徐行がなかったり、前方を全く見ていなかったりという過失を加算する事情がある可能性があります(あるいは、ブレーキとアクセルを踏み間違えたなどもあるかもしれません。)。

この当たりは衝突の態様をより詳細に検証する必要がありますが、仮にこのような事情が認められれば過失割合は直進車0~1、進入車10~9の範囲に修正するべきと考えますので、そのような方向での交渉は妥当と考えます。

駐車場内での事故の過失割合について

当方は直進方向、相手は私の右側から私の直進方向に右折してきており、
私の車の右後方(バンパーからホイール・フェンダー部まで)を擦りました。
相手方は、右前方(バンパー角あたり)に傷があります。

お互いほぼ徐行(5~10km/h位の速度)、しかし私は交差点を過ぎたか
過ぎないかのあたりで、右前方に駐車から出そうな車を発見し、停止した瞬間に
右後方をぶつけられました。

事故時、相手方が当方の修理を全てしますとの言葉を頂き(一筆はなし)、
安心していたのですが、現在になり、相手方の保険会社より当方の過失割合を
請求してきています。

当方は止まっていたとの主張をしており、過失は0との主張(保険介入なし)ですが、
相手方保険会社は、当方も直進しており(相手側の証言)過失は10割ではないとの
主張をしてきているのです。


引用元:「事故過失割合について!納得いかない!!」yahoo知恵袋

このような事故の場合、過失割合をどのように考えるべきでしょうか。

ご監修頂いた弁護士法人プラム綜合法律事務所の梅澤先生にご回答頂きました。

梅澤弁護士のご回答

上記のとおり、保険会社は自動車が双方動いている場合に10-0を受諾することはなかなかありません。

本事故では衝突の直前に一方車両が停止したようですが、直前停止は停車ではないので、自動車双方が動いているケースと同様の扱いをするのが通常です。したがって、直前に停止したから過失は0という主張は難しいと思われます。

まず、本事故が駐車場内のT字路での事故であることを踏まえると、直進車と右折車の基本過失割合は、仮に道路幅が同じであれば3-7と評価する余地はあります。

しかし、本事故では直進車が右折車の前の通過をほぼ完了しており右折車を避ける余地が乏しいこと、右折車は直進車の動向をよく見ていれば衝突を回避することが容易であったことはいえます。そうすると、右折車の過失割合を10~20程度加算することはあり得ると思われ、過失割合について直進車10~20、右折車90~80と評価することはあり得ると考えます。

また、本事故は駐車場内での事故であり、駐車場内では進行車両は前方車両に続く形で進行することが予定されていること、今回の右折車も直進車に続く形で進行しようとしていたこと、衝突部分が直進車の後方に近いこと、衝突の原因が専ら右折車の前方不注意にあり追突事例と差異がないこと等を踏まえると、本事故はT字路交差点の事故というより、単純な追突事故に近いと見る余地もないではないように思われます。

こう見た場合、仮に両車両が動いている事故であっても、直進車の過失は0であり、右折車の過失割合は10であると見る余地はあるように思われます。

標識がない交差点での事故の過失割合はどうなる?


南に30キロくらいで直進していたところ、信号の無い交差点で左から車が飛び出して来て、相手の右側面に衝突しました。

どちらにも止まれなどの標識、センターラインはありません。警察、保険屋が調べた所、当方の車線の方が1.5メートル広くて当方が優先だと思っていました。警察もこちらが優先と言っていました。

(道幅が同じなら左から来る車が優先)って事は分かっていますが当方のほうが道幅は広いので相手の側面にぶつけても過失割合は3:7、もしくは4:6だと思っていましたが保険屋は6:4で、こちらの過失の方が大きいと言われ納得いきません。
 

引用元:「過失割合と保険屋に納得いかない」yahoo知恵袋

このような信号等がない交差点での過失割合はどのように決定するのが妥当なのでしょうか。

ご監修頂いた弁護士法人プラム綜合法律事務所の梅澤先生にご回答頂きました。

梅澤弁護士のご回答

本事故は信号のない交差点での出会い頭の事故であると考えます。

そうすると、道路幅が同じであれば、投稿者が6、相手が4が基本過失割合です。他方、今回の事故は投稿者側の道路の方が1.5メートル広かったということですので、これをどう評価するかで過失は変わります。

すなわち、相手車両がこの交差点を進行するに当たり、投稿者側の道路が客観的にかなり広いということが認識できるものであれば、基本過失割合は投稿者3、相手7と割合が大幅に逆転します。

しかし、この認識可能性は実際の道路状況を踏まえないとなんともいえません。もちろん、投稿者側の道路が1.5メートル広いということはそちらが広路であるとの主張の強い根拠になりますが、微妙な距離であり、これが直ちに広路の根拠になるかは明確ではありません。

したがって、上記事故の場合、相手の主張する過失割合もあながち不当とは言えませんし、投稿者の主張する過失割合も不当とはいえません。本事故の過失割合は実際の道路状況を踏まえた慎重な判断を要すると思われます。

過失割合のトラブルに困った場合の相談先

過失割合の交渉には、交通事故分野と法律の知識が必要になるため、被害者が1人だけで対応するのは難しいのが実情です。

ここでは、交通事故問題の相談先をご紹介します。過失割合でトラブルが生じた場合にご活用ください。

交通事故の無料相談所

以下の相談所では、交通事故トラブルへの対処法のアドバイスを受けられます。過失割合の交渉にどうやって取り組めばいいのか、アドバイスを受けたい場合におすすめです。

相談場所

受付時間・連絡先

日弁連交通事故相談センター

受付(月〜金)10:00〜15:30

Tel:0570-078325

交通事故被害者ホットライン

受付(月〜金)10:00〜15:30

Tel:0570-000738

区役所等の地域相談センター(東京都)

受付(月〜金)9:00〜17:00

Tel:03-5320-7733

なお、上記の区役所等の地域相談センターは、GoogleやYahooで『交通事故相談 都道府県』と検索をすることで、その地域の問い合わせ先が表示されるので確認してみてください。

法テラス

法テラスとは、経済的な事情により法律サービスを利用する余裕のない人のサポートを行っている公的機関です。利用条件に該当する人は、無料で弁護士の法律相談を受けられます

法テラス

電話番号:0570-078374(IP電話:03-6745-5600)
受付日時:平日9:00~21:00 土曜9:00~17:00

HP:法テラス

法テラスに相談をするメリットや利用条件については、以下の記事で解説をしています。相談費用が用意できないとお悩みの場合は、法テラスの利用を検討してみてください。

弁護士事務所

弁護士事務所の法律相談を利用すれば、保険会社から提示されている過失割合が適正かどうかを判断してもらえます。また、そのまま依頼をした場合には、加害者側との交渉を含むすべての交通事故手続きを一任することができます。

「保険会社から提示された過失割合に納得できないけど、正しい過失割合がわからない」という状況であれば、弁護士事務所への法律相談を検討してみてください。

なお、最近では交通事故分野の法律相談を無料で受け付けてくれる弁護士事務所が増えてきています。当サイトでも無料で相談に応じてくれる相談先を多数掲載していますので、ぜひご活用いただければ幸いです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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