損害賠償とは?損害賠償の種類と請求方法、注意点を解説
交通事故の被害に遭うと、加害者に対して損害賠償を請求できます。
しかし「いくら請求できるのか」「どうやって請求するのか」「時効はあるのか」など、知らないと損をしてしまうポイントが多くあります。
特に保険会社から提示される金額は、本来受け取れる適正額より大幅に低いケースが少なくありません。
正しい知識を持たずに示談に応じると、受け取れるはずの賠償金を取りこぼす可能性があります。
本記事では、交通事故の被害者が知っておきたい損害賠償請求の基礎知識から、具体的な請求方法、適正な賠償金を受け取るためのポイントまでをわかりやすく解説します。
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損害賠償請求とは|不法行為によって受けた損害の補填
損害賠償請求とは、他人の不法行為や契約違反によって受けた損害を、加害者に金銭で補填するよう求めることです。
交通事故であれば、被害者が負担した治療費や休業損害、精神的苦痛に対する慰謝料などを加害者に請求できます。
民法に定められた正当な権利であり、被害者を保護するために認められています。
ここではまず、損害賠償請求の法的根拠や成立要件、似た用語との違いといった基礎知識を解説します。
損害賠償請求の2つの法的根拠|交通事故は「不法行為責任」が中心
損害賠償請求の法的根拠は、大きく不法行為責任と債務不履行責任の2つにわかれます。
交通事故は、原則として不法行為責任に基づいて請求します。
| 観点 | 不法行為責任 | 債務不履行責任 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 民法709条 | 民法415条 |
| 当事者の関係 | 契約関係は不要 | 契約関係が前提 |
| 立証責任 | 被害者が故意・過失を立証 | 債務者が帰責事由のないことを主張・立証 |
| 典型例 | 交通事故、暴行、名誉毀損など | 売買契約違反、業務委託違反など |
不法行為責任は、故意または過失によって他人に損害を与えた場合に発生します。
当事者間に契約関係がなくても成立し、交通事故や暴行、名誉毀損などが典型例です。
一方、債務不履行責任は契約上の義務を果たさなかった場合に発生する責任で、売買契約での納期遅延などが該当します。
交通事故では、運転者と被害者の間に事前の契約関係がなく、運転者の過失によって損害が生じます。
そのため不法行為責任にあたり、本記事では以降、これを中心に解説します。
損害賠償請求権が発生する4つの要件
不法行為責任に基づく損害賠償請求権が発生するには、以下の要件を満たす必要があります(民法709条)。
| 要件 | 内容 | 交通事故での例 |
|---|---|---|
| ① 故意または過失 | わざと、または不注意による行為であること | 脇見運転・スピード違反・信号無視 |
| ② 権利・利益の侵害(違法性) | 他人の権利や法律上保護される利益を侵害したこと | 道路交通法違反による事故 |
| ③ 損害の発生 | 被害者に損害が生じたこと | けが・物損・精神的苦痛 |
| ④ 因果関係 | その損害が加害行為によって生じたといえること | 事故とけがとの相当因果関係 |
たとえば運転者が脇見運転(過失・違法性)をしたために被害者が骨折し(損害)、その骨折が事故によるものといえる(因果関係)ケースでは、要件を全て満たし、請求権が発生します。
請求権の立証責任は被害者側にあります。
事故直後からドライブレコーダーや診断書などの証拠を確保しておくと安心です。
損害賠償金・慰謝料・示談金の違い
損害賠償金・慰謝料・示談金は混同されやすい言葉ですが、それぞれ指す範囲が異なります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 損害賠償金 | 治療費・休業損害・慰謝料など、被害者が受けた全ての損害に対する補填金の総称 |
| 慰謝料 | 損害賠償金のうち、精神的苦痛への補償部分のみを指す |
| 示談金 | 示談交渉によって当事者間で合意した最終的な支払金額 |
慰謝料は、損害賠償金の一部にすぎません。
損害賠償金には慰謝料のほか、治療費や休業損害、逸失利益なども含まれます。
本来受け取れる総額は、慰謝料だけを見たときよりもはるかに大きくなります。
示談金は損害賠償金とほぼ同じ意味で使われますが、厳密には示談で合意した金額を指します。
3つの違いを理解しておくと、保険会社の提示額が適正かどうかを冷静に判断できます。
損害賠償請求ができる主なケース
損害賠償請求は、以下のような不法行為や債務不履行が発生した場合におこなえます。
- 交通事故
- 暴行・傷害被害
- 不倫・不貞行為
- 名誉毀損・誹謗中傷
- 契約違反(売買・業務委託など)
- 労災事故
- 医療過誤
- 学校でのいじめ
本記事では、このうち交通事故による損害賠償請求を中心に詳しく解説します。
損害賠償請求で請求できるお金の種類は3つ
交通事故で請求できる損害賠償は、その性質によって3つに分類されます。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| ① 積極損害 | 事故によって実際に支出した費用 |
| ② 消極損害 | 事故がなければ得られたはずの利益 |
| ③ 慰謝料 | 精神的苦痛に対する補償 |
積極損害は治療費や修理費など実費が原則、消極損害は休業損害や逸失利益、慰謝料は精神的苦痛への補償です。
それぞれにどのような費用が含まれるのか、次から詳しく見ていきます。
①積極損害|治療や修理で実際にかかった費用
積極損害とは、事故によって被害者が実際に支払った費用のことです。
原則として、領収書や明細書で支出を証明できれば、実費全額を請求できます。
主な項目は以下のとおりです。
- 治療費:けがの治療にかかった医療費全般
- 通院交通費:通院のための公共交通機関代・ガソリン代
- 付添看護費:入院中や通院時の付き添い費用
- 入院雑費:入院中の日用品代・電話代など
- 器具等購入費:車椅子・義足・義歯などの購入費
- 修理費:車両や物品の修理代
- 代車使用料:修理期間中の代車レンタル費用
- 葬祭費:被害者が死亡した場合の葬儀関連費用
積極損害は実費ベースで計算します。
請求漏れを防ぐため、事故に関連する領収書や明細書は全て手元に保管しておくと確実です。
②消極損害|事故がなければ得られたはずの利益
消極損害とは、事故に遭わなければ被害者が得られていたはずの収入や利益のことです。
けがや後遺障害、死亡によって働けなくなったことによる損失を補填します。
主な項目は以下のとおりです。
- 休業損害:けがの治療で仕事を休んだことによる収入減
- 後遺障害逸失利益:後遺障害が残ったことで将来得られなくなった収入
- 死亡逸失利益:死亡したことで将来得られなくなった収入
消極損害、とくに逸失利益は計算が複雑で、被害者の年齢や収入、後遺障害の程度によって金額が大きく変わります。
適正な金額を算出するには専門知識が必要なため、弁護士に相談するとよいでしょう。
③慰謝料|精神的な苦痛に対する補償
慰謝料とは、事故によって被害者が受けた精神的苦痛に対する補償です。
けがの痛みや治療によるストレス、後遺障害が残ったことへの不安などを金銭で補填します。
交通事故で請求できる慰謝料は、以下の3種類です。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 入通院慰謝料 | 入院・通院による精神的苦痛への補償(傷害慰謝料とも呼ばれる) |
| 後遺障害慰謝料 | 後遺障害が残ったことによる精神的苦痛への補償 |
| 死亡慰謝料 | 被害者の死亡による本人および遺族の精神的苦痛への補償 |
慰謝料は、どの算定基準を使うかで金額が大きく変わります。
後述する弁護士基準で計算すると、保険会社の提示額の2〜3倍になるケースも珍しくありません。
交通事故の損害賠償はいくら請求できる?項目別の金額目安一覧
ご自身のケースでいくらもらえるのかを確認できるよう、交通事故の類型別に、請求できる項目と金額の目安を解説します。
物損・人身・入院・死亡の4つのパターンに分けて見ていきましょう。
請求できる項目の全体像は、以下のとおりです。
| 分類 | 項目 |
|---|---|
| 積極損害(実費) | 治療費・入院雑費・付添看護費(医師の証明が必要)・通院交通費・装具費(義足など)・診断書などの文書費 |
| 消極損害(得られたはずの利益) | 休業損害・後遺障害逸失利益・死亡逸失利益 |
| 慰謝料(精神的苦痛) | 入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料 |
物損事故で請求できる項目と費用目安
物損事故とは、人的被害がなく車両や物品のみが損傷した事故のことです。
| 項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 修理費 | 実費全額(修理見積書・領収書ベース) |
| 評価損 | 修理費の10〜30%程度(車種・年式・損傷箇所などで認定額は異なる) |
| 代車使用料 | 1日5,000〜15,000円程度 |
| 休車損 | 営業車の利益喪失分(タクシー・運送業など) |
| 登録手続関係費 | 数千〜数万円(廃車・買い替え時の諸費用) |
| 携行品損害 | 実費全額(車内のスマホ・パソコンなど) |
物損事故では、主に修理費と代車使用料を請求します。
評価損は新車購入から年数が経っていない車両ほど認められやすい傾向がありますが、車種や年式、損傷箇所、修復歴によって認定額は異なります。
なお、物損事故では原則として慰謝料は認められません。
精神的苦痛への補償は、人身損害でのみ請求できます。
人身事故で請求できる項目と費用目安
人身事故では、物損に加えて、けがの治療や休業に関する損害も請求できます。
| 項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 治療費 | 実費全額 |
| 通院交通費 | 1kmあたり15円程度(自家用車)/公共交通機関は実費 |
| 通院付添費 | 1日3,300円程度 |
| 休業損害 | 日額×休業日数 |
| 入通院慰謝料 | 軽傷で1ヵ月19万円〜(弁護士基準) |
| 後遺障害慰謝料 | 14級で110万円〜(最大2,800万円) |
| 後遺障害逸失利益 | 数百万〜数千万円 |
休業損害の計算方法は、職業によって異なります。
- 給与所得者:事故前3ヵ月の給与合計÷90日×休業日数
- 専業主婦(夫):賃金センサスの女性平均賃金÷365日×休業日数
- 自営業者:(事故前年の所得+固定費)÷365日×休業日数
会社員だけでなく、専業主婦・主夫も家事労働の対価として休業損害を請求できます。
後遺障害逸失利益の計算では、将来の利益を前倒しで受け取るため、ライプニッツ係数を用いて中間利息を差し引きます。
法定利率は2020年4月1日施行の改正民法で5%から3%に引き下げられました。
専門的な計算が必要になるため、弁護士への相談を検討してください。
入院した場合に加算される項目と費用目安
事故のけがで入院が必要になった場合は、人身事故の項目に加えて、以下の費用も請求できます。
| 項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 入院付添費 | 1日6,500円程度(医師の指示・必要性が認定された場合) |
| 入院雑費 | 1日1,500円程度(日用品・電話代など) |
| 家屋改造費 | 実費(後遺障害により必要となった改造費) |
入院雑費は1日あたり1,500円が目安で、領収書がなくても入院日数分をまとめて請求できます。
長期入院になるとまとまった金額になるため、計上漏れがないか確認してみてください。
死亡事故で請求できる項目と費用目安
被害者が死亡した場合、遺族が以下の項目を請求できます。
死亡事故は損害額が高額になる傾向があります。
| 項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 葬儀関係費用 | 150万円程度(弁護士基準の上限目安) |
| 死亡逸失利益 | 数千万〜1億円超 |
| 死亡慰謝料 | 2,000〜2,800万円 |
弁護士基準による死亡慰謝料の相場は、被害者の家庭内での立場によって異なります。
- 一家の支柱:2,800万円
- 母親・配偶者:2,500万円
- その他(独身者・子ども・高齢者など):2,000〜2,500万円
死亡逸失利益の計算では、本人が生活費として消費するはずだった分を差し引く生活費控除率が適用されます。
控除率は一家の支柱や女性で30〜40%、男性で50%が目安です。
被害者が若年層や高収入であった場合、賠償額の総額が1億円を超えることもあります。
適正な金額を引き出すには、早い段階で弁護士に相談するのが有効です。
損害賠償額の3つの算定基準|弁護士基準なら賠償金が増額される

交通事故の損害賠償額、とくに慰謝料の計算には3つの算定基準があり、どの基準を使うかで金額が大きく変わります。
| 算定基準 | 特徴 | 金額水準 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 自賠責保険による法定最低限の補償 | 最も低い |
| 任意保険基準 | 各保険会社が独自に定めた基準(非公開) | 中間 |
| 弁護士基準(裁判所基準) | 過去の裁判例に基づいた基準 | 最も高い |
金額は「自賠責基準<任意保険基準<弁護士基準」の順に高くなり、弁護士基準は自賠責基準の2〜3倍になることもあります。
保険会社が最初に提示する金額は、弁護士基準を下回る任意保険基準であることが多く、そのまま受け入れると本来受け取れる適正額を下回る可能性があります。
弁護士に依頼すれば、最も高額な弁護士基準での交渉が可能になり、賠償金の増額が期待できます。
ここからは、慰謝料の3種類について、各基準での相場を見ていきましょう。
入通院慰謝料の相場
入通院慰謝料は、治療にかかった期間や実際の通院日数に応じて金額が決まります。
最低限の補償である自賠責基準は、入通院による慰謝料を日額4,300円として、以下の式で計算します。
| 入通院慰謝料の計算式 |
|---|
| ①、②のいずれか金額の少ないほうを適用する ①4,300円×治療期間(病院に通っていた期間) ②4,300円×実通院日数(実際に病院に通った日数) |
※2020年3月31日以前に発生した事故では、1日あたりの金額を4,200円で計算する
任意保険基準は各保険会社が独自に定めており非公開ですが、おおむね自賠責基準と同程度か、やや上乗せした水準にとどまります。
弁護士基準を適用した場合の相場は以下のとおりです。
| 通院期間 | 軽傷(むちうち・打撲など) | 重傷(骨折・脳挫傷など) |
|---|---|---|
| 1ヵ月 | 19万円 | 28万円 |
| 3ヵ月 | 53万円 | 73万円 |
| 6ヵ月 | 89万円 | 116万円 |
| 12ヵ月 | 119万円 | 154万円 |
軽傷とは、むちうちや打撲など他覚的所見のない症状を指します。
骨折や脳挫傷など他覚的所見のある重傷の場合は、より高い金額が認定されます。
弁護士基準と保険会社の提示額との差は、通院3ヵ月で20万円以上、6ヵ月で30万円以上になることもあります。
後遺障害慰謝料の等級別相場
後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害等級によって金額が決まります。
等級は1級(最重度)から14級(最軽度)まであります。
| 等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 1級 | 1,150万円 | 2,800万円 |
| 2級 | 998万円 | 2,370万円 |
| 3級 | 861万円 | 1,990万円 |
| 4級 | 737万円 | 1,670万円 |
| 5級 | 618万円 | 1,400万円 |
| 6級 | 512万円 | 1,180万円 |
| 7級 | 419万円 | 1,000万円 |
| 8級 | 331万円 | 830万円 |
| 9級 | 249万円 | 690万円 |
| 10級 | 190万円 | 550万円 |
| 11級 | 136万円 | 420万円 |
| 12級 | 94万円 | 290万円 |
| 13級 | 57万円 | 180万円 |
| 14級 | 32万円 | 110万円 |
最軽度の14級でも110万円、最重度の1級では2,800万円と、等級によって金額に大きな差があります。
自賠責基準と弁護士基準を比べると、どの等級でもおおむね2〜3倍の開きがあり、等級が重いほど金額の差(差額)も大きくなります。
さらに後遺障害逸失利益も加わるため、1級が認定されれば総額が数千万円から1億円規模になることも珍しくありません。
後遺障害が認定された場合ほど、弁護士基準との差額は大きくなります。
死亡慰謝料の相場
死亡慰謝料は、被害者の家族内での立場によって金額が変わります。
| 被害者の立場 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 一家の支柱 | 400万円+遺族慰謝料 | 2,800万円 |
| 母親・配偶者 | 同上 | 2,500万円 |
| その他(独身・子ども・高齢者など) | 同上 | 2,000〜2,500万円 |
弁護士基準では、被害者本人の慰謝料が2,000万円から2,800万円と、自賠責基準の数倍に相当する金額が認められます。
死亡事故は遺族にとって金銭的にも精神的にも負担が大きいため、手続きは弁護士と一緒に進めるのが確実です。
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損害賠償請求のやり方|事故発生から解決までの流れ6ステップ

損害賠償請求の解決期間は、事故の規模や後遺障害の有無によって異なりますが、軽傷で3〜6ヵ月、後遺障害ありで1〜2年程度が目安です。
なお、損害賠償請求権には時効があり、原則として3〜5年で権利が消滅します(詳しくは「損害賠償請求権の時効|権利を失う前に確認すべき期間」で解説します)。
時効が迫っている場合は、ステップどおりに進めるのではなく、まず弁護士に相談してください。
ここでは、事故の発生から賠償金受領までの流れを、6つのステップに分けて解説します。
①事故直後の対応と証拠を確保する
事故現場での初動対応が、のちの損害賠償請求の成否を大きく左右します。
現場では以下の対応を行いましょう。
- 負傷者の救護と119番通報
- 110番通報による警察への届出
- 加害者の情報確認(氏名・住所・連絡先・保険会社・車両ナンバー)
- 目撃者の連絡先確保
- 現場写真の撮影(破損箇所・ブレーキ痕・道路状況・信号など)
- ドライブレコーダー映像の保存
事故後には、以下の証拠書類を取得しておきます。
- 交通事故証明書(自動車安全運転センター発行)
- 実況見分調書(人身事故の場合)
- 診断書(受診後すぐに医師に依頼)
- 治療費・通院交通費の領収書
上記の資料は、過失割合の交渉や損害額の算定で証拠として活用されます。
②治療を受け症状固定まで通院する
事故後はただちに医療機関を受診し、医師の指示に従って定期的に通院を続けます。
通院時のポイントは以下のとおりです。
- 事故当日または翌日には必ず受診する(受診が遅れると事故との因果関係を疑われやすい)
- 整骨院だけでなく、整形外科を中心に受診する
- 自己判断で通院をやめず、医師の指示を守る
- 痛みや不調の症状を正確に医師に伝える
これ以上治療を続けても症状が改善しない状態を症状固定と呼びます。
症状固定を迎えると治療費の支払いが終わり、残った症状について後遺障害認定の申請へ進みます。
保険会社から治療の打ち切りを打診されることもありますが、症状が残っているのに早く治療を終えると、適正な慰謝料や後遺障害認定を受けられなくなる可能性があります。
治療継続の判断は、担当医師に委ねてください。
③後遺障害等級認定を申請する
症状固定後も後遺症が残っている場合は、後遺障害等級認定を申請します。
等級が認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益を上乗せして請求できます。
| 申請方法 | 特徴 |
|---|---|
| 事前認定 | 加害者の任意保険会社に手続きを任せる方法。簡単だが、書類が不十分になるリスクがある。 |
| 被害者請求 | 被害者自身(または弁護士)が手続きをおこなう方法。有利な資料を厳選でき、適正な等級を獲得しやすい。 |
適正な等級を得るには、被害者請求のほうが有利とされています。
事前認定は保険会社主導のため、被害者に有利な資料が十分に提出されないことがあるためです。
認定結果によって賠償額が数百万〜数千万円変わるうえ、必要書類の作成や証拠収集には専門知識が必要です。
高次脳機能障害や脊髄損傷といった重篤なケースでは、弁護士に依頼して被害者請求をおこなうとよいでしょう。
④保険会社と示談交渉する
治療の完了、または後遺障害等級の確定後に、加害者側の保険会社との示談交渉が始まります。
流れは以下のとおりです。
- 保険会社から示談金の提示書類が届く
- 提示額が適正かを確認する
- 必要に応じて増額交渉をおこなう
- 双方が合意すれば示談書に署名・押印する
- 示談金が振り込まれる
保険会社の提示額は、弁護士基準より低い任意保険基準で算定されることが一般的です。
示談書に署名すると原則やり直しがきかないため、サインする前に必ず弁護士へ内容を確認してもらってください。
なお、自賠責保険は人身事故にのみ適用されます。
物損のみの事故では、加害者本人または任意保険会社に直接請求することになります。
提示額が適正かどうかは、ベンナビ交通事故の慰謝料計算機でも確認できます。
弁護士基準による適正額と比較する目安として活用してください。
損害賠償請求書の書き方
加害者本人や保険会社に損害賠償を請求する際は、損害賠償請求書を作成して送付します。
記載すべき主な項目は以下のとおりです。
| 記載項目 | 内容 |
|---|---|
| 請求者・請求先の情報 | 双方の氏名・住所・連絡先 |
| 事故の特定情報 | 発生日時・場所・態様・車両ナンバーなど |
| 請求項目と金額 | 治療費・休業損害・慰謝料など項目別の金額 |
| 計算根拠 | 各項目の算定方法や基礎となる資料 |
| 支払期限・支払方法 | 振込先口座や支払いの期日 |
| 添付書類 | 診断書・領収書・休業証明書など |
請求書の書式に特別な決まりはありませんが、各項目と金額の根拠を明確に示すことが大切です。
曖昧な請求書を出すと、保険会社に値下げ交渉の余地を与えてしまいます。
ただし、最初の段階で確定していない事実まで断定的に書くと、後から異なる事実が判明したときに不都合が生じることもあります。
確実にいえる範囲で簡潔にまとめ、可能であれば事前に弁護士へ内容を確認してもらうと安心です。
内容証明郵便を送付するメリット
作成した請求書は、証拠力を高めるために内容証明郵便で送付するのが一般的です。
主なメリットは以下のとおりです。
- 送付した文書の内容と日付を公的に証明できる
- 加害者に心理的プレッシャーを与え、交渉を有利に進めやすい
- 時効の完成猶予(後述)の効果が得られる
- 訴訟になった際に有力な証拠として活用できる
内容証明郵便そのものに法的強制力はありません。
ただし、いつ・誰に・いくら請求したかを証拠として残せるため、時効が迫っている場合にはとくに有効な手続きです。
⑤示談不成立ならADR・訴訟に移行する
示談交渉が決裂した場合は、第三者を交えた解決手段へ移行します。
| 解決手段 | 特徴 | 期間目安 |
|---|---|---|
| ADR(裁判外紛争解決手続) | 交通事故紛争処理センター等で第三者が仲介する手続き | 数ヵ月〜半年程度 |
| 民事調停 | 簡易裁判所で調停委員を介して話し合う手続き | 3〜6ヵ月程度 |
| 民事訴訟 | 裁判所に訴えを起こし、判決による解決を図る手続き | 1〜2年程度 |
交通事故紛争処理センターなどのADRは無料で利用でき、中立的な専門家が仲介するため、訴訟よりも早く解決しやすい傾向があります。
最終手段である民事訴訟では、判決によって確実な解決が期待できます。
ただし被害者側は、加害者の故意・過失や違法性、損害の発生、因果関係を全て立証しなければなりません。
勝訴しても相手が支払わない場合は、給与や預金の差し押さえ(強制執行)で回収を図ります。
これらの手続きには高度な専門知識が求められるため、確実な解決を目指すなら弁護士に依頼すると安心です。
⑥示談成立・賠償金を受領する
交渉や訴訟によって合意に至ったら、示談書(または免責証書)を取り交わして賠償金を受け取ります。
示談書には、以下の項目を明記して双方が署名・押印します。
- 当事者の氏名・住所
- 事故の特定情報(日時・場所・車両ナンバーなど)
- 示談金額と支払方法・期限
- 過失割合
- 後遺障害が判明した場合の取り扱い
- 清算条項(本件以外の請求権は放棄する旨)
示談書には法律的な文言も多く、清算条項を含むため、サインをすると原則として後から追加請求はできません。
一度合意した内容を変更するのは難しいので、署名する前に必ず弁護士のリーガルチェックを受けてください。
示談成立後は、合意した期限までに賠償金が指定口座へ振り込まれます。
振り込みが遅れる、または金額が違うといったトラブルが起きたときも、すぐに弁護士へ相談してください。
損害賠償請求権の時効|権利を失う前に確認すべき期間
損害賠償請求権には時効があり、一定期間が過ぎると権利が消滅し、請求できなくなります。
時効の期間は事故の類型によって異なるため、以下で詳しく解説します。
物損事故の場合の時効|3年
物損による損害賠償請求権の時効は、原則として、損害および加害者を知った時から3年です(民法724条)。
交通事故では通常その日のうちに加害者がわかるため、実務上は事故発生日から3年と考えてほぼ問題ありません。
修理費や代車使用料などは、この期間内に請求を完了させる必要があります。
物損事故は比較的早く解決するケースが多いものの、評価損の算定や修理見積もりで揉めると、いつの間にか時効が迫っていることもあります。
早めに対応を進めておきましょう。
人身事故の場合の時効|5年
人身事故(生命・身体に対する不法行為)の時効は、損害および加害者を知った時から5年です。
人身事故の時効は、2020年4月1日施行の改正民法により、従来の3年から5年へ延長されました(民法724条の2)。
生命や身体への侵害は財産的損害よりも保護の必要性が高いとされたためです。
とはいえ、重傷事故では治療や等級認定だけで2〜3年かかることも珍しくありません。
5年という期間でも油断はできないため、治療と並行して時効を管理しておく必要があります。
後遺障害が残った場合の時効|症状固定から5年
後遺障害による損害(後遺障害慰謝料や逸失利益)は、症状固定の時点で確定すると考えられています。
そのため、これらの時効は症状固定時から進行し、症状固定日を起算点として5年と扱われるのが一般的です。
起算点が事故発生日ではなく症状固定日となる点に注意が必要です。
症状固定までに数年かかるケースもあるため、実質的には事故から長期間にわたって請求できます。
ただし、症状固定の時期は医師の判断によります。
早期の症状固定を急がず、医学的に妥当なタイミングを見極めることが大切です。
20年の消滅時効(旧・除斥期間)にも注意
時効とは別に、不法行為の時から20年が経過すると、損害賠償請求権を行使できなくなります(民法724条2号)。
この20年は、かつては除斥期間と解されていましたが、2020年4月1日施行の改正民法では消滅時効として整理されました。
この期間は、被害者が損害や加害者を知っているかどうかにかかわらず進行します。
ひき逃げで長期間加害者が判明しなかったケースなど、極めて長期化する事件ではとくに注意が必要です。
損害賠償請求権の時効を止める方法
時効が迫っている場合は、特定の法的手続をとることで時効の進行を止められます。
| 方法 | 効果 |
|---|---|
| 内容証明郵便による催告 | 6ヵ月の時効完成猶予(一時停止) |
| 訴訟提起 | 時効完成猶予(判決等の確定により時効更新) |
| 民事調停の申立て | 時効完成猶予(調停成立等により時効更新) |
| 加害者による債務承認 | 時効の更新(リセット) |
| ADR(紛争処理センター)の利用 | 時効の完成猶予(一時停止) |
もっとも確実な方法は、訴訟を提起して時効を更新(リセット)することです。
準備に時間がかかる場合は、まず内容証明郵便で催告を送り、6ヵ月の猶予を確保する方法が一般的です。
時効が目前に迫っている場合は、手続きを誤ると権利を失うおそれがあります。
自分で対応せず、早めに弁護士へ相談してください。
損害賠償請求を弁護士に依頼するメリット
損害賠償請求は、法律や医学、交渉の専門知識が求められる複雑な手続きです。
弁護士に依頼すると、被害者には大きく4つのメリットがあります。
①適正な慰謝料(弁護士基準)で増額できる
弁護士に依頼する一番のメリットは、慰謝料が弁護士基準で計算され、受け取れる金額が大幅に増えることです。
保険会社の提示額(任意保険基準)と弁護士基準では、入通院慰謝料で2倍前後、後遺障害慰謝料で2〜3倍の差が生じます。
たとえば通院6ヵ月の場合、保険会社の提示額が約60万円のところ、弁護士基準では89〜116万円となり、数十万円の差額が生まれます。
さらに弁護士は、請求漏れも防いでくれます。
休業損害や通院交通費・付添看護費・将来の介護費など、被害者が見落としがちな項目まで漏れなく計上し、全ての損害を網羅できます。
提示された金額が適正かどうかを判断してもらえる点も、依頼の大きなメリットです。
②後遺障害等級認定を有利に進められる
後遺障害等級の認定結果は、その後の賠償金額を数百万円から数千万円単位で左右する重要な要素です。
等級が1段階違うだけで、賠償金が大きく変わることもあります。
弁護士に依頼すると、被害者にとって有利な条件で申請手続を進められます。
- 被害者請求による戦略的な書類提出
- 医師と連携した、有利な後遺障害診断書の作成サポート
- 必要な検査や画像所見の追加取得のアドバイス
- 不当に低い等級認定への異議申立て
とくに高次脳機能障害や脊髄損傷など、認定のハードルが高い症状ほど、弁護士が介入することで結果が大きく変わります。
③保険会社とのやり取りを一任できる
弁護士と委任契約を結ぶと、保険会社との煩わしい連絡や交渉を全て任せられます。
- 治療中の保険会社からの電話・書類対応
- 不当な治療打ち切り打診への反論
- 示談金の増額交渉
- 必要書類の収集と提出
- 後遺障害認定の申請手続
被害者は相手の担当者と直接話す必要がなくなり、治療や社会復帰に専念できます。
専門知識を持たない被害者が、交渉に慣れた保険会社と渡り合う負担は想像以上に大きいものです。
やり取りを任せられる安心感は、依頼の大きなメリットといえます。
④精神的な負担が軽減される
事故の被害者は、けがの痛みだけでなく、今後の生活への不安や保険会社との交渉、収入減への懸念など、多くの精神的負担を抱えています。
弁護士が味方につくことで、以下のような心理的サポートが得られます。
- 専門家がついてくれるという安心感
- 次に何をすべきかという見通しの良さ
- 適正な賠償金を獲得できるという期待
- 煩雑な法的手続から解放される身軽さ
心身の回復を早めるためにも、一人で抱え込まず、早めに弁護士への相談を検討してください。
損害賠償請求を弁護士に依頼するデメリット
弁護士への依頼には、①費用が発生する、②解決までの期間が長引く可能性があるという2つの懸念点があります。
ただし、いずれも事前の対策で解消できます。
ひとつめは、着手金や報酬金などの費用です。
これはネックになりますが、自動車保険の弁護士費用特約を使えば、多くの場合は自己負担なく依頼できます。
特約がない方でも、完全成功報酬制を採用している事務所を選べば、初期費用を用意する必要はありません(詳細は後述します)。
ふたつめは、示談交渉から訴訟に発展した場合に、解決まで1〜2年かかるケースがあることです。
ただし、早い段階で弁護士へ相談しておけば、かえって早期解決につながることも少なくありません。
これらのデメリットは、適切な対策でほぼ解消できます。
以下で実際の費用体系を確認していきましょう。
損害賠償請求を弁護士に依頼した場合の費用はいくら?
弁護士へ依頼する際、どのような名目でいくら費用がかかるのか、相場と内訳を以下にまとめました。
| 費用の種類 | 金額相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 法律相談料 | 30分5,500円〜 | 無料の事務所も多数 |
| 着手金 | 0〜33万円程度 | 完全成功報酬制も増加 |
| 報酬金 | 経済的利益の11〜22% | 獲得額に応じて発生 |
| 実費 | 数千円〜数万円 | 印紙代・郵送費など |
| 日当 | 1日3〜5万円 | 出張時など |
それぞれの費用がどのタイミングで発生するのか、以下で詳しく確認していきます。
法律相談料|30分5,500円〜(無料の事務所も多い)
法律相談料とは、正式に依頼する前の相談段階で弁護士に支払う費用です。
一般的な相場は30分5,500円〜ですが、交通事故を専門に扱う事務所では初回相談無料としているところも多くあります。
ベンナビ交通事故に掲載されている事務所の多くも無料相談に対応しており、費用を気にせず複数の弁護士を比較できます。
「依頼するか迷っている」「まずは見通しだけ聞きたい」という段階でも、気軽に利用できます。
着手金|0〜33万円程度
着手金とは、結果の成功・不成功にかかわらず、弁護士に案件を依頼した時点で支払う初期費用です。
相場は0〜33万円程度ですが、近年は交通事故案件で着手金を無料とする事務所が増えています。
着手金ゼロで、解決したときのみ報酬を支払う完全成功報酬制を採用している事務所なら、手元に現金がなくてもすぐに依頼できます。
ベンナビ交通事故では、着手金無料や完全成功報酬制の事務所も多数掲載しており、初期費用なしで依頼できる弁護士を見つけられます。
報酬金|経済的利益の11〜22%程度
報酬金とは、事件が解決した際に、獲得した賠償金(経済的利益)の金額に応じて支払う成功報酬です。
相場は獲得額の11〜22%程度です。
経済的利益とは、弁護士の交渉によって得られた利益を指します。
たとえば300万円の賠償金を獲得できた場合、その300万円をベースに報酬金が計算されます。
なお、裁判で勝訴した場合は、認容額の約1割を弁護士費用相当額として加害者側に負担させられるケースもあります。
全ての弁護士費用を加害者に請求できるわけではありませんが、訴訟による解決では費用負担が一部軽くなる可能性があります。
実費・日当|印紙代・交通費など
実費とは、裁判所への印紙代や内容証明郵便の郵送費、書類の取り寄せ費用など、業務の遂行にともなって実際に発生する経費です。
日当は、弁護士が遠方の裁判所や事故現場へ出張した際に、1日あたり3〜5万円程度が発生します。
実費・日当は事案の複雑さや地域によって変わります。
依頼前の面談で、費用体系をしっかり確認しておきましょう。
弁護士費用の自己負担を減らす2つの方法
弁護士費用は決して安くありませんが、以下の2つの方法を活用すれば、自己負担を大きく軽減できます。
①弁護士費用特約を使う
自動車保険に付帯する弁護士費用特約を使えば、弁護士費用の自己負担をゼロにできるケースが大半です。
- 通常300万円までの弁護士費用を補償
- 家族の保険に特約があれば使える場合がある
- 特約を使っても翌年の等級は下がらない
まずは、ご自身やご家族の自動車保険に弁護士費用特約が付帯していないか確認してみてください。
②完全成功報酬制の事務所を選ぶ
特約がない方は、完全成功報酬制を採用している事務所を選ぶと、初期費用ゼロで依頼できます。
- 着手金が無料
- 解決時の獲得額から報酬を支払う
- 費用倒れのリスクが軽減される
手元の初期費用がゼロになるため、費用倒れのリスクを大きく減らせます。
交通事故の損害賠償請求なら「ベンナビ交通事故」
損害賠償請求では、保険会社の提示額が妥当かどうかを自分だけで判断するのは難しいものです。
提示額は自賠責基準や任意保険基準で計算されていることが多く、弁護士基準を下回っているケースもあります。
そんなときに頼りになるのが、交通事故に強い弁護士を簡単に検索できるポータルサイト ベンナビ交通事故です。
地域と相談内容を選ぶだけで、自分に合った弁護士が見つかります。
さらに、以下の条件で絞り込めます。
- 初回の面談相談無料
- 電話相談・オンライン相談に対応
- 休日の相談が可能
慰謝料の増額交渉や後遺障害認定に対応できる事務所が多数登録されているのが特長です。
着手金無料や分割払いに対応している事務所もあるため、費用面の負担を抑えて相談しやすくなっています。
示談金の提示を受けたら、応じる前に一度、弁護士に確認してみてはいかがでしょうか。
損害賠償請求に関するよくある質問
ここからは、損害賠償請求の手続きやトラブルに関して、よく寄せられる疑問にお答えします。
気になるものがあればぜひチェックしてください。
Q1. 弁護士なしで自分で損害賠償請求はできる?
可能です。
ただし専門知識がないまま交渉すると、本来もらえるはずの金額より大きく損をするリスクがあります。
自分で請求を進める場合、損害額の計算や証拠集め、保険会社との折衝を全て一人でこなすことになります。
医学的・法的な裏付けが乏しいと、保険会社の提示額が適正かどうかを見抜けず、低い金額で示談してしまう恐れもあります。
物損のみの軽い事故なら自力でも対応できますが、人身事故や後遺障害が絡むケースは、弁護士へ依頼するほうが安全です。
Q2. 加害者側から損害賠償請求されたらどうすればいい?
まず請求内容が本当に正しいかを確認し、加入している保険会社に連絡して対応を任せるのが基本です。
- 内容証明郵便が届いても慌てず、請求の根拠を精査する
- 任意保険に加入していれば、担当者が示談交渉を代行してくれる
- 保険未加入の場合や、請求額が高額すぎて納得できない場合は弁護士に相談する
事実関係の確認が最優先です。
支払いに不安がある状況なら、自己判断で対応せず、すぐに弁護士から法的なアドバイスを受けてください。
Q3. 加害者が損害賠償金を払えない場合はどうすればいい?
相手が無保険で支払い能力がない場合でも、自賠責保険や自身の保険を使って補償を受けられる可能性があります。
- 自賠責保険への被害者請求:相手が任意保険に未加入でも、最低限の補償を受けられる
- 自身の人身傷害保険・無保険車傷害保険:加入していれば自分の保険から補償を受けられる
- 訴訟による強制執行:判決をもとに、加害者の給与や預金を差し押さえる
相手に支払いを拒まれても、泣き寝入りする必要はありません。
いずれの手続きも複雑なため、どの方法が適しているか、弁護士と一緒に確認してみてください。
Q4. 示談成立後に追加で損害賠償請求できますか?
原則として、一度示談が成立した後は追加の損害賠償請求はできません。
示談書には通常清算条項が含まれており、これにサインすると「本件についてこれ以上は請求しない」という法的拘束力が発生します。
後から金額が少なかったと主張しても、原則として覆せません。
ただし、以下のようなケースでは、例外的に追加請求が認められることもあります。
- 示談時には予見できなかった重大な後遺障害が後から発覚した場合
- 示談の過程に詐欺や重大な勘違い(錯誤)があった場合
これらの例外が認められるハードルは高いものです。
後悔を避けるためにも、示談書にサインする前に弁護士のリーガルチェックを受けておくと安心です。
Q5. 弁護士費用特約がなくても弁護士に依頼できますか?
可能です。
着手金が無料の事務所や完全成功報酬制の事務所を選べば、初期費用なしで依頼できます。
- 完全成功報酬制:着手金ゼロで、解決時の獲得額から報酬を差し引く仕組み
- 着手金無料の事務所:手元に現金がなくてもすぐに手続きを始められる
- 初回無料相談:正式に依頼する前に、明確な費用体系を確認できる
弁護士費用特約が使えなくても、適正な賠償金を取り戻すことを諦める必要はありません。
ベンナビ交通事故では、特約なしでも依頼しやすい費用体系の事務所を多数掲載しています。
まとめ|適正な損害賠償請求のためにまずは弁護士にご相談ください
損害賠償請求は、交通事故で生じた損害を正当に補填してもらうための大切な権利です。
被害者は、積極損害(治療費など)・消極損害(休業損害など)・慰謝料の3分類で補償を受け取れます。
重要なポイントは以下のとおりです。
- 算定基準は3種類あり、弁護士基準が最も高額になる
- 保険会社の提示額を鵜呑みにすると、適正額を大幅に下回ることが多い
- 時効は3〜5年(人身事故は5年)で、20年の消滅時効にも注意
- 弁護士に依頼すれば、慰謝料の増額や後遺障害認定、交渉の一任が可能
- 弁護士費用特約や完全成功報酬制を使えば、自己負担を抑えられる
いくらもらえるのかを知りたい方は、まず慰謝料計算機で適正額の目安を確認しましょう。
提示額に違和感を覚えたら、ベンナビ交通事故で弁護士を検索し、無料相談を活用してください。
弁護士に相談するかお悩みの方へ
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特約を利用して弁護士に相談する交通事故問題を依頼する弁護士の選び方にはポイントがあります。
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弁護士の選び方について詳しくみる
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