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後遺障害診断書を医師が書いてくれない理由と対処法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
後遺障害診断書を医師が書いてくれない理由と対処法

後遺障害診断書は、後遺障害認定を申請するために必須の書類です。

しかし、医師が診断書を書いてくれないトラブルが往々にして生じます。

医師が診断書の作成を拒否する理由はさまざまですが、必ずしもその理由が正当であるとは限りません。

説得をすることで、作成してくれるケースも十分にあります。

本記事では、医師が後遺障害診断書の作成を拒否する理由とその対処法を紹介します。

診断書を書いてもらえず悩んでいる状況の方は、参考にしてみてください。

後遺障害診断書を書いてもらえず悩んでいる方へ

交通事故の後遺障害認定のために作成依頼しているにもかかわらず、後遺障害診断書を書いてもらえないと焦ってしまうでしょう。

医師は、理由なく作成依頼を拒否することはできません。必ず何らかの理由があります。

自分だけでは解決できそうもない場合は、弁護士に助けを求めてください。

弁護士であれば以下のようなサポートが望めます。

  1. どのように対処すればよいかアドバイスしてくれる
  2. 代わりに医師と交渉してくれる
  3. 等級獲得に必要な資料を集めてくれる

弁護士に依頼すれば等級獲得のために動いてくれますので、交通事故被害者にとっては心強いでしょう。まずはお近くの弁護士にご相談ください。

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医師が後遺障害診断書の作成を拒否する理由

医師が後遺障害診断書の作成を拒否する理由を3つ紹介します。

医師が診断書の作成を拒否できる理由

  • まだ症状固定のタイミングではない
  • 医師が治療の経過を見ていない
  • 健康保険で治療を受けている

まだ症状固定のタイミングではない

症状固定とは、けがの治療を継続してもこれ以上症状の回復が見られない状態のことです。

後遺障害診断書の作成は、症状固定の診断を受けていることが前提となります。

そのため、医師がまだ治療で回復する余地があると判断しているうちは、症状固定の診断がくだされず、後遺障害診断書も作成してもらえません。

後遺障害診断書を作成できない理由が、「まだ症状が良くなる可能性があるから」ということであれば、医師の判断に従って治療を継続するようにしてください。

医師が治療の経過を見ていない

初診から通院を怠っていたり途中で転院したりしたなどの理由で、医師が治療の経過を十分に見られていない場合、それを理由に診断書の作成を拒否される場合があります。

後遺障害診断書は、事故当初の症状から治療を続けても残った症状だけでなく、治療中に症状がどう回復していったかも記載しなくてはいけません。

このような理由で断られてしまった場合には、以下のような対応が必要になるでしょう。

治療の経過がわからず拒否された場合の対応

通院を怠っていた場合

一定期間の通院を継続して治療経過を見てもらい、改めて診断書の作成を依頼をする

治療途中で転院した場合

初診の病院の医師に診断書作成を依頼、または転院するまでの治療経過を記録した資料を取り寄せ転院先の病院に再び依頼する

健康保険で治療を受けている

自賠責保険機構(後遺障害申請の提出先)に提出する書類は、健康保険を使った治療では書くことができないと断られるケースもあります。

しかし、健康保険を利用していることと、後遺障害診断書を作成することはまったくの別ものです。

健康保険を利用していることは、後遺障害診断書の作成拒否の理由にはなりません。

この場合は、健康保険の利用の有無は関係がないことを説明して、作成を求めるという対応になるでしょう。

医師は理由なく診断書の作成を拒否できない

正当な理由がない限り、医師は診断書の作成を拒否することを禁じられています。

診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。

引用元:医師法第十九条二項

つまり、医師には患者からの診断書作成の要望に応じる義務があるのです。

正当な理由なく拒否をされた場合には、すぐ諦めずに担当医との交渉を試みてください。

後遺障害診断書の作成を拒む正当でない理由

以下では、後遺障害診断書の作成を拒む正当でない理由を2つ紹介します。

診断書の拒否でよくある正当でない理由

  • 診断書の書き方がわからない
  • 病院で書かない方針で決めている

診断書の書き方がわからない

実際に口には出しませんが、後遺障害診断書の書き方がわからないからという理由で、診断書の作成を断る医師も少なからず存在します。

理由は、後遺障害診断書の作成方法は、医師が専門とする医療とは関係のない知識だからです。

そのため、診断書の作成を依頼された経験がない場合だと、書き方を知らなくても否めません。

このような状況への対処としては、こちらで診断書の雛形やサンプルを渡して対応してもらうのが有効です。

ただし、伝え方によっては医師の気分を害してしまう可能性もあるので、あくまでお願いするという姿勢で渡すようにしてください。

病院で後遺障害診断書は作成しないと決めている

「病院の方針だから」という理由で、後遺障害診断書の作成を断られるケースもあります。
その背景としては、交通事故の紛争に巻き込まれたくないからという不安の存在が考えられるでしょう。

しかし、診断書の作成は医師の義務です。

正当な理由なく断ることはできません。

とはいえ、権利を主張するだけでは、医師との関係性が悪化してしまう可能性が高まります。

このような場合は、医師が後遺障害診断書を書きたくない本当の理由を見極めて、説得を試みる必要があるでしょう。

転院先に後遺障害診断書の作成を依頼できるか?

後遺障害診断書の作成は、最初に治療を受けた病院の医師に作成してもらうのが基本です(後遺障害認定では、初診から治療経過を見てきた医師の意見が重要視されるため)。

しかし、どうしても初診の医師に診断書を書いてもらえないのであれば、転院先の医師に診断書の作成をお願いせざるを得ないケースもあるでしょう。

その場合は、後遺障害診断書の作成を承諾してくれる病院を探し、治療経過を見てもらうために一定期間の通院をする必要があります。

交通事故に詳しい医師のいる病院を根気強くお願いしてみてください。

後遺障害のお悩みは弁護士への相談がベスト

医師に気を使いつつ法律が絡む交渉をするのは、後遺障害の専門家でないとかなり難しいです。

恐らく、自分だけで対応するのは難しいかと思われます。

「どのように対処したらいいかわからない」という場合には、一人で悩まず弁護士の意見を参考にしてみてください。

交通事故分野を得意とする弁護士であれば、後遺障害になった場合の対処法を熟知しています。

交通事故分野では、初回の法律相談を無料で受け付けている弁護士事務所も多数あります。

費用が心配な場合は、無料相談だけでも検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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