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公開日:2020.6.29  更新日:2020.6.29

交通事故の入通院慰謝料でギプス固定期間や骨折の程度は考慮される?

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
交通事故の入通院慰謝料算出でギプス固定期間や骨折の程度は考慮される?
  • ギプスで固定する期間は入通院慰謝料の治療期間として考慮されるのだろうか?
  • 骨折の程度は慰謝料に考慮してくれるのか?

 

このようなお悩みを抱える方も少なくないでしょう。

 

交通事故の示談交渉では症状固定時期、後遺障害の有無、損害賠償金額について意見対立が生じて交渉が長期化するケースも少なくありません。

示談が不成立となった場合、訴訟手続にまで発展することも考えられます。

 

しかし、一般社団法人JA共済総合研究所の調査によると、交通事故での四肢骨折症状に関する裁判において、休業補償期間や療養期間については8割以上の事例で原告の請求通り認定されています。

1999〜2003年を対象とした判例(215例)の統計分析では、休業補償期間は393日、療養期間が567日であった。休業補償期間と療養期間には強い相関(r=0.79)があった。60%の判例において、症状固定まで全期間休業補償が認定されていた。32%は症状固定日まで社会復帰できていなかった。休業補償期間は82%、療養期間は93.3%が原告の請求どおり認定されていた。
引用元:「交通事故判例にみる四肢骨折症例の分析-早期社会復帰を妨げる長期化要因と対応策-」一般社団法人JA共済総合研究所

この記事では、以下の内容について解説します。

 

  • 入通院慰謝料相場の算出方法
  • ギプス固定期間の入通院慰謝料に対する考慮の可否について
  • 骨折の程度や箇所に対する入通院慰謝料における考慮の可否について

 

この記事を読んで交通事故で骨折被害を受けた場合の補償についてある程度知って頂ければと思います。

 

入通院慰謝料の算出方法

交通事故の入通院慰謝料には3つの基準(自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準)があるとされ、各基準により算出結果は異なります。それぞれについて確認してみましょう。

自賠責基準

自賠責基準は強制加入保険である自賠責保険が慰謝料を計算する際に用いる基準です。


具体的には以下の2つの計算結果のうち、いずれか金額の少ない方が採用されます。

  1. 総治療期間×4200円(2020年4月1日以降に発生した事故の場合、4300円)
  2. 実治療日数×4200円(2020年4月1日以降に発生した事故の場合、4300円)×2

 

任意保険基準

任意保険基準は、加害者が任意加入する保険会社が慰謝料を算出する際に用いる内部基準です。特に公開された情報ではないので、あくまで目安として参考程度に留めてください。


入通院慰謝料(任意保険基準)の相場表

弁護士基準

弁護士基準は、過去の裁判判例を統計的に集積した結果、構築された基準です。
弁護士基準には、他覚症状のないむちうちなどの軽症の場合に用いる基準と、骨折など他覚症状がある場合に用いる基準の2パターンがあります。

それぞれの基準表については以下の通りです。

 

表:通常の弁護士基準による入通院慰謝料の表(単位:万円)

 

入院

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

13月

14月

15月

通院

 

53

101

145

184

217

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266

284

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306

314

321

328

334

340

1月

28

77

122

162

199

228

252

274

191

303

311

318

325

332

336

342

2月

52

98

139

177

210

236

260

281

297

308

315

322

329

334

338

344

3月

73

115

154

188

218

244

267

287

302

312

319

326

331

336

340

346

4月

90

130

165

196

226

251

273

292

306

316

323

328

333

338

342

348

5月

105

141

173

204

233

257

278

296

310

320

325

330

335

340

344

350

6月

116

149

181

211

239

262

282

300

314

322

327

332

337

342

346

 

7月

124

157

188

217

244

266

286

304

316

324

329

334

339

344

 

 

8月

139

170

199

226

252

252

274

292

308

320

328

333

338

 

 

 

9月

139

170

199

226

252

274

292

308

320

328

333

338

 

 

 

 

10月

145

175

203

230

256

276

294

310

322

330

335

 

 

 

 

 

11月

150

179

207

234

258

278

296

312

324

332

 

 

 

 

 

 

12月

154

183

211

236

260

280

298

314

326

 

 

 

 

 

 

 

13月

158

187

213

232

262

282

300

316

 

 

 

 

 

 

 

 

14月

162

189

215

240

264

284

302

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15月

164

191

217

242

266

288

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※スマホの方は左にスライドできます。


表:むち打ち症で他覚症状がない場合に適用される入通院慰謝料表(単位:万円)

 

入院

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

13月

14月

15月

通院

 

35

66

92

116

135

152

165

176

186

195

204

211

218

223

228

1月

19

52

83

106

128

145

160

171

182

190

199

206

212

219

224

229

2月

36

69

97

118

138

153

166

177

186

194

201

207

213

220

225

230

3月

53

83

109

128

146

159

172

181

190

196

202

208

214

221

226

231

4月

67

95

119

136

152

165

176

185

192

197

203

209

215

222

227

232

5月

79

105

127

142

158

169

180

187

193

198

204

210

216

223

228

233

6月

89

113

133

148

162

173

182

188

194

199

205

211

217

224

229

 

7月

97

119

139

152

166

175

183

189

195

200

206

212

218

225

 

 

8月

103

125

143

156

168

176

184

190

196

201

207

213

219

 

 

 

9月

109

129

147

158

169

177

185

191

197

202

208

214

 

 

 

 

10月

113

133

149

159

170

178

186

192

198

203

209

 

 

 

 

 

11月

117

135

150

160

171

179

187

193

199

204

 

 

 

 

 

 

12月

119

136

151

161

172

180

188

194

200

 

 

 

 

 

 

 

13月

120

137

152

162

173

181

189

195

 

 

 

 

 

 

 

 

14月

121

138

153

163

174

182

190

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15月

122

139

154

164

175

183

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※スマホの方は左にスライドできます。

 

ここまで、入通院慰謝料の算出に基いる基準について解説してきました。

では、交通事故により骨折し、治療のためにギプス固定を行った場合、これが入通院慰謝料の算出においてどのように考慮されるのか、詳しく確認しましょう。

ギプス固定期間は入通院慰謝料で考慮されるのか

ギプス固定期間は入通院慰謝料で考慮されるのか

入通院慰謝料はいずれの基準でも入通院の実日数と治療期間により計算されます。そして、ギプス固定期間は、この実日数に影響します。

 

例えば、自賠責基準ではギプスの固定期間は実際に治療行為を受けていなくても、治療行為があったものと評価して慰謝料を算定します。また、任意保険・弁護士基準でもギプス固定を通院期間ではなく、入院期間と同視して慰謝料額を算定することがあります。

 

もっとも、ギプスによる完全固定ではなく、以下のような簡易的な固定により日常生活に支障が少ない場合には、固定期間=入院期間という考え方を取らない場合もありますので注意しましょう。

 

  • ポリネック及びコルセットによる頚椎固定
  • クラビクルバンドによる鎖骨固定
  • バスとバンド、サポーターによる肋骨固定
  •  

骨折の程度は入通院慰謝料で考慮されるのか

交通事故での骨折には軽度の骨折もあれば、重度の骨折もあります。例えば、重大な事故に巻き込まれ、複数箇所について複雑骨折や解放骨折等の重症を負ったような場合には、通常の入通院慰謝料よりも20~30%程度の増額を検討するべき場合もあります。例えば、以下のような場合には通常よりも増額された慰謝料を請求することを検討しても良いと思われます。

 

  • 交通事故を原因とする受傷により危篤状態が継続する場合
  • 麻酔無しの手術を余儀なくされ、痛みによる苦痛が伴った場合
  • 負傷部位の再建のために複数回の手術が繰り返されたような場合
  •  

まとめ

入通院慰謝料は入通院日数及び入通院期間から算出するのが通常であり、負傷が骨折であっても基本は同じです。

もっとも、骨折等が極めて重症であるような場合には、その点を考慮して慰謝料を別途加算するべき場合もあります。

本記事での解説が参考となれば幸いです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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