交通事故の打撲の慰謝料相場は?相場早見表・計算方法・増額のコツを解説
交通事故で打撲を負った場合、たとえ症状が軽くても、適切に手続きをおこなえば慰謝料を受け取れる可能性があります。
打撲の慰謝料の相場は、一般的な通院頻度を前提とした弁護士基準の目安で、通院2週間で約9万円・1ヵ月で約19万円・3ヵ月で約53万円です。
さらに、打撲によってしびれや神経痛などの後遺症が残った場合は、後遺障害慰謝料として110万円〜290万円を追加で請求できる可能性があります。
本記事では、打撲の慰謝料の相場を通院期間別の早見表で示したうえで、3つの計算基準の違いや、慰謝料を増額し損をしないためのポイントを解説します。
後遺障害が残ったときの対応や、実際に弁護士が介入して増額した事例も紹介するので、適正な慰謝料を受け取るための参考にしてください。
この記事の監修者
佐々木 一夫 (東京弁護士会)
交通事故の軽い打撲でも慰謝料は請求できる
軽い打撲でも、医療機関で診断を受けて適切に通院していれば、慰謝料を請求できます。
交通事故による打撲は、衝突の衝撃で皮膚の下の筋肉や血管、神経などの軟部組織が損傷した状態です。
内出血や腫れ・痛みを伴い、頭部や胸部・腰部・手足など全身のどこにでも起こります。
骨折と違って外見からは判別しづらく、骨折ではないから軽症と自己判断する人もいます。
しかし神経や血管が圧迫され、しびれや神経痛などの後遺症が残るケースもあるため、軽視できません。
慰謝料を請求するには、次の3つの条件を満たす必要があります。
- 医療機関で診断を受け、診断書を取得している
- 適切な頻度(週2〜3回が目安)で整形外科などに通院している
- 事故と打撲の因果関係が認められる
打撲の慰謝料はどれくらい?通院1週間〜3ヵ月の相場早見表
打撲の慰謝料額は、入通院の期間と通院の頻度によって決まるのが基本です。
以下に3つの計算基準ごとの相場を、通院期間別の早見表にまとめました。
なお、慰謝料は通院期間だけでなく、実通院日数や通院頻度も考慮して決まります。
下記は一般的な通院頻度を前提とした目安です。
| 通院期間 | 自賠責基準 | 任意保険基準(目安) | 弁護士基準 |
|---|---|---|---|
| 1週間 | 約2.6万円 | 約3万円〜4万円 | 約4万円 |
| 2週間 | 約5.2万円 | 約6万円〜8万円 | 約9万円 |
| 1ヵ月 | 約13万円 | 約13万円〜15万円 | 約19万円 |
| 3ヵ月 | 約34万円 | 約34万円〜43万円 | 約53万円 |
| 6ヵ月 | 約69万円 | 約69万円〜80万円 | 約89万円 |
3つのうち、弁護士基準(裁判基準)の慰謝料が最も高額です。
打撲やむちうちなど、画像で異常を確認しにくい傷害は、赤い本の別表Ⅱを使って計算します。
入院した場合は、通院のみよりもさらに増額されます。
通院期間ごとの相場を詳しく見ていきましょう。
通院1〜2週間の軽い打撲の慰謝料相場
| 通院期間 | 自賠責基準 | 任意保険基準(目安) | 弁護士基準 |
|---|---|---|---|
| 1週間(実通院3日) | 約2.6万円 | 約3万円〜4万円 | 約4万円 |
| 2週間(実通院6日) | 約5.2万円 | 約6万円〜8万円 | 約9万円 |
通院1〜2週間の打撲でも、慰謝料は請求できます。
全治1〜2週間程度の軽傷だからもらえないだろうと諦める必要はありません。
押さえておきたいのは、同じ通院期間でも基準によって金額が変わる点です。
保険会社が提示してくるのは、自賠責基準や任意保険基準で計算した額が多くなっています。
弁護士基準で計算し直せば、増額が見込めます。
提示された金額が低いと感じたら、一度確認してみてください。
通院1ヵ月の打撲の慰謝料相場
| 計算基準 | 慰謝料相場 |
|---|---|
| 自賠責基準 | 約13万円 |
| 任意保険基準 | 約13万円〜15万円 |
| 弁護士基準 | 約19万円 |
通院1ヵ月になると、計算基準による金額の差がはっきり表れ始めます。
上記は実通院15日の場合の相場です。
最も低い自賠責基準と最も高い弁護士基準では、約6万円の差が生じます。
適正な金額で損をせずに示談を進めたいなら、弁護士基準での請求が有利です。
通院3ヵ月以上の打撲の慰謝料相場
| 通院期間 | 自賠責基準(目安) | 任意保険基準(目安) | 弁護士基準 |
|---|---|---|---|
| 3ヵ月(実通院40日) | 約34万円 | 約34万円〜43万円 | 約53万円 |
| 6ヵ月(実通院80日) | 約69万円 | 約69万円〜80万円 | 約89万円 |
通院が3ヵ月を超えても痛みが引かない場合、神経痛などの後遺症が残っている可能性があります。
3ヵ月以上通院しても症状が改善しない場合は、後遺障害等級認定への申請も視野に入れてみてください。
後遺障害として認定されれば、入通院慰謝料に加えて後遺障害慰謝料や逸失利益も請求できます。
詳しくは後述の「交通事故の打撲でも後遺障害は認定される」の項目で解説します。
交通事故による打撲の慰謝料を計算する3つの基準

交通事故の慰謝料には、3つの異なる計算基準があります。
どの基準で計算するかによって、同じ通院期間でも受け取れる金額が大きく変わります。
| 基準 | 計算方法・特徴 | 金額の目安 | 主に使われる場面 |
|---|---|---|---|
| 自賠責基準 | 日額4,300円×対象日数による最低限の補償 | 最も低い | 自賠責保険会社が支払う場合 |
| 任意保険基準 | 保険会社が独自に設定した非公開の基準 | 自賠責と同等〜やや高い | 保険会社が示談で最初に提示する金額 |
| 弁護士基準 | 「赤い本」別表Ⅱなど過去の裁判例に基づく基準 | 最も高い | 弁護士が示談交渉や裁判をおこなう場合 |
それぞれの基準について、詳しく見ていきましょう。
1. 自賠責基準|最低限の補償を目的とする基準
自賠責基準は、自動車損害賠償保障法に基づく、被害者への最低限の補償を目的とした基準です。
3つの基準のなかで最も金額が低い基準です。
自賠責基準では、入通院による慰謝料を日額4,300円として、以下の式で計算します。
| 入通院慰謝料の計算式 |
|---|
| ①、②のいずれか金額の少ないほうを適用する ①4,300円×治療期間(病院に通っていた期間) ②4,300円×実通院日数(実際に病院に通った日数)×2 |
※2020年3月31日以前に発生した事故では、1日あたりの金額を4,200円で計算する
たとえば通院期間30日・実通院10日の場合、実通院日数×2の20日が治療期間30日より少ないため、4,300円×20日=86,000円です。
なお、自賠責保険には傷害部分で120万円の支払上限があります。
慰謝料や治療費を合わせて上限額を超えた分は、加害者本人または任意保険会社に請求します。
2. 任意保険基準|保険会社が独自に設定する基準

任意保険基準は、加害者が加入している任意保険会社が独自に設定する基準です。
基準の内容は各社の内部資料で、一般には公開されていません。
金額の目安は、自賠責基準とほぼ同水準か、わずかに上乗せされた程度です。
加害者側の保険会社は、示談交渉が始まると、まず任意保険基準で計算した金額を提示してきます。
ただし、保険会社が提示する金額は、本来受け取れる弁護士基準と比べて大幅に低いのが一般的です。
保険会社の提示額を安易に受け入れず、弁護士基準での増額交渉を検討してみてください。
【任意保険基準の入通院慰謝料の目安】

3. 弁護士基準(裁判基準)|最も高額な法的基準
弁護士基準(裁判基準)は、過去の裁判例の蓄積をもとに作成された「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)に基づく基準です。
法的に最も適正とされ、 3つの基準のなかで最も高額になります。
打撲やむちうちなどの軽傷は、別表Ⅱを使って慰謝料を算出します。
通院期間に応じた金額が定められており、通院1ヵ月の場合は約19万円です。
実通院15日として計算した自賠責基準の約13万円と比べると、1.5倍ほどの差が出ます。
ただし、被害者本人が直接弁護士基準で交渉しても、保険会社が応じるケースはほとんどありません。
弁護士基準に近い金額を得るには、弁護士に依頼するのが有利です。

同じ打撲でも基準によって慰謝料は大きく変わる
冒頭の早見表のとおり、同じ打撲でも基準によって慰謝料に大きな差が出ます。
通院期間が長くなるほど、基準による差は広がります。
弁護士と自賠責の差は、通院3ヵ月で約19万円、6ヵ月では約20万円に達する場合もあり、弁護士基準は自賠責基準の約1.3〜1.7倍が目安です。
保険会社の提示額は、金額の低い自賠責・任意保険基準で計算されているケースがほとんどを占めます。
適正な慰謝料を受け取るには、弁護士に依頼して弁護士基準で交渉してもらうのが確実です。
交通事故の打撲でも後遺障害は認定される|等級・慰謝料相場と認定の流れ
打撲は通常、1〜2週間から長くても1ヵ月程度で痛みが引く場合が多く、後遺障害が認定されるケースは限定的です。
しかし、事故の衝撃で神経が傷つき、しびれや痛みが長期間残る場合には、14級9号や12級13号に認定される可能性があります。
後遺障害に認定されると、入通院慰謝料に加えて、後遺障害慰謝料と逸失利益も請求できます。
賠償金全体が大幅に増額し、数百万円単位になるケースも少なくありません。
認定されうる等級の相場や、具体的な申請の流れを詳しく見ていきましょう。
打撲の後遺障害等級と慰謝料相場(14級9号・12級13号)
打撲の後遺症として認定される可能性があるのは、主に14級9号と12級13号の2つです。
等級ごとの認定基準と後遺障害慰謝料の相場を、次の表にまとめました。
| 等級 | 認定基準 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|---|
| 14級9号 | 局部に神経症状を残すもの | 32万円 | 110万円 |
| 12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの | 94万円 | 290万円 |
両者の違いは、他覚的所見(客観的な証拠)があるかどうかです。
14級9号は神経学的検査などで症状が医学的に「説明できる」状態、12級13号はMRIなどの画像所見で「証明できる」状態を指します。
打撲だけで後遺障害が認定されるケースは多くありません。
しかし、神経症状が長く残り、症状を裏づける検査結果がそろえば、認定される可能性があります。
打撲で後遺障害等級認定を受けるまでの流れ
後遺障害等級認定の申請は、症状固定と判断された時点から始まります。
症状固定とは、これ以上治療を続けても症状が改善しない状態です。
打撲は数週間から1〜3ヵ月程度で治る場合が多いですが、神経症状が残るケースでは、後遺障害を見据えて6ヵ月以上の通院が目安です。
後遺障害等級認定は、おおむね次の流れで進みます。
- 打撲の治療を継続する(症状固定まで、目安は6ヵ月以上)
- 医師に症状固定の診断を受ける
- 後遺障害診断書など必要書類を準備する
- 任意保険会社または自賠責保険会社に書類を提出する
- 損害保険料率算出機構が審査する(約1〜3ヵ月)
- 等級の認定結果が通知される(非該当なら異議申立ても可能)
申請方法の2つには、それぞれ次のような違いがあります。
| 申請方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 事前認定 | 保険会社が手続きを代行するため手間がかからない | 提出書類の中身を確認できず、資料不足で不利になるリスクがある |
| 被害者請求 | 自分で有利な医証を揃えられるため認定率が上がりやすい | 書類集めや手続きの負担が大きく、医学・法律の知識が必要 |
認定の可能性を高めたいなら、被害者請求がおすすめです。
ただし書類準備の負担が大きいため、弁護士のサポートを受けると安心です。
打撲で後遺障害等級が認定されやすいケース
打撲で後遺障害が認定されるには、いくつかの条件を満たす必要があります。
認定されやすいケースの共通点は、主に次の5つです。
- 頭や首、腰など、太い神経が通っている部位の打撲である
- しびれや神経痛などの症状が3ヵ月以上続いている
- MRIなどの画像検査で、明確な異常所見が確認できる
- 通院期間が6ヵ月以上あり、かつ一定の頻度で通院している
- 事故直後から一貫して同じ痛みを医師に訴え続けている
認定率を上げるには、次の4つを押さえておくとよいでしょう。
- 事故直後から週2〜3回のペースで継続的に通院する
- 痛みや違和感があれば、遠慮せず全て医師に伝えてカルテに残す
- 早めにMRIや神経学的検査を受け、客観的な証拠を確保する
- 被害者請求を利用し、充実した書類を自分で揃える
上記のポイントを押さえれば、後遺障害認定の可能性が高まります。
慰謝料だけじゃない|打撲で請求できる損害賠償5つ
交通事故の賠償金は、精神的苦痛に対する慰謝料だけではありません。
事故によって生じた実費や経済的な損失も、加害者側に請求できます。
慰謝料の交渉ばかりに気を取られていると、本来もらえるはずの補償を見落とします。
打撲で請求できる主な損害賠償は、次の5つです。
| 損害賠償の項目 | 内容 | 請求のポイント |
|---|---|---|
| 治療費 | 病院や整形外科、整骨院でかかった治療費の実費 | 一括対応を使えば保険会社が病院へ直接支払うため、立て替え不要 |
| 通院交通費 | 通院にかかった交通費 | 電車・バスは実費、自家用車は1kmあたり15円、タクシーは医師の指示がある場合のみ |
| 休業損害 | 仕事を休んで減った収入の補償 | 給与所得者や自営業者だけでなく、専業主婦でも請求できる |
| 入院雑費 | 入院中の日用品代などの細かな出費 | 弁護士基準なら1日あたり1,500円の定額で計算できる |
| 物損 | 壊れた自転車・ヘルメット・衣類・メガネなどの修理費・買替費用 | 壊れた物の写真や修理の見積書を保管しておく |
打撲の慰謝料請求で損をしないためのポイント6つ
打撲の慰謝料を適正な金額で受け取るには、事故直後からの正しい行動が欠かせません。
対応を少し間違えるだけで、数十万円単位で損をする場合もあります。
事故直後・通院中・示談交渉前の時系列に沿って、押さえておきたい6つのポイントを見ていきましょう。
①人身事故として警察に届け出る
軽い打撲であっても、警察への届出は人身事故として処理してもらうのが望ましいです。
物損事故のままでも治療費や慰謝料を請求できないわけではありませんが、けがと事故の関係を証明しにくくなり、次のような不利が生じやすくなります。
- 事故とけがの因果関係を立証しにくくなる
- 実況見分調書が作成されず、過失割合の判断で不利になりやすい
- 慰謝料などの交渉で証拠が不足しがちになる
事故当日に物損として届け出てしまった場合も、あとから人身事故への切替が可能です。
手順は以下のとおりです。
- 整形外科を受診し、診断書を発行してもらう
- 警察署へ出向き、診断書を提出して人身事故への切替を申請する
- 警察による実況見分(事故の再調査)に立ち会う
切替に法律上の期限はありませんが、できるだけ早くおこないましょう。
時間が経つほど、事故との因果関係の証明が難しくなります。
②事故後すぐに整形外科を受診する
事故後は、少しでも違和感があれば、当日のうち、遅くとも数日以内に病院を受診してください。
受診が遅れると、保険会社から事故以外の原因でけがをしたのではないかと因果関係を疑われます。
受診の際は、整骨院に直行するのではなく、まずは医師のいる整形外科でレントゲンやMRIなどの診察を受けましょう。
痛いところは我慢せず、全ての自覚症状を正確に伝えて、診断書をもらってください。
受診までの期間が空くほど、事故とけがの因果関係を争われる可能性が高くなります。
③整骨院・接骨院に通うときは医師の同意を得る
打撲の治療で整骨院や接骨院を利用する際は、必ず事前に主治医(整形外科の医師)から同意や許可を得ておきましょう。
医師の指示なく整骨院にだけ通っていると、施術費や通院日数が慰謝料の対象外とされる場合があります。
整骨院の柔道整復師は医師ではないため、整骨院での施術だけでは医学的な治療として認められにくいのが実情です。
整形外科をメインの主治医として月に数回は受診を続けながら、整骨院を併用する形がよいでしょう。
通院先の状況は、保険会社と主治医の双方に定期的に報告しておくと安心です。
④適切な通院頻度(週2〜3回)を維持する
打撲の治療では、週2〜3回(月10日以上)の通院ペースが一般的な目安とされます。
通院頻度が週2回を下回ると、慰謝料を減額されるおそれがあります。
慰謝料の金額は、通院した期間と頻度のバランスで決まります。
通院の間隔が空きすぎると、保険会社や裁判所から治療の必要性が乏しいと判断され、減額の原因になりかねません。
特に自賠責基準の計算では実通院日数×2が対象日数として扱われるため、通院日数が少ないと慰謝料も少なくなります。
たとえば通院期間が1ヵ月あっても、実際に通院したのが3日だけだと対象日数は6日となり、慰謝料は4,300円×6日=25,800円にとどまります。
痛みが続いている間は、自己判断で通院を中断せず、適切なペースで治療を続けましょう。
⑤治療費の打ち切り宣告に安易に応じない
保険会社から治療費の打ち切りを通告されても、痛みが残っているなら安易に応じてはいけません。
打撲では、事故から3ヵ月ほど経ったタイミングで治療費打ち切りの連絡が来る場合があります。
しかし、症状固定かどうかを判断するのは、保険会社ではなく医師です。
医学的に治療の必要性があるうちは、保険会社の都合で治療を打ち切られるいわれはありません。
打ち切りを通告されても、健康保険を利用すれば自己負担を抑えて通院を続けられます。
なお、症状固定の時期に争いが生じた場合、最終的に判断するのは裁判所です。
打ち切りへの対応に困ったら、弁護士に間に入ってもらいましょう。
治療費の支払い継続を交渉できます。
⑥完治・症状固定前に示談しない
保険会社から早期の示談を勧められても、完治または症状固定の前に示談してはいけません。
一度示談が成立すると、あとからどんなに痛みが悪化しても、追加で治療費や慰謝料を請求できなくなります。
早く示談すればすぐにお金が振り込まれると急かされても、治療が終わる前に示談書へサインするのは禁物です。
示談後に後遺症が残っても手遅れになります。
正しい手順は、次のとおりです。
- けがの完治、または症状固定まで通院を続ける
- 後遺症が残った場合は、後遺障害認定の申請をおこなう
- 損害額の総額が確定してから、示談交渉に臨む
焦らず治療を続ければ、適正な賠償につながります。
実際に、頚椎捻挫で長期間通院しての裁判例も多数あります。
例えば頚椎捻挫に右肩・右上腕の打撲を伴ったケースで、長期の治療を経て後遺障害14級が認定され、約286万円の賠償金が認められた裁判例などです。(甲府地裁 平成19年5月22日判決)
打撲の慰謝料を最大化するなら弁護士相談がおすすめ
保険会社が提示してくる慰謝料額は、本来受け取れるはずの弁護士基準と比べて低く設定されています。
打撲は軽症と思われがちですが、専門知識をもって交渉すれば、賠償金は大きく変わります。
示談金に少しでも不満があるなら、示談書にサインする前に弁護士へ相談してみてください。
交通事故問題を弁護士に依頼する3つのメリットを紹介します。
①弁護士に依頼すれば慰謝料が2倍以上になる場合もある
弁護士が介入して弁護士基準で交渉すると、保険会社の提示額から慰謝料が増額されるのが一般的です。
ケースによっては2倍以上になることもあります。
自分で対応する場合と弁護士に依頼する場合の違いを、表にまとめました。
| 項目 | 自分で交渉した場合 | 弁護士に依頼した場合 |
|---|---|---|
| 計算基準 | 自賠責・任意保険基準 | 弁護士基準(裁判基準) |
| 通院1ヵ月の慰謝料 | 約13万円〜15万円 | 約19万円 |
| 通院3ヵ月の慰謝料 | 約34万円〜43万円 | 約53万円 |
| 後遺障害認定 | 自分で複雑な書類を準備 | 弁護士のサポートで認定率が上がりやすい |
| 治療費の打ち切り | 対応が難しく、応じてしまいがち | 弁護士が交渉して継続を求められる |
| 休業損害 | 主婦の休業損害などが漏れやすい | 適正な基準で漏れなく請求できる |
通院3ヵ月のケースで見比べると、弁護士が入るだけで10万円〜19万円ほどの差額が生まれる計算です。
適切な慰謝料額を引き出すには、法的な根拠をもった交渉力が欠かせません。
②示談交渉・後遺障害申請を弁護士に一任できる
保険会社の担当者との直接のやり取りは、被害者にとって大きな精神的ストレスになります。
弁護士に依頼すれば、保険会社との交渉や面倒な手続きを全て一任できます。
弁護士に任せられる業務は、次のとおりです。
- 加害者側の保険会社との示談交渉
- 後遺障害認定の被害者請求のサポート
- 一方的な治療費の打ち切り宣告への対応・延長交渉
- 警察や病院から取り寄せる必要書類の収集・作成
- 過失割合への反論と交渉
わずらわしい対応から解放されるため、被害者自身は治療と仕事への復帰に専念できます。
③弁護士費用特約があれば自己負担なしで依頼できる
弁護士に頼むと費用が高くて赤字になるのではと心配な方こそ、ご自身の自動車保険に付帯している弁護士費用特約を確認してみてください。
特約を使えば、保険会社が弁護士費用を負担するため、実質0円で依頼できるケースがほとんどです。
弁護士費用特約の主なポイントは、次のとおりです。
- 補償額は1事故・1名につき300万円までが一般的で、多くの事故は補償の範囲内に収まる
- 自分が契約していなくても、同居の家族の特約を使える場合がある
- 特約を使っても保険の等級は下がらず、翌年の保険料も上がらない
特約に加入していなくても、着手金0円の完全成功報酬制を採用する事務所は多くあります。
費用倒れのリスクを気にせず、まずは無料相談で増額の見込みを確認してみてください。
打撲の慰謝料請求なら「ベンナビ交通事故」
保険会社の提示額に「妥当なのか」「もっと増額できないか」と不安を感じる方は少なくありません。
実際、保険会社の提示額は自賠責基準や任意保険基準で計算されており、弁護士基準を下回っているケースが多くあります。
そんなときに頼りになるのが、交通事故に強い弁護士を簡単に検索できるポータルサイト「ベンナビ交通事故」です。
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さらに、以下の条件で絞り込めます。
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打撲の慰謝料の増額交渉に対応できる事務所が多数登録されているのが特長です。
着手金無料や分割払いに対応する事務所もあり、費用面の負担を抑えて相談しやすくなっています。
打撲の慰謝料はこんなに変わる|弁護士介入の解決事例3選
実際に弁護士へ依頼すると、打撲の慰謝料はどれくらい増額するのでしょうか。
ベンナビ交通事故に掲載されている弁護士が介入し、大幅な増額に成功した解決事例を3つ紹介します。
保険会社の提示額と弁護士介入後の金額を比較しながら、弁護士に依頼する効果を確かめてみてください。
事例①|打撲・むちうちで示談金が約2倍|50万円→100万円に増額
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ご依頼者 | 30代・女性 |
| 事故の状況 | 車で交差点を走行中、一時停止を無視した相手車が右側面に衝突 |
| 受傷部位 | 打撲・むちうち |
| 後遺障害 | なし |
交差点を走行中、一時停止を無視した車に側面から衝突され、打撲とむちうちを負った30代女性のケースです。
治療は長引き、首や腰の痛みに加え、事故の恐怖から運転ができなくなるなど精神的にも負担を抱えていました。
保険会社からの当初の提示額は約50万円でした。
弁護士が示談内容を精査し、漏れていた主婦休業損害を追加で請求した結果、約100万円へと倍増。
治療費の打ち切りを通告された際も、弁護士が間に入って対応しています。
依頼者自身の弁護士費用特約を活用したため、自己負担は0円でした。
軽い打撲でも、特約を使って弁護士に任せれば、手元に残る金額を大きく増やせる事例です。
事例②|後遺障害9級認定後の示談交渉で約190万円を増額
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ご依頼者 | 70代女性 |
| 事故の状況 | 信号のない横断歩道を歩行中、右折してきた車に衝突され救急搬送 |
| 受傷部位 | 顔面の瘢痕拘縮変形・頚椎捻挫・左膝の打撲・捻挫など |
| 後遺障害 | 9級 |
| 増額 | 約190万円 |
信号のない横断歩道を歩行中に右折車にはねられ、左膝の打撲や頚椎捻挫、顔面の傷などを負った70代女性の事例です。
すでに後遺障害9級が認定されており、保険会社からの示談提示を受けたあと、内容を精査したうえで弁護士へ依頼しました。
弁護士は後遺障害による逸失利益の請求を試みました。
醜状障害や高齢を理由に、逸失利益自体は認められませんでした。
しかし、逸失利益の請求を交渉で持ち出したことで、保険会社から休業損害と慰謝料は譲歩できるとの回答を引き出しました。
結果、約190万円の増額を実現しています。
打撲を含む複合的なけがで後遺障害が残ったケースでも、弁護士が粘り強く交渉すれば増額につながります。
事例③|膝の打撲(骨挫傷)で後遺障害12級認定|0円から615万円を獲得
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ご依頼者 | 30代女性 |
| 受傷部位 | 左膝蓋骨内側部の骨挫傷、左膝・顔面・腰部の打撲、右足関節捻挫、末梢神経障害性疼痛など |
| 後遺障害 | 12級 |
| 結果 | 0円(提示なし)→ 約615万円を獲得 |
事故で左膝の骨挫傷をはじめ、顔面や腰部の打撲など多数のけがを負った30代女性のケースです。
当初は後遺障害の認定がなく、保険会社から示談金は0円と言われていました。
弁護士が介入して後遺障害認定をサポートした結果、12級の認定を獲得。
12級の認定をもとに保険会社と交渉し、最終的に約615万円の賠償金を得られました。
打撲や骨挫傷を含むけがでも、後遺障害12級が認定されれば、600万円を超える賠償金につながる可能性があります。
交通事故の打撲慰謝料に関するよくある質問
最後に、打撲の慰謝料に関してよく寄せられる質問にお答えします。
気になる質問があれば、ぜひチェックしてください。
Q1. 通院を中断すると慰謝料は減額される?
はい、通院を中断すると慰謝料が減額される可能性があります。
通院の間隔が長く空くと、治療の必要性が低かった、あるいは事故と関係ない症状だと評価されかねません。
結果、慰謝料が減額されてしまいます。
どうしても日中の通院が難しい場合は、自己判断で中断せず、まず主治医に相談してください。
通院の間隔を調整したり、夜間診療をおこなっている整形外科を探したりするなど、通院を続ける工夫が必要です。
Q2. 検査や経過観察だけの通院でも慰謝料の対象になる?
はい、医師の指示による検査・経過観察のための通院は、慰謝料の対象になります。
事故直後のレントゲンでは異常が見つからなくても、数日経ってから痛みやしびれが強くなるケースは珍しくありません。
医師の指示があれば、検査や経過観察のみの通院でも慰謝料の算定に含まれます。
ただし、自己判断で念のために通院を続けても、医師から治療の必要なしと判断された場合は対象外になります。
通院を続けるかどうかは、必ず医師の指示に基づいて判断してください。
Q3. 自転車事故の打撲でも慰謝料は請求できる?
自転車同士の事故や、自転車対歩行者の事故であっても、加害者に対して慰謝料を請求できます。
ただし自転車は自賠責保険の対象外なので、加害者がどの保険に入っているかで対応がわかれます。
| 加害者の保険加入状況 | 請求先・対応方法 |
|---|---|
| 任意保険(自動車保険など)に加入 | 加害者側の保険会社へ通常どおり請求する |
| 個人賠償責任保険に加入 | 加害者の個人賠償責任保険へ請求する |
| どの保険にも未加入 (無保険) |
加害者本人へ直接請求する(内容証明や裁判に発展する可能性あり) |
| ひき逃げなどで加害者不明 | 自身が加入する人身傷害保険などを確認して利用する |
自転車事故は加害者が無保険で、直接交渉を余儀なくされるケースも目立ちます。
当事者同士の話し合いはトラブルになりやすいため、早めに弁護士へ相談すると安全です。
Q4. 過失割合がある場合(9対1・8対2など)、打撲の慰謝料はどうなる?
被害者側にも事故の原因(過失)がある場合、過失相殺のルールで、過失の割合分だけ慰謝料が減額されます。
たとえば慰謝料が20万円と算出されたケースでは、受け取り額は次のようになります。
- 過失割合9対1(被害者の過失10%)の場合:10%分が引かれ、18万円
- 過失割合8対2(被害者の過失20%)の場合:20%分が引かれ、16万円
注意したいのは、保険会社が最初に提示してくる過失割合が、必ずしも正しいとは限らない点です。
加害者側に有利な数字で計算されている場合が多いため、少しでも納得できないなら、すぐにサインしないでください。
弁護士に依頼して過失割合を見直せば、引かれる金額が減り、結果的に慰謝料が増額するケースもあります。
また、人身傷害保険に加入している場合には、過失があっても慰謝料を100%回収可能な場合もあります。
受け取れる賠償金額が全くことなってきますから、過失割合がある場合には特に弁護士に相談する必要性が高いでしょう。
Q5. 顔面打撲・骨折など複数の傷害がある場合の慰謝料は?
たとえば顔面の打撲と腕の骨折を同時に負ったようなケースでは、入通院慰謝料はけが全体の治療期間をもとに算定されます。
さらに後遺症が残れば、後遺障害慰謝料が加わります。
後遺障害慰謝料が加わるぶん、打撲だけのときより慰謝料の総額は大きくなりやすいです。
ただし、複数のけががある状態での後遺障害申請や示談交渉は、評価すべき項目が増えるぶん複雑になります。
どの傷害をどう評価するかで金額が変わるため、適正な賠償を漏れなく受けるには、弁護士のサポートを受けると安心です。
Q6. 打撲だけで人身事故扱いにできる?
打撲やむちうちのように外傷が少ないけがでも、医師の診断書さえあれば人身事故として届け出られます。
加害者から「軽いけがだから物損事故のままにしてほしい」と頼まれても、応じないようにしましょう。
物損事故のままでも請求自体はできますが、けがと事故の関係を証明しにくくなり、不利になりがちです。
すでに物損で届けてしまった場合は、整形外科で診断書をもらい、警察署で人身事故への切替を申請します。
切替に法律上の期限はありませんが、時間が経つほど事故との因果関係を証明しにくくなるため、なるべく早く手続きするのがおすすめです。
手順の詳細は「①人身事故として警察に届け出る」もあわせてご確認ください。
Q7. 打撲の痛みはいつまで続く?慰謝料との関係は?
症状の重さごとの、一般的な治療期間の目安は次のとおりです。
ただし、以下はあくまで目安です。
実際の治療期間は、必ず医師の診断を最優先してください。
| 症状の重さ | 治療期間の目安 |
|---|---|
| 軽症(押すと痛む程度) | 全治1〜2週間 |
| 中等症(腫れや内出血を伴う) | 全治1ヵ月程度 |
| 重症(神経症状を伴う) | 全治3ヵ月以上 |
慰謝料は通院期間と通院頻度によって決まります。
痛みが続いている間は、自己判断で通院をやめず治療を続けることで、慰謝料の対象となる期間も確保できます。
3ヵ月以上経っても痛みが引かない場合は、後遺障害(14級9号や12級13号)の認定も視野に入れて準備を進めるとよいでしょう。
まとめ|交通事故の打撲は弁護士に相談し正当な慰謝料請求を
交通事故の打撲でも、適切に対応すれば正当な慰謝料を受け取れます。
保険会社の提示額に安易に合意せず、まずは弁護士に相談してみてください。
本記事の要点は次のとおりです。
- 軽い打撲でも、診断を受けて通院していれば慰謝料を請求できる
- 計算基準は3つあり、弁護士基準が最も高額になる
- 神経症状が残れば、後遺障害認定で大幅に増額する可能性がある
- 慰謝料以外に、治療費・交通費・休業損害・入院雑費・物損も請求できる
- 弁護士に依頼すれば、慰謝料が大きく増額する可能性がある
一度示談書にサインすると、あとから金額に気づいても、やり直しはできません。
少しでも不安があるなら、一人で悩まず交通事故にくわしい弁護士へ相談してみてください。
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多くの保険会社では、被害者1名につき最大300万円までの弁護士費用を負担してくれます。特約があるか分からない方でも、お気軽にご相談ください。弁護士と一緒にご確認した上で依頼の有無を決めて頂けます。
特約を利用して弁護士に相談する交通事故問題を依頼する弁護士の選び方にはポイントがあります。
- 過去の解決事例を確認する
- 料金体系が明確である弁護士を選ぶ
- 交通事故問題が得意な弁護士から選ぶ
等です。
詳しくは以下の記事を読んで、正しい弁護士の選び方を理解した上で弁護士に相談しましょう。
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・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
この記事の監修者
佐々木 一夫 (東京弁護士会)
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