累計相談数
91,800
件超
累計サイト訪問数
3,625
万件超
※2024年03月時点
無料法律相談Q&A
ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ) > 交通事故コラム > 過失割合 > サンキュー事故と適正な過失割合を判断する全手順まとめ
キーワードからコラムを探す
更新日:

サンキュー事故と適正な過失割合を判断する全手順まとめ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
サンキュー事故と適正な過失割合を判断する全手順まとめ

サンキュー事故(さんきゅーじこ)とは、優先権のある車両が優先権のない車両に通行を優先させた際に起きる交通事故の一種で、対向車が右折したところに直進車と同方向の左側を通過するバイク(二輪車)、または自転車と出会い頭に衝突をする事故などを言います。

 

 
通常、右折車からも二輪車からも直進車は死角になるため、交通事故につながる可能性が非常に高く、右折をする自動車の運転手には直進車が道を譲ってくれた為、「早く行かなければいけない」という心理が働いた結果、注意散漫となって二輪車を見落とし、事故につながるとされています。
 
サンキュー事故はすり抜け事故とも呼ばれ、交通事故の種類として非常に良くあるケースなのですが、この時に問題になるのが、サンキュー事故における過失割合になります。
 
そこで今回は、サンキュー事故の概要と、サンキュー事故における過失割合の算定方法などをご紹介していこうと思います。

【関連記事】交通事故の過失割合に納得いかない!対処法と相談先まとめ

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ交通事故で 
損害賠償・慰謝料請求に強い弁護士を探す

 

サンキュー事故の基本的な概要とサンキュー事故の例

冒頭でご紹介したような例が最も典型的なサンキュー事故として挙げられ、直進車は好意で右折車に道を譲り、右折する自動車運転手が「ありがとう(サンキュー)」という感謝の意を表すことからこう呼ばれています。
 
もう一度、今度は別の動画を見てみましょう。
 

サンキュー事故の例



 
すこし遠めですが、いずれも自動車の死角から飛び出してきた車両との接触事故となっており、こういう事故を「右直事故」とも呼んでいます。
 

サンキュー事故の大半は右直事故

右直事故とは、交通事故において発生件数が多い事故類型のひとつで、交差点などで右折中の車両と、対向車線から直進してくる車両との事故のことを言います。
 

右直事故の概要

  1. 右直事故には右折側あるいは直進側として関与する車両があり、右折側として関与する確率は四輪車が高く、二輪車、自転車の順に低くなる

  2. 高齢者になるほど発生率は高くなる(薄暮時の視力低下が主な理由)

  3. 事故の要因は焦り、右折待機時の油断、先行車や対向車による視界の遮断

  4. 二輪車の場合はすり抜け走行などが状況の悪化を招いている

  5. 交通渋滞時に沿道施設へ右折侵入する際の対向車(二輪車)との接触が多い

サンキュー事故(右直事故)による死亡率

交通事故総合分析センターによれば、右直事故において右折側となる車両のうち93%は「普通車及び軽自動車」であるのに対し、直進側となると44%に下がるものの、二輪車や原付の割合が一気に増えるとしています。
 
また、死亡率を【死亡率(%)= 100 × 死亡事故件数 ÷ 全人身事故件数】で計算した場合、右直事故での死亡率は高いほうではあるものの、正面衝突事故に比べると、突出した数字ではないとされています。

交通事故の状況別死亡事故の割合(平成14年~18年)
参考:右直事故発生における人的要因の分析 - 交通事故総合分析センター
 
 

サンキュー事故の過失割合の事例

次に「交通事故-保険請求センター」より、サンキュー事故の過失割合についての抜粋をご紹介していきます。
 

1:右折車が貨物車|直進車が二輪車のケース

二輪車と右折貨物車のサンキュー事故で、減速しない直進の被害二輪車の過失を4割とした例になります。60キロ制限の渋滞している国道交差点で、直進二輪車(被害側)と右折大型貨物車(加害側)のサンキュー事故がおきました。
 

  • 二輪車の過失割合:4

  • 貨物車の過失割合:6

  • 京都地裁|平成12年4月18日判決(確定)

2:右折被害車は原付自転車|直進加害車は自動二輪車のケース

渋滞している交差点で、右折した被害原付自転車と左端車線を直進してきた加害自動二輪車のサンキュー事故。
 

  • 原付自動車の過失割合:8

  • 二輪車の過失割合  :2

  • 大阪地裁 平成9年4月24日判決(確定判決)

3:右折加害車|直進被害車共に乗用車のケース

渋滞する交差点で訴外車に促され右折した加害乗用車と、左側車線の直進被害乗用車の衝突のサンキュー事故。減速せずに進入した被害車に2割の過失相殺を適用。
 

  • 被害自動車の過失割合:2

  • 加害自動車の過失割合:8

  • 札幌地裁 平成9年7月16日判決


過失割合は基本的に「自動車>二輪車>自転車>歩行者」の関係で過失が重く見積もられることになります。どう考えても過失割合は高くないだろうと思われる状況でも、自動車と二輪車の事故では過失割合の数値に贔屓は出てしまうことになります。

サンキュー事故の過失割合を判断するポイント

サンキュー事故の過失割合を判断する際、「交差点に信号機があるかないか」「事故当時信号機が何色を示していたのか」この2点が右直事故の過失割合に大きな影響を与える事になります。
 

信号機のある交差点で直進車が右折した場合の事故

例えば、自動車とバイク(二輪車)の双方で信号が青だった場合、過失割合は下記のようになります。
 
直進二輪車(バイク):右折自動車 =2:8
直進自動車:右折二輪車(バイク)=6:4
 

信号機が設置されている

過失割合(%)

二輪車

四輪車

二輪車直進:四輪車右折

直進車、右折車双方とも青で進入

20

80

直進黄で進入、右折車青進入黄右折

60

40

直進車、右折車双方とも黄で進入

30

70

直進車は赤、右折車は青で進入赤で右折

70

30

直進車は赤、右折車は黄で進入赤で右折

50

50

右折車に青矢印による右折可の信号、直進車は赤

100

0

双方とも赤で進入

40

60

二輪車右折、四輪車直進

直進車、右折車双方とも青で進入

70

30

直進黄で進入、右折車青進入黄右折

25

75

直進車、右折車双方とも黄で進入

50

50

直進車は赤、右折車は青で進入、赤で右折

10

90

直進車は赤、右折車は黄で進入、赤で右折

20

80

右折車に青矢印による右折可の信号、直進車は赤

0

100

双方とも赤で進入

40

60

 
 
こうして見ると分かりやすいとは思いますが、交差点における右直事故のポイントは「信号の色」です。自分が青、相手が赤であれば、それは完全に赤信号の過失となります。
 
事故直後の映像が残っていないと、「双方が何色の信号で進入したのか?」ということが争いとなるケースが多くなりますので、もしもあなたが右直事故の当事者となった場合には、後続車の運転手などに証人となってもらえるよう連絡先等を必ず聞いておきましょう。

信号機のない交差点でバイクが右折した場合の事故

信号機のない交差点の場合、大前提として右折側の過失割合の方が大きくなっています。理由としては、右折側の方に課されている注意義務の方が重いからです。また、信号機がないと絶対的な過失割合の判断基準が存在しないため、10対0のような過失割合は成立しない傾向にあります。
 
右折車側は、右側の安全を確認する義務、直進側には安全を確認してから減速ののちに交差点に進入する義務があります。
 

幅員がほぼ同じ道路の場合

信号機の設置なし

過失割合

二輪車

四輪車

二輪車直進:四輪車右折

左から四輪車が右折

30

70

右から四輪車が右折

20

80

二輪車右折:四輪車直進

左から二輪車が右折

50

50

右から二輪車が右折

60

40

一方が明らかに広い道路または優先道路の場合

二輪車直進:四輪車右折

狭路車右折、広路車直進

15

85

劣後車右折、優先車直進

10

90

狭路(劣後)車直進
広路(優先)車対向方向右折

60

40

狭路(劣後)車直進
広路(優先)車同一方向右折

50

50

二輪車右折:四輪車直進

狭路車右折、広路車直進

65

35

劣後車右折、優先車直進

70

30

狭路(劣後)車直進
広路(優先)車対向方向右折

20

80

狭路(劣後)車直進
広路(優先)車同一方向右折

30

70

一方に一時停止標識あり

単車直進、四輪車右折

一時停止規制車直進、右折車同一方向右折

45

55

一時停止規制車直進、右折車対向方向右折

55

45

一時停止規制車右折

15

85

単車右折、四輪車直進

一時停止規制車直進、右折車同一方向右折

35

65

一時停止規制車直進、右折車対向方向右折

25

75

一時停止規制車右折

65

35

渋滞中の車両間

交差点以外の場所

20

80

交差点

30

70

 
大枠ですが、主要な状況は上記のような過失割合と定めています。

サンキュー事故による保険会社の対応

サンキュー事故でもすりぬけ事故でも右直事故でも、上記の過失割合はあくまで一つの基準に過ぎません。つまり、似たようなケースに当てはまるからと言って、当然にその通りの過失割合が認められるとは限りません。

交通事故において過失割合の決定は保険会社が行なっていますが、交通事故には全く同じ条件は存在しないため、『保険会社が不当に過失割合の低い対応をしてくる』という場合は、必ず弁護士に相談してみましょう。
 

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼すれば保険会社の過失割合が正しい数値なのかの判断ができますし、示談金の大幅アップも可能になります。たしかに「弁護士費用が発生する」というデメリットはありますが、自分の加入している自動車保険で弁護士特約が付随していれば、保険を使って弁護士費用を賄うことができます。
 
弁護士には裁判で代理交渉を行うにあたった金額の上限などもありません。したがって万が一裁判になってしまった場合でも、安心して一任することができます。

サンキュー事故を防ぐための防止策

サンキュー事故は「道を譲ってくれたから急いで行かないと」という焦りが安全確認の散漫につながり、事故を起こすという流れが非常に多いです。このサンキュー事故を防止するためには、下記の2点に気を配ることが重要です。
 

まわりをよく確認する

ありがちではありますが、譲ってくれたドライバーにありがとうの気持ちは思いながらも、よく確認しながら慎重に進みましょう。そうすれば、例えバイクが直進してきても、あなたがすぐに停車することが可能です。
 

安易に右折をしない

もし対向車が道を譲ってくれても、見通しが悪く安全だと確認できない場合は、対向車がいなくなるまで待ってしまいましょう。せっかく譲ってくれた車には悪いですが、事故を起こしてしまうよりはるかにマシなはずです。

まとめ

サンキュー事故の概要と過失割合について解説してきましたが、今回の内容がすこしでもお役に立てば幸いです。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ交通事故で 
損害賠償・慰謝料請求に強い弁護士を探す

弁護士に相談するかお悩みの方へ

下のボタンからあなた当てはまるものを選んで悩みを解消しましょう。

弁護士が必要か分からない方
保険会社に相談
弁護士に相談
自力で解決

弁護士に相談する以外にも様々な方法があります。
あなたは弁護士に相談すべきかを診断してみましょう。

\ 最短10秒で完了 /

弁護士の必要性を診断する無料
弁護士の費用が心配な方

弁護士費用特約があれば 実質0円で依頼できます!

多くの保険会社では、被害者1名につき最大300万円までの弁護士費用を負担してくれます。特約があるか分からない方でも、お気軽にご相談ください。弁護士と一緒にご確認した上で依頼の有無を決めて頂けます。

特約を利用して弁護士に相談する
弁護士の選び方が分からない方

交通事故問題を依頼する弁護士の選び方にはポイントがあります。

  • 過去の解決事例を確認する
  • 料金体系が明確である弁護士を選ぶ
  • 交通事故問題が得意な弁護士から選ぶ

等です。

詳しくは以下の記事を読んで、正しい弁護士の選び方を理解した上で弁護士に相談しましょう。

弁護士の選び方について詳しくみる
東京
神奈川
福岡
大阪
京都
愛知
Office info 202403011716 7391 w220 【事故被害者/来所不要】立川・ベリーベスト法律事務所

【来所不要・交通事故の被害者は初回相談料0円豊富な解決実績◆示談金の大幅な増額実績多数交通事故専門チームが丁寧に対応します。まずは無料でご相談ください。【「立川」駅北口より徒歩6分】

事務所詳細を見る
Office info 202212281519 73291 w220 弁護士法人葛飾総合法律事務所

【初回面談無料】事故直後からご相談可能!「依頼者第一主義」をモットーに、交通事故被害でお困りの方に寄り添います。クイックレスポンスで対応◎不安なこと、分からないこともお気軽にご相談下さい。

事務所詳細を見る
Office info 202403011716 39251 w220 【事故被害者/来所不要】錦糸町・ベリーベスト法律事務所

【来所不要・交通事故の被害者は初回相談料0円豊富な解決実績◆示談金の大幅な増額実績多数交通事故専門チームが丁寧に対応します。まずは無料でご相談ください。【「錦糸町駅」南口から徒歩9分】

事務所詳細を見る
東京都の弁護士一覧はこちら
あらゆる事故に備える!ベンナビ弁護士保険
弁護士費用を補償

交通事故や自転車事故など、事故はいつ起きてしまうか分からないものです。弁護士費用を用意できず泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。

ベンナビ弁護士保険は、弁護士依頼で発生する着手金を補償する保険です。

交通事故だけでなく、自転車事故、労働問題、離婚、相続トラブルなど幅広い法的トラブルで利用することができます。

無料で資料ダウンロード
弁護士費用を負担してくれる
弁護士保険で法律トラブルに備える
弁護士保険に関する資料のお届け先
氏名
必須
フリガナ
必須
電話番号
必須
メールアドレス
必須
この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

過失割合が適正か判断したい、今後の対応を知りたいなら、弁護士へのご相談がオススメです。


過失割合に関するコトを弁護士に相談することで、一部ではありますが以下のようなメリットがあります。

・過失割合が適正かどうかわかる
・保険会社の真意が探れる
・もし通常よりも不利な数字であればそれを是正してくれる
・そもそも何から始めて良いかわからない場合のアドバイスをもらえる
・弁護士が面倒な手続きなどを代行してくれる

依頼するしないは別として、ご自身の場合、弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのかを具体的に相談してみることをオススメします。

当サイト『ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)』は交通事故を得意とする弁護士を掲載しており、事務所への電話は【通話料無料】、電話相談や面談相談が無料の事務所や、着手金が必要ない事務所もあります。

まずは下記よりお近くの弁護士を探して相談してみましょう。

編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

過失割合に関する新着コラム

過失割合に関する人気コラム

過失割合の関連コラム


過失割合コラム一覧へ戻る
弁護士の方はこちら