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交通事故における民法改正の影響|損害賠償請求の変更点を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
交通事故における民法改正の影響|損害賠償請求の変更点を解説
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約120年ぶりに民法の抜本的な改正が行われました。このうち交通事故の損害賠償請求に関わるものとしては、法定利率・時効期間・賠償金の相殺などの項目が変更となりました。交通事故の被害者にとっては現在価値に引き直した場合の賠償金が増えたり、時効期間が伸長されたりなどのメリットが生じる可能性があります。

この改正民法は、2020年4月1日以降に発生した事故が適用対象ではありますが、時効に関する規定は同日以前に発生した事故についても適用される余地があります。適切に損害賠償請求を進めるためにも、民法が改正されたことでどのような点が変わったのか知っておきましょう。

この記事では、民法改正による損害賠償請求の変更点について解説します。

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交通事故における民法改正による変更点①|法定利率の引き下げ

民法改正による一つ目の変更点が法定利率の引き下げです。これまでは年5%でしたが2020年4月1日以降は年3%、以降3年毎に物価変動を踏まえた調整を行うものと変更されました(改正民法第404条)。

法定利率の引下げは、交通事故の場面では、主に後遺障害逸失利益、死亡逸失利益、将来介護費などの将来的な損失を請求する場面に大きく影響します。また、利率が低下することで遅延利息の計算にも多少影響します。

後遺障害逸失利益への影響

事故の怪我について治療を尽くしたが一定の後遺障害が残ってしまい、それが原因で労働能力が低下した際に請求できる賠償金が後遺障害逸失利益です。計算式としては以下の通りで、法定利率の引き下げにより、賠償金を算定する上で用いるライプニッツ係数の数値が大きく変わります。

基礎収入×後遺障害による労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

ここでは30歳会社員・年収500万円・後遺障害等級12級というケースでの金額を計算します。

民法改正前(年5%)の後遺障害逸失利益

500万円×14%(0.14)×37年(16.7113)=1,169万7,910円

民法改正後(年3%)の後遺障害逸失利益

500万円×14%(0.14)×37年(22.167)=1,551万6,900円

このように上記のケースにおいては、法定利率が3%になったことでライプニッツ係数が大幅に上昇し、現在価値に引き直して請求するべき賠償額は約382万円増えることになります。

死亡逸失利益への影響

事故により被害者が亡くなってしまい、事故がなければ得られたはずの収入を失ってしまった際に請求できる賠償金が死亡逸失利益です。死亡逸失利益についても、後遺障害逸失利益と同様、計算式にライプニッツ係数の数値が含まれますので、今回の法改正により大きく影響を受けます。

基礎収入×(1―生活費控除率)×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

ここでは30歳会社員・年収500万円・既婚・子供1人というケースでの金額を計算します。

民法改正前(年5%)の死亡逸失利益

500万円×(1-0.3)×37年(16.7113)=5,848万9,550円

民法改正後(年3%)の死亡逸失利益

500万円×(1-0.3)×37年(22.167)=7,758万4,500円

このように上記のケースにおいては、法定利率が3%になったことで約1,909万円増えることになります。

将来介護費への影響

事故によって、今後介護が必要な状態になった際に請求できる賠償金が将来介護費です。将来介護費用も上2つと同様、計算式にライプニッツ係数の数値が含まれますので、法改正の影響を受けます。

8,000円(※)×365日×平均余命までの期間に対応するライプニッツ係数

※近親者による介護の場合8,000円が基準となりますが、症状の重さなどで変動することもあります。

ここでは、事故の被害者が30歳の男性というケースでの金額を計算していきます。

民法改正前(年5%)の将来介護費

8,000円×365日×51年(18.339)=5,354万9,880円

※2018年に公表された平均寿命(男性81歳)に基づき算出。

民法改正後(年3%)の将来介護費

8,000円×365日×51年(25.951)=7,577万6,920円

※2018年に公表された平均寿命(男性81歳)に基づき算出。

このように上記のケースにおいては、法定利率が3%になったことで約2,223万円増えることになります。

遅延損害金への影響

上3つは、将来利益を現在価値に引き直す計算において、ライプニッツ係数が変更されることで影響する事案です。他方、遅延利息は、相手が支払義務を履行しない時間の経過に伴い付される利息です。遅延利息は法定利率で計算しますので、遅延利息が5%から3%に変更されれば、当然、その分影響を受けます。

ここでは、未払い賠償金2,500万円・事故から3年経過というケースでの金額を計算していきます。

民法改正前(年5%)の遅延損害金

2,500万円×5%(0.05)×3年=375万円

民法改正後(年3%)の遅延損害金

2,500万円×3%(0.03)×3年=225万円

このように上記のケースにおいては、法定利率が3%になったことで約150万円減ることになります。

交通事故における民法改正による変更点②|時効期間の変更

民法改正による二つ目の変更点が時効期間の変更です。

交通事故については、従前は加害者の判明後3年(加害者不明の場合は20年)と定められていました。交通事故のうち物損事故は従前どおりですが、人身事故については今回の改正により加害者の判明後5年(加害者不明の場合は20年)へと変更になります(改正民法第724条の2第167条)。

民法改正前に発生した事故も適用対象となる

今回の法改正は基本的に「2020年4月1日以降に発生した権利」に適用されますが、上記の時効期間については2020年3月31日以前に発生した人身事故であっても、2020年4月1日時点で時効を迎えていない場合は改正民法が適用されます。

時効の完成猶予に関する新制度の導入

消滅時効については、新制度として「協議を行う旨の合意による時効の完成猶予制度」が導入されたことも大きな変更点の一つです。

この制度は「交通事故の損害賠償について協議する旨を記載した合意書を作成することで、時効完成を先延ばしにできる」というもので、もし双方において書面で合意されれば時効完成を1年間(最長5年間まで更新可能)先延ばしにすることが可能となりました(改正民法第151条)。

そのほか地震などの天災が起きて損害賠償請求の手続きが物理的に困難であるようなケースにおいては、これまで猶予期間として「天災等による障害が消滅してから『2週間』が経つまでは時効が完成しない」と定められていましたが、民法改正により猶予期間が3ヶ月へと延長されています(ただ本規定の適用場面は極めて限定的であるため、通常適用されることはないとお考えください)。

また上記以外にも、催告などの時効の停止と呼ばれる制度については時効の完成猶予へ、訴訟や債務承認などの時効の中断と呼ばれる制度については時効の更新へと名称が変更されるなど、時効制度について誤解や曲解を避ける目的として表記の整理なども行われています。

交通事故における民法改正による変更点③|賠償金の相殺

民法改正による三つ目の変更点が賠償金の相殺です。これまでは交通事故の賠償金を双方で相殺することは禁止されていました。しかし「悪意による不法行為に基づく損害賠償」や「人の生命又は身体の侵害による損害賠償」などに該当しない物損事故については、賠償金の相殺が可能となっています(改正民法第509条)。

例として、物損事故に遭って双方の過失割合(事故の責任の重さ)が「50:50」というケースでは、それぞれ相手側に生じた損害の50%を負担することになります。こちらの修理費用が80万円と仮定すると相手には40万円を請求できますが、相手の修理費用が40万円と仮定するとこちらは20万円を支払わなければなりません。

このようなケースでは、相手が支払う賠償金40万円とこちらが支払う賠償金20万円を相殺して20万円を受け取るという対応が可能となり、相手に対して賠償金を支払う手間を省くことができます。

交通事故の損害賠償請求に関する不安点・疑問点は弁護士に相談

交通事故トラブルにおいては弁護士のサポートを得るのが有効です。ここでは、弁護士に依頼するメリットや費用目安などを解説します。

弁護士に依頼するメリット

交通事故トラブルに注力する弁護士であれば、示談交渉や後遺症が残った際の手続きなど、損害賠償請求に関する対応をすべて代わってもらえます。また相談だけであれば初回無料で対応している事務所もあるため、交通事故の知識がなくて不安点や疑問点を相談したいという方も積極的に相談することをおすすめします。

もし弁護士に事故対応を依頼した場合、弁護士は依頼者にとって少しでも有利な結果が得られるよう、対応を進めてくれます。特に慰謝料や休業損害などの賠償金については、最も高額になりやすい弁護士基準という計算基準を用いて請求してくれますので、弁護士無しの場合と比べて賠償金が増額することもあり得ます。

依頼時の費用目安

依頼内容に応じて弁護士費用は異なりますが、ここでは一つの目安を紹介します。なお事務所ごとでも料金設定はまちまちですので、詳しく知りたい方は直接確認した方が確実です。

示談交渉を依頼した場合

相手との交渉対応を依頼した場合、下記が費用目安となります。

料金体系

着手金

報酬金

着手金あり

10~20万円

経済的利益の10~15%

着手金なし

0円

10~20万円+経済的利益の10~15%

裁判対応を依頼した場合

弁護士に裁判対応を依頼した場合、下記が費用目安となります。なお経済的利益とは、相手に対して請求した・相手から回収した、慰謝料や休業損害などの賠償金を合計した賠償額のことを呼びます。

賠償金

着手金

報酬金

300万円以下

経済的利益の8%

経済的利益の16%

300~3,000万円

経済的利益の5%

18万円+経済的利益の10%

3,000~3億円

経済的利益の3%

138万円+経済的利益の6%

3億円を超える場合

経済的利益の2%

738万円+経済的利益の4%

弁護士の選び方

医者によって専門分野が異なるのと同様に、弁護士も一人一人で注力分野が異なります。交通事故のサポートを得るのであれば交通事故トラブルに注力する弁護士を選ぶのがポイントです。しかし初めての方は、弁護士探しで苦労することもあるかと思いますので『ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)』から探すことおすすめします。

当サイトでは、交通事故トラブルに注力する弁護士のみに絞って探すことができます。都道府県や相談内容などの条件検索ができるほか、費用形態・対応方針・弁護士歴といった各事務所の特徴も確認できますので、一人一人の要望に近い弁護士を見つけられるでしょう。

まとめ

民法改正による大きな変更点をまとめると以下の通りです。

 

民法改正前

(2020年3月31日までに発生した事故)

民法改正後

(2020年4月1日以降に発生した事故)

法定利率

年5%

年3%

時効期間(人身事故)

加害者が判明してから3年

(加害者不明の場合は20年)

加害者が判明してから5年

(加害者不明の場合は20年)

賠償金の相殺

人身事故・物損事故いずれも不可

物損事故(故意的な事故を除く)であれば可

もし損害賠償請求について不明点や疑問点がある場合は、無料相談などを活用して交通事故トラブルに注力する弁護士に詳しく話を聞いてみると良いでしょう。また弁護士であれば、賠償金の算定や示談交渉の代行などのサポートも依頼できますので、適切に事故対応を進められる自信がない方もおすすめです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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