交通事故の慰謝料とは?早見表・計算方法や相場を徹底解説!【計算ツールあり】
交通事故に遭ったら、精神的な苦痛に対する補償として慰謝料を請求できる場合があります。
慰謝料の金額は一律ではなく、事故の状況や被害の程度によって大きく異なります。
また、算定基準によっても慰謝料額は変動するため、適切な補償を受けたいのであれば、交通事故の慰謝料請求が得意な弁護士に相談しておくとよいでしょう。
本記事では、交通事故で請求できる慰謝料の種類や計算方法、相場などを解説します。
適正な金額を受け取るためのポイントや慰謝料請求の流れも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
交通事故の慰謝料とは?
交通事故の慰謝料とは、交通事故によって受けた精神的な苦痛に対する補償のことです。
慰謝料の請求権は民法第709条と民法第710条に定められており、法律によって保護されています。
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(財産以外の損害の賠償)
第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
引用元:民法 | e-Gov 法令検索
なお、慰謝料請求が認められるのは、原則として人がけがをしたり、死亡したりした場合の人身事故のみです。
人が死傷していない物損事故では、基本的に慰謝料請求は認められません。
ここでは、慰謝料の種類や算定基準について解説します。
交通事故の慰謝料は全部で3種類ある

交通事故の慰謝料は大きく分けて、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類があります。
| 請求できるケース | 慰謝料額の決め方 | |
| 入通院慰謝料 | けがの治療で入院・通院した場合 | 入院期間や通院日数 |
| 後遺障害慰謝料 | 後遺障害等級が認定された場合 | 後遺障害等級 |
| 死亡慰謝料 | 被害者が死亡した場合 | 被害者の家庭内での立場・遺族の数など |
それぞれの慰謝料が認められる条件などを詳しくみていきましょう。
入通院慰謝料|治療のために入院・通院をした場合
入通院慰謝料は、けがの治療で入院・通院した際に請求できる慰謝料です。
基本的には、入院期間や通院期間が長くなるほど慰謝料も高額になっていきます。
また、けがの程度や部位などによって、慰謝料の金額が増減することもあります。
なお、入通院慰謝料の算定にあたっては、けがが完治または症状固定するまでの期間を対象とするケースが一般的です。
例えば、症状固定後に通院を続けた場合でも、入通院慰謝料の額に直ちに影響はありません。
後遺障害慰謝料|後遺障害等級が認定された場合
交通事故によって後遺症が残り、後遺障害等級が認定された場合は後遺障害慰謝料を請求できます。
後遺障害等級とは、後遺障害の程度を1級から14級までの等級で示したものです。
障害の程度が重いほど等級は1級に近づき、慰謝料も高額になります。
なお、後遺障害等級が認定されると、後遺障害慰謝料に加えて逸失利益も請求できるため、損害賠償の総額は大幅に増額されます。
死亡慰謝料|被害者が死亡した場合
死亡慰謝料は、交通事故によって被害者が死亡した場合に、遺族が請求できる慰謝料です。
死亡慰謝料には、被害者本人の慰謝料と遺族の慰謝料が含まれます。
死亡慰謝料は精神的な苦痛に対する補償であるとともに、遺族の生活を支える重要なお金です。
遺族の数が多い場合や被害者が大黒柱を担っていた場合などは、死亡慰謝料も増額される傾向があります。
死亡慰謝料額は高額になることが予想されるため、弁護士にも相談しながら、適正な金額を受け取るようにしましょう。
交通事故慰謝料は算定基準によって変動する

交通事故慰謝料の算定基準には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3種類があります。
| 種類 | 特徴 | 金額の目安 |
| 自賠責基準 | 自動車損害賠償責任保険で定められている、被害者救済のための最低限の補償基準 | 低い |
| 任意保険基準 | 各任意保険会社が独自に設定している内部的な基準 | 中間 |
| 弁護士基準(裁判基準) | 過去の交通事故に関する裁判例に基づいて設定されている基準 | 高い |
同じけがであっても、どの基準で計算するかによって慰謝料の金額は大きく変わってきます。
少しでも多くの慰謝料を受け取りたいのであれば、弁護士基準を用いるようにしましょう。
弁護士基準については以下の記事で詳しく解説しています。
入通院慰謝料の計算方法・早見表
入通院慰謝料の相場は、おおむね以下のとおりです。
| 通院期間 | 自賠責基準 | 弁護士基準(軽症/重症) |
| 1ヵ月 | 8万6,000円 | 19万円/28万円 |
| 2ヵ月 | 17万2,000円 | 36万円/52万円 |
| 3ヵ月 | 25万8,000円 | 53万円/73万円 |
| 4ヵ月 | 34万4,000円 | 67万円/90万円 |
| 5ヵ月 | 43万円 | 79万円/105万円 |
| 6ヵ月 | 51万6,000円 | 89万円/116万円 |
(入院なしで、毎月10回通院した場合を想定)
以下では、入通院慰謝料の計算方法を自賠責基準と弁護士基準に分けて解説します。
自賠責基準の場合|日額4,300円が基本
自賠責基準における入通院慰謝料は、日額4,300円を基準に計算されます。
具体的な計算式は以下のとおりです。
| 入通院慰謝料=4,300円×対象日数 |
対象日数は、「治療期間」と「実際の通院日数×2」のいずれか少ないほうが採用されます。
例えば、治療期間90日・実通院日数30日の場合、「90日」と「30日×2=60日」を比較し、より少ない60日が対象日数となります。
したがって、入通院慰謝料は「4,300円×60日=25万8,000円」です。
自賠責基準は計算が簡単な一方で、弁護士基準と比べると金額が低くなる点に注意してください。
弁護士基準の場合|けがの程度と入院期間・通院期間で決まる
弁護士基準では、入院期間と通院期間に応じて入通院慰謝料が算出されます。
日弁連交通事故相談センターが発行する「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(赤い本)」に掲載されている算定表を用いるケースが一般的です。
けがの程度に応じて算定表が分けられており、入院期間と通院期間が交差する部分の金額が入通院慰謝料の相場となります。
【むちうちや軽い打撲などの軽傷用】

【骨折や脱臼などの重症用】

例えば、入院なし・通院3ヵ月の軽傷の場合、弁護士基準の入通院慰謝料は約53万円です。

通院期間が長くなるほど、慰謝料は増額されます。ただし、適切な頻度で通院していることが前提となる点に注意してください。
後遺障害慰謝料の計算方法・早見表|後遺障害等級で決まる
後遺障害慰謝料は、後遺障害等級に応じて金額が決まります。
等級は後遺症の程度に応じて1級から14級まで定められており、等級が高いほど慰謝料額も高くなります。
| 等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
| 要介護1級 | 1,650万円 | 2,800万円 |
| 要介護2級 | 1,203万円 | 2,370万円 |
| 1級 | 1,150万円 | 2,800万円 |
| 2級 | 998万円 | 2,370万円 |
| 3級 | 861万円 | 1,990万円 |
| 4級 | 737万円 | 1,670万円 |
| 5級 | 618万円 | 1,400万円 |
| 6級 | 512万円 | 1,180万円 |
| 7級 | 419万円 | 1,000万円 |
| 8級 | 331万円 | 830万円 |
| 9級 | 249万円 | 690万円 |
| 10級 | 190万円 | 550万円 |
| 11級 | 136万円 | 420万円 |
| 12級 | 94万円 | 290万円 |
| 13級 | 57万円 | 180万円 |
| 14級 | 32万円 | 110万円 |
例えば、むちうちで神経症状が残った場合は14級に認定されることが多く、自賠責基準なら32万円、弁護士基準なら110万円の後遺障害慰謝料を受け取れる可能性があります。
【けが・症状別】入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の早見表
ここでは、けが・症状別に入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の相場を解説します。
よくあるけが・症状を例に挙げているので、参考にしてみてください。
むちうちになった場合
交通事故でむちうちになった場合の慰謝料相場は以下のとおりです。
- 通院期間:3ヵ月(実通院日数30日)
- 後遺障害等級:14級9号が認定(局部に神経症状)
| 項目 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
| 入通院慰謝料 | 25万8,000円 | 53万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 32万円 | 110万円 |
| 合計 | 57万8,000円 | 163万円 |
慰謝料の合計額では、自賠責基準と弁護士基準で2倍以上の差が生じることになります。
歯が喪失・欠損した場合
交通事故で歯が喪失・欠損した場合の慰謝料相場は以下のとおりです。
- 入通院期間:入院1ヵ月・通院2ヵ月(実通院日数20日)
- 後遺障害等級:13級5号(5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの)
| 項目 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
| 入通院慰謝料 | 17万2,000円 | 98万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 57万円 | 180万円 |
| 合計 | 74万2,000円 | 278万円 |
歯が喪失・欠損した場合は、入れ歯やインプラントなどの歯科補綴費用も別途請求できます。
骨折した場合
交通事故で骨折した場合の慰謝料相場は以下のとおりです。
- 入通院期間:入院2ヵ月・通院3ヵ月(実通院日数30日)
- 後遺障害等級:12級8号(長管骨に変形を残すもの)
| 項目 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
| 入通院慰謝料 | 51万6,000円 | 154万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 94万円 | 290万円 |
| 合計 | 145万6,000円 | 444万円 |
骨折した場合は入通院期間が長く、重度の等級認定を受けることも多いので、慰謝料総額が高額になりやすくなります。
外貌醜状が生じた場合
交通事故で外貌醜状が生じた場合の慰謝料相場は以下のとおりです。
- 入通院期間:入院2ヵ月・通院6ヵ月(実通院日数60日)
- 後遺障害等級:9級16号(顔面に5センチメートル以上の線状痕)
| 項目 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
| 入通院慰謝料 | 51万6,000円 | 181万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 249万円 | 690万円 |
| 合計 | 300万6,000円 | 871万円 |
外貌醜状は日常生活や就労に大きな影響を与えるものであり、特に顔面部の傷跡は精神的苦痛も大きいと判断されるため、慰謝料は高額になることが予想されます。
視力が低下した場合
交通事故で視力が低下した場合の慰謝料相場は以下のとおりです。
- 入通院期間:入院1ヵ月・通院3ヵ月(実通院日数30日)
- 後遺障害等級:6級1号(両眼の視力が0.1以下)
| 項目 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
| 入通院慰謝料 | 26万8,300円 | 115万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 512万円 | 1,180万円 |
| 合計 | 538万8,300万円 | 1,295万円 |
視力障害は労働能力や日常生活に甚大な影響を及ぼすものであり、慰謝料も高額になります。
自賠責基準と弁護士基準では大きな差が生じるため、慰謝料の算定・請求は弁護士に依頼してください。
死亡慰謝料の計算方法・早見表
死亡慰謝料の相場は以下のとおりです。
- 自賠責基準:400万円~1,350万円
- 弁護士基準:2,000万円~2,8000万円
自賠責基準と弁護士基準の具体的な計算方法を解説します。
自賠責基準の場合|遺族の数と被扶養者の有無で決まる
自賠責基準の場合、被害者本人の慰謝料400万円に遺族の慰謝料が加算されます。
| 遺族の人数 | 被扶養者なし | 被扶養者あり |
| 1人 | 550万円 | 750万円 |
| 2人 | 650万円 | 850万円 |
| 3人以上 | 750万円 | 950万円 |
遺族には、死亡した被害者の両親・配偶者・子どもが含まれます。
例えば、遺族が配偶者と子ども2人だった場合、被害者本人に対する400万円に950万円を加算した1,350万円が支払われます。
弁護士基準の場合|死亡した被害者の地位・属性で決まる
弁護士基準の場合、死亡慰謝料は死亡した被害者の地位・属性によって金額が異なります。
| 被害者の地位・属性 | 慰謝料 |
| 一家の支柱 | 2,800万円 |
| 母親・配偶者 | 2,500万円 |
| そのほか(独身の男女、こども、高齢者など) | 2,000万円~2,500万円 |
なお、上記の金額は被害者本人と遺族の慰謝料を合算したものです。
自賠責基準と弁護士基準では大きな差があるので、死亡事故の慰謝料請求に関しては必ず弁護士に相談してください。
交通事故の慰謝料相場は自動計算ツールですぐにわかる!
交通事故の慰謝料は計算方法が複雑で、適正額を求めるには手間と時間がかかります。
しかし、自動計算ツールを使えば、入院・通院日数やけがの状況などを入力するだけで慰謝料の相場を求めることが可能です。
ぜひ、以下の自動計算ツールで自身の慰謝料相場を確認してみてください。

なお、自動計算ツールはあくまで目安であり、実際には個別の事情が考慮されます。
相場を把握したうえで正確な金額を知りたい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
交通事故の慰謝料が増額されやすいケース
通常、交通事故の慰謝料は既存の算定基準に基づいて算出しますが、以下のケースでは増額される可能性があります。
- 酒酔い運転やひき逃げ、無免許運転など加害者に重大な過失や悪質性がある
- 後遺障害の程度が重く、日常生活に著しい支障が生じている
- 妊娠中の被害者が事故を契機に流産した
- 交通事故のけがによって被害者の将来の夢・キャリアが実質的に断たれた
- 一切の謝罪がない場合など加害者が不誠実な態度をとっていた
上記のように、被害者の精神的苦痛が極めて大きくなる場合は、慰謝料額も増額される傾向にあります。

増額を主張するには、客観的な証拠が必要です。また、加害者との交渉も重要になってくるので、まずは弁護士に相談してみてください。
交通事故の慰謝料が減額されやすいケース
反対に、以下のようなケースでは交通事故の慰謝料が減額されることもあります。
- 被害者にも過失がある
- 通院頻度・期間が極端に短い
- そもそも治療の必要性がなかった
- 既往症が影響している
特に注意しておくべきなのは、過失割合に応じて慰謝料が減額される点です。
例えば、被害者の過失が30%と認定された場合、慰謝料は70%分しか受け取れません。
相手の保険会社が提示する過失割合に納得がいかない場合は、弁護士とともに争う姿勢をみせることが重要です。
交通事故の慰謝料をいくらもらった?2つの事例を紹介
ここでは、実際の交通事故で慰謝料がいくら支払われたのか、具体的な事例を2つ紹介します。どちらの事例でも、弁護士が介入したことで獲得できた慰謝料は増額しています。
自分のケースと照らし合わせることで、慰謝料相場をイメージしやすくなるでしょう。
主婦が治療期間約5ヵ月で慰謝料を含む100万円の賠償金を獲得
まず紹介するのは、交通事故に巻き込まれた主婦が慰謝料を含む100万円の賠償金を獲得した事例です。
| 事案概要 | 30代主婦が自転車で横断歩道を走行中、右折してきたバイクと接触。下肢の治療開始後2ヵ月で保険会社から打ち切りの連絡があった。 |
| 結果 | 弁護士が保険会社と交渉して、その後3ヵ月の治療が認められた。当初は賠償金約50万円が提示されたが、最終的に50万円増額の約100万円を獲得した。 |
入通院慰謝料や後遺障害慰謝料の算定にあたっては、性別や職業などは原則として影響しません。
主夫・主夫であっても、一般的な会社員などと同様の金額を受け取ることができます。
むちうちの後遺障害14級で慰謝料を含む450万円の賠償金を獲得
次に紹介するのは、むちうちで後遺障害等級認定を受けた女性が、慰謝料を含む450万円の賠償金を獲得した事例です。
| 事案概要 | 十字路を左折しようと曲がり始めたところ、後方から追突される。むちうちの治療を受け、後遺障害14級9号(局部に神経症状を残すもの)に認定された。 |
| 結果 | 保険会社からは約130万円が提示されたが、弁護士の介入によって320万円増額し約450万円を獲得した。 |
本事案では、弁護士が後遺障害の認定申請と示談交渉をおこなった結果、14級9号が認定され、賠償額が大幅に増額されました。
また、被害者側にも過失がありましたが、過失部分は被害者本人が加入していた人身傷害補償保険から回収することに成功しています。
交通事故で慰謝料を請求するときの流れ
交通事故に遭ってから慰謝料を受け取るまでの手続きは、以下の流れで進めていきます。

慰謝料請求で損しないためには、警察に届け出て人身事故扱いにすること、そして、自覚症状がなくても病院で診察を受けることが重要です。
初期対応を誤ると、慰謝料を一切受け取れなくなる可能性もあります。
なお、慰謝料を含む示談金は、相手方の保険会社から提示されるケースが一般的です。
そのまま同意してしまうと損をするおそれがあるので、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
交通事故の慰謝料はいつもらえる?
一般的に、交通事故の慰謝料は示談が成立してから2週間〜1ヵ月程度で支払われます。
ただし、そもそも示談が始まるのは、けがが完治または症状固定となり、損害額が確定したあとです。
後遺障害が残った場合は、後遺障害等級認定の申請手続きも必要になるため、さらに時間を要します。
そのため、事故発生から慰謝料を受け取るまでに1年以上かかるケースも少なくありません。
なお、慰謝料を含む損害賠償を先払いしてもらえる制度もあるので、生活費に困っている場合は選択肢のひとつに入れておくとよいでしょう。
交通事故で適正な慰謝料を受け取るための4つのポイント
交通事故で適正な慰謝料を受け取れるかどうかは、事故後の対応次第です。
ここでは、4つのポイントを解説するので参考にしてください。
事故後すぐに病院を受診する
交通事故に遭ったら、たとえ自覚症状がなくても必ず病院を受診してください。
受診が遅れると、けがと事故の因果関係がないと判断され、慰謝料請求が認められない可能性があります。
特にむちうちは、事故直後には症状が出ないことも多く、診察を受けない人が多いので注意してください。
また、整骨院や接骨院ではなく、まずは病院の整形外科などを受診することが重要です。
医師の診断書がなければ、後遺障害等級の申請もできません。

病院で受診したあとは、必要に応じて整骨院や接骨院に通うのも問題ありません。しかし、あらかじめ医師から指示を受けることや相手方の保険会社に連絡して、了承を得ておくと安心です。整骨院などでの施術は治療ではないため医師からの指示や保険会社との事前の相談なく利用された場合、施術費が支払われない場合があります。
適切な通院頻度で治療を続ける
交通事故でけがをした場合は、適切な通院頻度で治療を受けることも大切です。
通院頻度は、入通院慰謝料の算定に大きく影響します。
自己判断で通院をやめると、本来よりも少ない金額しか慰謝料を請求できません。
また、通院頻度は後遺障害等級認定の審査でも重視されるポイントのひとつです。
医師が完治または症状固定と判断するまでは通院を続けましょう。
必要以上に通院回数を増やすと、慰謝料目当ての悪質な行為と判断されるおそれがあるので、あくまでも医師の指示に従うことが重要です。
後遺障害等級の認定を受ける
治療を続けても症状が改善せず、後遺症が残った場合は、必ず後遺障害等級の認定を申請してください。
等級が認定されれば、入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料を請求できるので、賠償金が大幅に増額されます。
後遺障害等級認定を受けるまでの基本的な流れは、以下のとおりです。
- 医師に後遺障害診断書の作成を依頼する
- 後遺症の症状や程度を証明する添付書類を用意する
- 加害者が加入する保険会社に書類を提出する
- 保険会社から審査機関(損害保険料率算出機構)に書類が渡り、審査される
- 加害者側の保険会社を通じて結果が通知される。
ただし、等級認定の申請手続きには専門的な知識が求められるので、弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士に依頼して弁護士基準で慰謝料を請求する
交通事故の慰謝料を適正に受け取るには、弁護士に依頼し、弁護士基準で算定・請求することが最も効果的といえます。
保険会社が最初に提示する示談金は、自賠責基準または任意保険基準で計算されていることがほとんどです。
弁護士が介入すれば、弁護士基準で再計算して示談交渉を進めるため、慰謝料の増額が期待できます。
弁護士に依頼すると弁護士費用が発生しますが、慰謝料の増額分を考慮すれば、結果的に得する可能性が高いです。
また、弁護士特約に加入している場合は、弁護士費用を保険会社が負担してくれるので、実質無料で依頼できます。

弁護士特約の付帯状況は、自動車保険の保険証書で確認できます。ただし、適用条件や利用方法を確認するためにも、保険会社の担当者に直接問い合わせてみるのがおすすめです。
交通事故で慰謝料以外に請求できる損害賠償金
交通事故に巻き込まれた場合は、慰謝料以外にも以下のような費用を請求できます。
- 治療費:病院での診察費・薬代、診断書作成費用など
- 休業損害:事故によるけがで仕事を休んだ場合の収入減
- 逸失利益:後遺障害などによって失われた将来の収入
- 通院交通費:治療のために通院する際にかかる交通費
- 付添看護費:家族が付き添う場合にかかった費用
- 将来介護費:後遺障害で介護が必要になった場合の将来的な介護費用
- 葬儀費用:被害者が死亡した場合の葬儀費用
損害賠償請求できる項目は複数あるため、漏れのないように弁護士とも相談してみることをおすすめします。

損害賠償金を受け取って示談が成立してしまうと、あとで追加請求することは原則認められないので注意してください。
交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼することで、以下のような多くのメリットがあります。
- 慰謝料が増額できる可能性がある
- 示談交渉を代行してもらえる
- 後遺障害等級認定のサポートを受けられる
- 適切な過失割合で交渉できる
- 精神的負担が軽減される
弁護士は法律の専門知識と交渉力を持っているため、被害者に有利な条件で示談を成立させることができます。
実際、弁護士の介入によって、慰謝料の金額が数百万円以上増額することも珍しくありません。
何より、事故後に大きな不安や焦りを感じている中で、弁護士という心強い味方がいることは精神的な安定につながるでしょう。
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できるだけ早い段階で弁護士に相談しておけば、適正な慰謝料を受け取れる可能性が高まります。
交通事故の慰謝料に関するよくある質問
最後に、交通事故の慰謝料に関してよくある質問に回答します。
疑問が解消すれば不安も和らぐので、ぜひ参考にしてください。
交通事故の慰謝料は実際に誰が払う?
加害者が任意保険に加入している場合は、任意保険会社から慰謝料を含む損害賠償金が支払われることになるでしょう。
一方、加害者が任意保険に未加入の場合は、自賠責保険に請求を行うことになります。
ただし、自賠責保険の上限額を超える損害については、加害者本人に直接請求しなければなりません。
なお、加害者が自賠責保険にも未加入の場合は、政府の保障事業に請求することで自賠責保険の支払い基準に準じた賠償金を受け取れます。
むちうちの慰謝料相場はいくら?
むちうちの慰謝料相場は、通院期間や後遺障害等級の有無などによって異なります。
例えば、むちうちで3ヵ月通院(実通院日数30日)した場合の入通院慰謝料は自賠責基準で約26万円、弁護士基準なら53万円が相場です。
また、むちうちで後遺症が残った場合は、後遺障害等級14級または12級に認定され、後遺障害慰謝料を請求できることがあります。
| 等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
| 12級 | 94万円 | 290万円 |
| 14級 | 32万円 | 110万円 |
交通事故の慰謝料請求に時効はある?
慰謝料請求の慰謝料請求には時効が存在し、時効完成によって慰謝料請求権が消滅してしまいます。
時効が成立するまでの期間は以下のとおりです。
| 事故の種類 | 時効成立までの期間 |
| 後遺障害が残っていない場合 | 事故の翌日から5年 |
| 後遺障害が残った場合 | 症状固定時から5年 |
| 被害者が死亡した場合 | 死亡の翌日から5年 |
| 加害者がわからない場合(ひき逃げ) | 事故の翌日から20年 |
示談交渉が長引いている場合や保険会社からの連絡が途絶えている場合などは、時効の中断手続きが必要になることもあります。
時効が迫っている場合は、早急に弁護士に相談してください。
慰謝料と示談金の違いは?
慰謝料は、精神的苦痛に対して支払われる損害賠償金のひとつです。
一方、示談金は、交通事故によって生じたすべての損害賠償金を指します。
つまり、慰謝料は示談金の一部です。
例えば、保険会社から「示談金として100万円を提示します」と言われた場合、その内訳に慰謝料が含まれていることを理解しておく必要があります。
物損事故でも慰謝料は請求できる?
物損事故では、原則として慰謝料を請求できません。
人的被害のない物損事故では、精神的苦痛が生じたとはいえないケースがほとんどだからです。
ただし、ペットが死亡した場合や思い出の品が破損した場合など、精神的苦痛が特に大きいと認められる場合は、慰謝料を受け取れることもあります。
交通事故の慰謝料に税金はかかる?
交通事故の慰謝料には、原則として税金はかかりません。
法律上、心身の損害に対して支払われる損害賠償金は非課税とされています。
そのため、慰謝料はもちろん、治療費や通院交通費なども課税対象外です。
さいごに
交通事故の慰謝料は、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類に分けられます。
自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準のいずれかで各慰謝料を算定することになりますが、最も高額になるのは弁護士基準です。
適切な慰謝料を受け取りたいのであれば、弁護士に依頼し、弁護士基準で算定・請求しましょう。
交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼する際は、ベンナビ交通事故の利用をおすすめします。
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損害賠償・慰謝料請求に関する新着コラム
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交通事故慰謝料をいくらもらったのか知りたい方に向けて、実際の増額事例をもとに解説。弁護士が介入したときの差、慰謝料の種類と計算方法、後遺障害等級のポイント、計算...
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交通事故の慰謝料がいくらになるのか不安な人に向けて、慰謝料計算ツールの選び方や使い方をわかりやすく解説します。ベンナビ交通事故のツールを例に、弁護士基準での金額...
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交通事故に遭った際の慰謝料の計算方法について、種類別・基準別にわかりやすく解説。入通院・後遺障害・死亡慰謝料の相場や、計算時に注意すべきポイントも紹介します。自...
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居眠り運転は、道路交通法の「安全運転義務違反」または「過労運転」に該当し、刑事罰や行政罰を受けるおそれがあります。罰則の内容は、「物損事故」か「人身事故」かどう...
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本記事では、直接的な接触はないけれどけがを負ってしまった方に向けて、非接触事故とはどのような交通事故なのか、非接触事故として分類される代表的なケース、非接触事故...
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相手保険会社の提示する慰謝料額はうのみにしないでください。交通事故の被害者はもっと多くの慰謝料を請求できる可能性があるからです。どれくらい増額できるかは、個々の...
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交通事故の被害が原因でけがの治療を受け、仕事を休業した場合は休業補償の請求ができます。本記事では、個人事業主や自営業の方の休業損害の計算方法や、休業損害を請求す...
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本記事では、交通事故後の通院日数について知りたい方に向けて、事故後の通院日数を増やしても稼げないこと、治療・通院と関係する補償の種類、過剰診療を受けた場合のリス...
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本記事では、物損事故で慰謝料が認められた5つの具体例を紹介し、請求の条件や対策について説明します。もしも物損事故で心身にも大きな影響を受けた場合は、本記事を参考...
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交通事故によるけがで仕事を休むことになった方のなかには、休業損害の日数の数え方がわからない方もいるでしょう。本記事では、休業日数の数え方を職業別に解説します。休...
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この記事では、交通事故によるひき逃げの慰謝料相場や慰謝料の計算方法を慰謝料早見表とともに解説し、加害者不明時の対処法、増額のポイントまでわかりやすく説明します。
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交通事故の被害に遭った際に、損害賠償請求ができる項目や相場を知らないと、加害者側保険会社の提示金額を鵜呑みにしてしまい適正な金額の賠償を受けられない恐れがありま...
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「休業損害証明書の書き方について知りたい」「休業損害の相場を把握したい」などの悩みを抱えている交通事故被害者の方に向けて、本記事では休業損害証明書の書き方やパタ...
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交通事故によるけがや病気などで会社を休んだ場合に受けられるのが休業補償ですが、休業損害や休業手当と混合されるケースが多くあります。本記事では、会社を休んだ場合の...
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「追突事故の慰謝料について知りたい」「慰謝料を増額したい」などのお悩みを抱えている交通事故の被害者に向けて、本記事では追突事故の慰謝料の種類や相場を解説します。...
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保険金は事故被害から早く立ち直るための大切なお金です。いつどのくらいもらえるのか気になる方が多いのではないでしょうか。この記事では交通事故の保険金の算出方法や相...
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休業損害とは、交通事故により仕事を休んだことで減収したことに対する損害のことを呼びます。職業や請求方法などにより金額は大きく変わりますので、適切な額を受け取るた...
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逸失利益とは、交通事故による後遺障害や死亡がなければ、将来得られるはずだった収入の減少分に対する補償のことです。特に逸失利益は高額になるケースが多いため、詳しい...
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交通事故で入院や通院した際に請求できる慰謝料として、入通院慰謝料があります。治療期間に応じて金額は変動するほか、計算にあたっては弁護士基準などの計算基準もあるの...
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主婦が交通事故被害に遭った場合でも、慰謝料や休業損害(主婦手当)の請求は認められます。ただ、通常の事故とは計算方法が異なる点があるので、注意しなければいけません...
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歩行者が交通事故に遭ってしまった場合に請求できる慰謝料の種類のそのシミュレーション、また慰謝料以外に請求できる損害賠償金を解説しています。
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交通事故で軽傷を負った場合の慰謝料について、計算方法や相場を解説します。また、弁護士に示談交渉の代理をお願いする目安についても解説しますので、併せてご確認くださ...
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この記事では、交通事故の加害者が任意保険を使わない場合の、示談金が振り込まれるまでの流れを解説します。示談金がなかなか振り込まれない場合の対処法も紹介するので、...
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高次脳機能障害が後遺障害として認定されると、その症状の度合い(等級)に応じて慰謝料や逸失利益などの損害賠償請求をする権利が認められます。本記事では、高次脳機能障...
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交通事故の被害者は、加害者に対して治療費を請求できますが、場合によっては被害者自身が一旦立て替えて支払わなければならないケースがあります。本記事では、交通事故の...
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たとえ交通事故の加害者が外国人でも、損害賠償の請求内容に大きな違いはありません。ただし言葉の壁や帰国されるリスクもあるなど、日本人同士の事故とは異なる点もありま...
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交通事故で高齢者が亡くなった場合、保険会社によっては相場を下回る額を提示してくるケースもあります。示談はやり直しがききませんので、適切な額を受け取るためにも交通...
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この記事では、休業損害を請求するための条件や、働き方ごとの計算方法や必要書類、減額されないためのポイントまでわかりやすく解説していきます。
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交通事故に遭った家族が1ヵ月以上意識不明の場合は、将来的に「遷延性意識障害」の診断を受ける可能性があります。 本記事では、家族が交通事故に遭って1ヵ月以上意識...
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本記事では、交通事故の裁判における和解率や、和解のメリット・種類・手続きの流れなどを解説します。 交通事故の被害に遭い、加害者側に対して損害賠償請求をおこなっ...
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この記事では交通事故での入通院慰謝料算出の際、ギプス固定期間や骨折の程度に関する考慮についての具体的な考え方について解説します。 この記事を読んで骨折した際の...
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