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後遺障害等級認定とは?認定までの期間・認定基準・等級獲得のポイントを解説

後遺障害等級認定とは?認定までの期間・認定基準・等級獲得のポイントを解説

交通事故で後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定の手続きを進めましょう。

後遺障害として等級認定されれば、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益などの請求が可能となり、賠償金の大幅な増額が期待できます。

しかし、交通事故被害者の中には「どうすれば後遺障害等級の認定を受けられるのか」「認定されなかった場合はどうすればよいのか」など、多くの疑問や不安を抱えている方もいるでしょう。

本記事では、後遺障害等級認定の流れや各等級の認定基準、適切な後遺障害等級認定を受けるために知っておくべきポイントなどを解説します。

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この記事の監修者

富永 慎太朗 (福岡県弁護士会)

ご相談者様のお話をしっかりと伺い、豊富な実績を活かし最適な解決策を提案しています。

後遺障害等級認定とは

後遺障害等級認定とは、交通事故後に残った後遺症について「交通事故によって生じた損害」として正式に等級認定する手続きのことです。

後遺障害申請をおこなうと、認定機関である損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所によって審査がおこなわれ、症状の程度に応じて等級認定がおこなわれます。

後遺障害等級は1級から14級まであり、1級が最も重く、14級が最も軽い症状となっています。

後遺障害等級の認定を受けることができれば、被害者は加害者側に対して後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益などの後遺障害に関する賠償金を請求できるようになります。

ここでは、交通事故の後遺障害の定義や後遺障害等級の認定率、各等級の認定基準などを解説します。

後遺障害と後遺症の違い

後遺障害と混同されやすいものとして「後遺症」がありますが、後遺障害と後遺症は別物です。

後遺症とは、けがや病気の治療後に残る機能障害や神経症状を指します。

一方、後遺障害とは、後遺症のうち交通事故との因果関係や労働能力の低下・喪失が認められ、自賠責保険の等級に該当するものを指します。

したがって、後遺症のうち一定の条件を満たしているものが後遺障害といえるのであり、全ての後遺症が後遺障害として認められるわけではありません。

後遺障害等級の認定率

損害保険料率算出機構の公表資料によると、2025年度の後遺障害等級の認定状況は以下のとおりです。

後遺障害等級の認定率は約4%となっているものの、傷害だけの事故や死亡事故なども含まれているため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。

項目 件数・割合
自賠責保険の支払い件数
(傷害だけの事故や死亡事故も含む)
86万6,495件
後遺障害等級1級~14級の認定件数 3万5,216件
後遺障害等級の認定率 約4%

なお、各等級の認定件数・認定率の内訳は以下のとおりです。

後遺障害等級の中でも14級の認定件数が1万9,589件と最多で、全体の半数以上を占めています。

等級 認定件数・認定率
第1級 13件(0.04%)
第1級(介護を要する後遺障害) 615件(1.75%)
第2級 42件(0.12%)
第2級(介護を要する後遺障害) 317件(0.90%)
第3級 201件(0.57%)
第4級 106件(0.30%)
第5級 264件(0.75%)
第6級 382件(1.08%)
第7級 684件(1.94%)
第8級 1,307件(3.71%)
第9級 1,230件(3.49%)
第10級 1,249件(3.55%)
第11級 2,968件(8.43%)
第12級 5,922件(16.82%)
第13級 327件(0.93%)
第14級 1万9,589件(55.63%)

後遺障害等級の認定基準

交通事故の後遺障害等級には、それぞれ認定基準が設けられています。

認定基準は以下のとおりで、具体的な傷病名や判断基準などは各等級のリンクから確認可能です。

等級 認定基準
第1級
  1. 両眼が失明したもの
  2. 咀嚼・言語の機能を廃したもの
  3. 両上肢を肘関節以上で失ったもの
  4. 両上肢の用を全廃したもの
  5. 両下肢を膝関節以上で失ったもの
  6. 両下肢の用を全廃したもの
第1級(介護を要する後遺障害)
  1. 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護が必要なもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護が必要なもの
第2級
  1. 一眼が失明し、もう一方の視力が0.02以下になったもの
  2. 両眼の視力が0.02以下になったもの
  3. 両上肢を手関節以上で失ったもの
  4. 両下肢を足関節以上で失ったもの
第2級(介護を要する後遺障害)
  1. 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護が必要なもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護が必要なもの
第3級
  1. 一眼が失明し、もう一方の視力が0.06以下になったもの
  2. 咀嚼または言語の機能を廃したもの
  3. 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  4. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  5. 両手の手指の全部を失ったもの
第4級
  1. 両眼の視力が0.06以下になったもの
  2. 咀嚼や言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力を全く失ったもの
  4. 一上肢を肘関節以上で失ったもの
  5. 一下肢を膝関節以上で失ったもの
  6. 両手の手指の全部の用を廃したもの
  7. 両足をリスフラン関節以上で失ったもの
第5級
  1. 一眼が失明し、もう一方の視力が0.1以下になったもの
  2. 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  3. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  4. 一上肢を手関節以上で失ったもの
  5. 一下肢を足関節以上で失ったもの
  6. 一上肢の用を全廃したもの
  7. 一下肢の用を全廃したもの
  8. 両足の足指の全部を失ったもの
第6級
  1. 両眼の視力が0.1以下になったもの
  2. 咀嚼または言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力が、耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
  4. 一耳の聴力を全く失い、もう一方の聴力が40cm以上の距離では普通の話し声を解することができない程度になったもの
  5. 脊柱に著しい変形または運動障害を残すもの
  6. 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  7. 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  8. 一手の五の手指または親指を含み四の手指を失ったもの
第7級
  1. 一眼が失明し、もう一方の視力が0.6以下になったもの
  2. 両耳の聴力が、40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
  3. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することができない程度になったもの
  4. 神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  5. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  6. 一手の親指を含み三つの手指を失ったもの、または親指以外の四つの手指を失ったもの
  7. 一手の五つの手指、または親指を含み四つの手指の用を廃したもの
  8. 一足をリスフラン関節以上で失ったもの
  9. 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  10. 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  11. 両足の足指の全部の用を廃したもの
  12. 外貌に著しい醜状を残すもの
  13. 両側の睾丸を失ったもの
第8級
  1. 一眼が失明し、もう一方の視力が0.02以下になったもの
  2. 脊柱に運動障害を残すもの
  3. 一手の親指を含み二つの手指を失ったもの、または親指以外の三つの手指を失ったもの
  4. 一手の親指を含む三つの手指の用を廃したもの、または親指以外の四つの手指の用を廃したもの
  5. 一下肢を5cm以上短縮したもの
  6. 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  7. 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  8. 一上肢に偽関節を残すもの
  9. 一下肢に偽関節を残すもの
  10. 一足の足指の全部を失ったもの
第9級
  1. 両眼の視力が0.6以下になったもの
  2. 一眼の視力が0.06以下になったもの
  3. 両眼に半盲症・視野狭窄・視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  5. 鼻を欠損し、機能に著しい障害を残すもの
  6. 咀嚼および言語の機能に障害を残すもの
  7. 両耳の聴力が、1m以上の距離では普通の話し声を解することができない程度になったもの
  8. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、もう一方の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することが困難な程度になったもの
  9. 一耳の聴力を全く失ったもの
  10. 神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  11. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  12. 一手の親指または親指以外の二つの手指を失ったもの
  13. 一手の親指を含む二つの手指の用を廃したもの、または親指以外の三つの手指の用を廃したもの
  14. 一足の第一の足指を含み二つ以上の足指を失ったもの
  15. 一足の足指の全部の用を廃したもの
  16. 外貌に相当程度の醜状を残すもの
  17. 生殖器に著しい障害を残すもの
第10級
  1. 一眼の視力が0.1以下になったもの
  2. 正面を見た場合、複視の症状を残すもの
  3. 咀嚼または言語の機能に障害を残すもの
  4. 十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が、1m以上の距離では普通の話し声を解することが困難な程度になったもの
  6. 一耳の聴力が、耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
  7. 一手の親指または親指以外の二つの手指の用を廃したもの
  8. 一下肢を3cm以上短縮したもの
  9. 一足の第一の足指またはほかの四つの足指を失ったもの
  10. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
  11. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
第11級
  1. 両眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの
  2. 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  4. 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が、1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
  6. 一耳の聴力が、40cm以上の距離では普通の話し声を解することができない程度になったもの
  7. 脊柱に変形を残すもの
  8. 一手の人差し指、中指または薬指を失ったもの
  9. 一足の第一の足指を含み二つ以上の足指の用を廃したもの
  10. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
第12級
  1. 一眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの
  2. 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  4. 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
  5. 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨または骨盤骨に著しい変形を残すもの
  6. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  7. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  8. 長管骨に変形を残すもの
  9. 一手の小指を失ったもの
  10. 一手の人差し指、中指または薬指の用を廃したもの
  11. 一足の第二の足指を失ったもの、第二の足指を含み二の足指を失ったものまたは第三の足指以下の三の足指を失ったもの
  12. 一足の第一の足指、またはほかの四つの足指の用を廃したもの
  13. 局部に頑固な神経症状を残すもの
  14. 外貌に醜状を残すもの
第13級
  1. 一眼の視力が0.6以下になったもの
  2. 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 一眼に半盲症、視野狭窄または視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたの一部に欠損を残し、またはまつげはげを残すもの
  5. 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  6. 一手の小指の用を廃したもの
  7. 一手の親指の指骨の一部を失ったもの
  8. 一下肢を1cm以上短縮したもの
  9. 一足の第三の足指以下の一または二の足指を失ったもの
  10. 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの、または第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
  11. 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
第14級
  1. 一眼のまぶたの一部に欠損を残し、またはまつげはげを残すもの
  2. 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  3. 一耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
  4. 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜い跡を残すもの
  5. 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜い跡を残すもの
  6. 一手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
  7. 一手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
  8. 一足の第三の足指以下の一または二の足指の用を廃したもの
  9. 局部に神経症状を残すもの

なお、等級認定に関しては、以下のような3つのルールも設けられています。

  1. 併合:異なる障害が複数ある場合、重いほうの等級を繰り上げる
  2. 加重:既存の障害が交通事故によって重くなった場合、等級が上がった分に対する賠償を受ける
  3. 準用:等級表にない障害に関して、障害の内容から「相当等級」を決定する

後遺障害等級が認定された場合にもらえるお金

交通事故で後遺障害等級が認定された場合、加害者側に対して後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益といった後遺障害に関する賠償金を請求できます。

ここでは、後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益の計算方法や相場などを解説します。

1.後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺障害が残ったことで生じた精神的苦痛に対して支払われる賠償金です。

交通事故の慰謝料には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準という3つの計算基準が存在します。

  • 自賠責基準:最低限の補償を目的とした基準であり、最も低額になりやすい
  • 任意保険基準:各任意保険会社が独自に定める基準であり、自賠責基準と同程度か若干高い金額になりやすい
  • 弁護士基準:裁判所や弁護士が用いる基準であり、最も高額になりやすい

後遺障害慰謝料の金額は、以下のとおり認定された等級や計算基準によって変わります。

等級 自賠責基準 任意保険基準(推定) 弁護士基準
第1級 1,150万円 1,600万円程度 2,800万円
第2級 998万円 1,300万円程度 2,370万円
第3級 861万円 1,100万円程度 1,990万円
第4級 737万円 900万円程度 1,670万円
第5級 618万円 750万円程度 1,400万円
第6級 512万円 600万円程度 1,180万円
第7級 419万円 500万円程度 1,000万円
第8級 331万円 400万円程度 830万円
第9級 249万円 300万円程度 690万円
第10級 190万円 200万円程度 550万円
第11級 136万円 150万円程度 420万円
第12級 94万円 100万円程度 290万円
第13級 57万円 60万円程度 180万円
第14級 32万円 40万円程度 110万円

弁護士に慰謝料請求を依頼すれば、弁護士基準を用いて請求対応を進めてくれるため、当初相手方から提示された金額よりも大幅に増額できる可能性があります。

後遺障害慰謝料の請求事例や増額のポイントなど、後遺障害慰謝料について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

2.後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、交通事故による後遺障害がなければ本来得られるはずだった将来分の収入のことです。

以下の計算式で算出され、認定された等級・被害者の年齢・収入状況などによって金額が変わります。

基礎収入×労働能力喪失率×喪失期間に対応するライプニッツ係数

後遺障害逸失利益の計算方法やケースごとの計算例など、後遺障害逸失利益について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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後遺障害等級が認定されるまでの流れ

交通事故で後遺障害等級の認定を受けるまでの流れは、基本的に以下のとおりです。

  1. 医師に自覚症状を正確に伝える
  2. 症状固定の診断が出るまで通院を続ける
  3. 後遺障害診断書を作成してもらう
  4. 後遺障害認定を申請する
  5. 審査結果が通知される

ここでは、各手続きの進め方について解説します。

1.医師に自覚症状を正確に伝える

まずは病院にて、医師に自覚症状を正確に伝えることが大切です。

単に「痛い」「痺れる」などの感覚的なことだけを伝えるのではなく、症状の部位や強さ・頻度・日常生活への影響などを詳しく伝えましょう。

たとえば「痛みのために仕事を長時間続けられず、頻繁に休憩が必要です」「家事をする際に長時間立っていると痛みが増すため、スムーズに進みません」というように伝えれば説得力が増します。

また、痛みの強さを伝える際に10段階の数値で表現したり、「症状がどのくらいの期間続いているのか」「特定の動作や活動で悪化するのかどうか」などを伝えたりするのも有効です。

2.症状固定の診断が出るまで通院を続ける

交通事故で症状が残っている場合は、自己判断で治療を止めたりせずに、医師から症状固定の診断が出るまで通院を続けましょう。

症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態のことです。

一度でも治療を中断したりすると、症状の継続性などが疑われたりして後遺障害等級認定の審査に悪影響が及ぶおそれがあるため注意してください。

なかには相手保険会社が症状固定を打診してくるケースもありますが、安易に応じると適切な額の賠償金を受け取れなくなるおそれがあるため、まずは医師に相談して治療の継続が必要かどうか判断してもらいましょう。

3.後遺障害診断書を作成してもらう

症状固定の診断を受けた場合は、医師に後遺障害診断書を作成してもらいましょう。

後遺障害診断書とは、交通事故被害者の症状や治療などに関する情報を記載した書類のことです。

後遺障害等級の認定を受けるために必要な書類のひとつであり、後遺障害診断書の書き方によって認定結果が大きく左右される場合もあります。

参考までに、一般的には以下のような書式で作成します。

自動車損害賠償責任保険後遺障害診断|チューリッヒ

自動車損害賠償責任保険後遺障害診断|チューリッヒ

引用元:自動車損害賠償責任保険後遺障害診断|チューリッヒ

4.後遺障害認定を申請する

後遺障害診断書を入手したあとは、後遺障害申請の手続きに移ります。

申請方法は「事前認定」と「被害者請求」の2種類あり、以下では各申請方法の特徴や流れなどを解説します。

4-1.事前認定

事前認定とは、加害者側の任意保険会社に後遺障害診断書を提出し、あとの手続きは相手保険会社に進めてもらうという方法のことです。

大部分の手続きは相手保険会社が対応してくれるため、被害者側の負担を軽減できるという点が大きなメリットです。

一方で、相手保険会社は等級獲得に向けて必ずしも尽力してくれるわけではないため、場合によっては事務的に対応されて適切な等級認定が受けられないこともあります。

事前認定が向いているケースやメリット・デメリットなど、事前認定について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

4-2.被害者請求

被害者請求とは、被害者が後遺障害診断書以外の書類も準備し、加害者側の自賠責保険会社に提出するという方法のことです。

被害者側が等級獲得のために必要だと思う資料を準備して提出できるため、事前認定よりも納得のいく結果を得られる可能性があるという点が大きなメリットです。

一方で、有効な書類を見極めて作成・収集するのは容易ではないため、素人では適切に対応できないおそれがあります。

被害者請求が向いているケースやメリット・デメリットなど、被害者請求について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

5.審査結果が通知される

認定機関に必要書類を提出すると、1ヵ月~2ヵ月程度で審査結果が通知されます。

認定結果は封書で通知され、後遺障害等級や認定理由などが記載されています。

なお、どの等級にも該当しないと判断された場合は「非該当」となります。

もし認定結果に納得できない場合は、異議申立てをおこなうことも可能です。

後遺障害等級の認定にかかる期間

交通事故に遭って後遺障害申請の手続きをおこなった場合、審査結果が出るまでには1ヵ月~2ヵ月程度かかるのが一般的です。

ただし、必ずしも上記の範囲内に収まるわけではなく、場合によっては半年程度かかったりすることもあります。

ここでは、後遺障害等級認定の期間が長引くケースや、認定を早める方法などを解説します。

後遺障害等級認定の期間が長引くケース

後遺障害申請の手続きをおこなった場合、提出書類の内容や事故の被害状況などによっては審査に時間がかかったり、追加書類の提出を求められたりすることもあります。

特に以下のようなケースでは、後遺障害等級認定の期間が長引く可能性があります。

  • 後遺障害診断書の記載内容に不備や矛盾がある場合
  • 病院が必要資料をすぐに提出してくれない場合
  • 十分な書類が提出されておらず、判断材料が不足している場合
  • 被害者が事故前に負っていたけがとの判別が困難な場合
  • 交通事故と症状の因果関係が疑われる場合 など

後遺障害等級の認定を早める方法

スムーズに後遺障害等級認定を受けるためには、速やかに必要な治療を受けて適切な頻度で通院を続けたり、被害者請求を選択して自分で必要書類を準備・提出したりするのが有効です。

もし自力での対応が不安な場合は、弁護士に相談するのが効果的です。

弁護士なら、どのように動くべきか具体的なアドバイスが望めるだけでなく、依頼者の代理人として被害者請求や損害賠償請求などの対応を一任することも可能です。

当サイト「ベンナビ交通事故」では、交通事故分野が得意な全国の弁護士を掲載しています。

初回相談無料や電話相談可能などの法律事務所も多く掲載しているので、対応に迷った際はぜひご利用ください。

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後遺障害等級が認定されない場合の対処法

交通事故で後遺障害等級の認定を受けるためには、以下のような条件を満たしていなければいけません。

  • 交通事故が原因で発生した症状であること
  • 労働能力の喪失や低下を及ぼすものであること
  • 医学的に症状の存在を証明できること
  • 自賠法施行令で定める等級のいずれかに該当すること など

もし後遺障害等級が認定されなかった場合は、異議申立てを検討しましょう。

ただし、一度出された結果を覆すことは容易ではなく、どのような情報が不足していたのかを分析して新たな書類を追加する必要があります。

弁護士なら異議申立てのサポートも依頼できるので、認定結果に納得できない場合は相談してみることをおすすめします。

後遺障害等級認定で損をしないための3つのポイント

交通事故の後遺障害等級認定で損をしないためには、以下のようなポイントを押さえておくことが大切です。

  1. 交通事故の後遺障害認定が得意な弁護士に相談・依頼する
  2. 後遺障害診断書には明確な症状を記載してもらう
  3. 後遺障害の存在を裏付ける証拠を確保する

ここでは、適切な後遺障害等級認定を受けるためにやるべきことを解説します。

1.交通事故の後遺障害認定が得意な弁護士に相談・依頼する

症状に適した後遺障害等級認定を受けたい場合は、できるだけ早い段階で弁護士に相談・依頼するのが効果的です。

特に事故直後の段階で相談しておけば、今後の通院頻度や受けておくべき検査などに関する適切なアドバイスを受けることができ、納得のいく結果を得られる可能性が高まります。

弁護士なら被害者請求の対応も一任できるため、書類準備の手間も省けますし、等級認定のために必要な書類を漏れなく準備できるというメリットもあります。

弁護士に対応を依頼する場合は弁護士費用がかかるものの、弁護士費用特約に加入している方であれば自己負担0円で済む場合もあります。

初回相談無料の法律事務所も多くあるので、まずは一度ご相談ください。

2.後遺障害診断書には明確な症状を記載してもらう

医師から症状固定の診断を受けたあと、症状を明確にまとめた後遺障害診断書を作成してもらうことも、適切な後遺障害等級認定を受けるためのポイントです。

基本的に後遺障害等級に関しては書類のみで審査がおこなわれ、提出書類の内容に不備や不足などがあった場合は審査に悪影響が及ぶおそれがあります。

担当医によっては後遺障害診断書の作成に慣れていない場合もあるため、後遺障害診断書を受け取った際は内容に問題ないかチェックしておくことも大切です。

なお、弁護士なら後遺障害診断書のチェックや医師に対する修正依頼なども一任でき、説得力のある後遺障害診断書の作成が望めます。

3.後遺障害の存在を裏付ける証拠を確保する

適切な後遺障害等級認定を受けるためには、後遺障害の存在を裏付ける証拠を用意しておくことも大切です。

痛みやしびれなどの自覚症状をただ訴えるだけでは不十分で、レントゲン・CT・MRIなどの検査結果もあわせて提出すれば等級認定の可能性が高まります。

ただし、事案によって集めるべき証拠は異なるため、状況に応じて適切に判断しなければいけません。

もし証拠集めで迷った際は、弁護士にアドバイスやサポートを求めましょう。

後遺障害等級の認定に関するよくある質問3選

ここでは、後遺障害等級の認定に関するよくある質問について解説します。

1.後遺障害等級認定にかかる期間は?いつ申請すればよい?

後遺障害申請の手続きをおこなうタイミングは「医師から症状固定の診断を受けたとき」です。

基本的に事前認定の場合は後遺障害診断書のみ、被害者請求の場合は全ての必要書類を準備して認定機関に提出すれば、審査がおこなわれます。

審査結果が出るまでには1ヵ月~2ヵ月程度かかるのが一般的ですが、提出書類の内容や交通事故の被害状況などによっては期間が長引くこともあります。

2.後遺障害等級認定は誰が決める?

後遺障害等級認定を決めるのは、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所です。

原則として書面審査であり、提出書類の内容をもとに等級認定がおこなわれ、どの等級にも該当しないと判断された場合は非該当となります。

なお、認定結果に納得いかない場合は、異議申立てをおこなうことも可能です。

3.後遺障害等級の認定に時効はある?

後遺障害等級の認定については、特に時効は定められていません。

ただし、交通事故の損害賠償請求権には時効が定められているため、注意が必要です。

後遺障害が残った人身事故では、加害者に対する損害賠償請求権の時効は、 「症状固定日の翌日から5年」です。

時効期間を過ぎて時効成立した場合、加害者側に対して慰謝料や逸失利益などの損害賠償請求ができなくなるため、なるべく速やかに各手続きを進めましょう。

さいごに|適切な後遺障害等級の認定を受けたいなら、ベンナビ交通事故で相談を

交通事故で後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定に向けて速やかに動きましょう。

ただし、手続きに慣れていない素人では適切な等級が認定されなかったり、非該当と判断されたりするおそれもあり、自力での対応が不安なら弁護士の力を借りることをおすすめします。

弁護士なら、等級獲得に向けたアドバイスや書類準備の代行などのサポートも依頼でき、交通事故被害者の味方となって尽力してくれます。

今すぐ頼れる弁護士を探したいなら、ベンナビ交通事故をご利用ください。

都道府県・市区町村・駅などの地域検索や、初回相談無料・電話相談可能・オンライン面談可などの条件検索に対応しており、希望条件に合った弁護士をすぐに探せます。

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交通事故問題を依頼する弁護士の選び方にはポイントがあります。

  • 過去の解決事例を確認する
  • 料金体系が明確である弁護士を選ぶ
  • 交通事故問題が得意な弁護士から選ぶ

等です。

詳しくは以下の記事を読んで、正しい弁護士の選び方を理解した上で弁護士に相談しましょう。

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この記事の監修者

富永 慎太朗 (福岡県弁護士会)

ご相談者様のお話をしっかりと伺い、豊富な実績を活かし最適な解決策を提案しています。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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