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遷延性意識障害とは | 治療法と慰謝料を請求する手順

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
遷延性意識障害とは | 治療法と慰謝料を請求する手順
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遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)とは、植物人間状態に陥ってしまう障害のことで、被害者の方だけでなく、家族の方まで介護に巻き込んでしまう大きな障害と言われています。

言葉自体、聞き慣れない症状かもしれませんが、植物状態という症状を知らない方は少ないでしょう。今回はそんな遷延性意識障害についてご説明していきます。

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遷延性意識障害の定義と回復の可能性

まずは遷延性意識障害の症状などを確認していきます。

遷延性意識障害の症状と定義

遷延性意識障害には、日本脳神経外科学会によって定められた以下の6項目を満たした状態で3ヶ月を経過した人が認定されます。
 

  • 1.自力移動が不可能である

  • 2.自力で摂食が不可能である

  • 3.失禁状態にある

  • 4.眼球は動いても、ものを、認識できない

  • 5.声を出しても、意味ある発言はできない

  • 6.簡単な命令には応ずることもあるが、それ以上の意思疎通はできない

参考:遷延性意識障害 日本救急医学会・医学用語解説集

遷延性意識障害となる原因

遷延性意識障害に陥る原因の約半数が交通事故だと言われています。そして、交通事故が原因の場合、事故の際の頭へのダメージがその大多数を占めます。具体的には脳挫傷やびまん性軸索損傷といった脳そのものへダメージが伝わることで、脳が変形してしまうケースが多いです。
 

回復の可能性

遷延性意識障害について、完治はなかなか難しいものの、回復の事例もあります。

回復した場合でも周囲のことを認識できるようになり、イエス・ノーの意思表示がなんらかの形でできるようになる「最小意識状態」であったり、記憶障害や注意障害などはあるものの動くこともできるようになる「高次脳機能障害」の状態まで回復するケースもあります。

遷延性意識障害の治療法

基本は現状維持|音楽運動療法など

遷延性意識障害の治療法は基本的には現状維持を図ることにあります。その一方で脊髄電気刺激療法や脳深層部刺激療法、音楽運動療法などによって、先ほどお話したような症状まで回復したという例もあります。
 

献身的な介護が必要

今の医療制度の中では入院期間が3ヶ月を経過すると病院の保険点数が少なくなってしまいます。そのため、3ヶ月を目処に退院又は転院を病院から促されます。そうなると家族は病院を転院するか、介護施設に入所させるか、在宅介護とするかの決断を迫られることになります。

転院を決断した場合でしたら、まずは転院を受け入れてくれる病院や施設があるかどうかの確認を行うことになります。遷延性意識障害の方の転院はリハビリ主体の長期療養型の病院となるため、あまり数が多くなく断られることもしばしばです。

家族の協力も重要

在宅介護を行う場合でしたら、訪問診療や訪問介護、ヘルパーなどを利用しながら毎日の介護を行うこととなります。またヘルパーには医療行為が認められていないため、爪切りや痰の吸引などを始め、ヘルパーを利用するにしても患者の方のケアを家族の方が行わなければならないケースも多くなってきます。

 

遷延性意識障害で獲得できる慰謝料の相場

次に慰謝料などを確認していきましょう。
 

後遺障害慰謝料の額(第1級に認定される)

遷延性意識障害は死には至らずとも被害者の方の人生の多くを奪うものであり、その症状としての重さからも基本的には後遺障害等級認定の第1級に認定されます。

遷延性意識障害が認められた場合、自賠責保険からは4000万円を上限とする慰謝料が支払われることになります。

傷害慰謝料の額

遷延性意識障害を負った被害者は後遺障害慰謝料を請求することができます。

この慰謝料については任意保険に加入しているかどうかと、弁護士を利用するかどうかによって大きく3つの基準に分かれて計算されることになります。
 

自賠責保険の基準

任意保険に加入していない場合に利用されることになるのが自賠責保険の基準となります。自賠責保険の基準とは、自賠責法に基づく省令によって定められた算定基準です。

自賠責保険は、交通事故被害者が最低限の補償を受けられるようにするための保険です。そのため重大な過失以外では過失相殺されなかったり、被害者から直接請求できたりする等、被害者に有利な点もあります。

しかし、自賠責保険は元々最低限の補償を行うためのものであるため、限度額が低く設定されています。
 
 

任意保険の基準

任意保険の基準とは、加害者が加入している任意保険会社独自の算定基準です。保険会社はそれぞれ過去の経験則を元に症状ごとに支払う保険金の基準を持っています。

任意保険は自賠責保険に上乗せして補償を行うことになるため、任意保険の基準では自賠責保険の基準よりも高い賠償額となる傾向にはあります。ですが、任意保険会社も営利企業であるため裁判所基準より高くなることはまずありません。
 
 

裁判所の基準(弁護士基準)

裁判所の基準、弁護士基準とはその名の通り、弁護士に依頼を行うことで裁判、もしくは示談を行う際に支払われる慰謝料の基準です。

これは「赤い本」と呼ばれる法律をまとめた本の基準によって慰謝料額等は計算されています。基本的にはこの裁判所・弁護士基準が3つの基準の中では一番高い賠償額となります。
 
以上の3つが交通事故の慰謝料額等の算定には3つの基準となります。とはいえ、個人が保険会社と交渉しても保険会社が裁判所の基準で支払うことはまずありません。

裁判所基準の慰謝料を勝ち取りたい場合であれば、弁護士に相談することば一番です。弁護士ならば裁判に持っていくことも可能ですし、保険会社には裁判で争うメリットがあまりないことから、裁判所の基準で解決することが多くなります。

 

遷延性意識障害で後遺傷害を受けるには

病院で医師の検査を受ける

遷延性意識障害の認定を受けるためには病院で意志による検査を受ける必要があります。その際には脳の画像所見や医師、家族から見た支障の具合を書面にすることで、遷延性意識障害であるかどうかの認定を受けることができるのです。
 

後見人を用意する

遷延性意識障害の申請を行う中では被害者の方に後見人が必要となります。被害者の方が成人だった場合は成年後見制度によって成年後見人を選定する必要があります。成年後見人は家庭裁判所への申請によって裁判所から選任されることになります。

後見人の選任は遷延性意識障害の認定申請の後にも、被害者の方が行うあらゆる契約で必要になってきます。後見人には被害者のご家族・ご親族の方がなることもできますが、交通事故の場合、賠償金額が多額になるため、示談などを通して信頼できる弁護士と知り合いになっていた場合、後見人になってもらうことも考えてみるとよいでしょう。
 

必要に応じて弁護士に依頼する

後見人になってもらう可能性もありますが、遷延性意識障害の認定受けた後に、加害者の方との後遺傷害についての示談を行うこととなります。

一般的な生活を行ってきた方でしたら、このようなケースに立ち会うことはまずないため、どのようなことをすればよいかわからずに相手の保険会社などから不利な状況に持ち込まれてしまうことも想定されます。

そのため、必要だと感じた際には弁護士に依頼できるよう、弁護士サイトなどを通じて準備をしておくとよいでしょう。
 
 

保険会社に損害賠償請求を行う際のポイント

大変だが自宅介護を主張する

自宅での介護の場合、住宅を介護しやすいように作り変える住宅改修費や将来介護料なども請求することができるのです。

いずれの主張を行うかはケース・バイ・ケースですが、施設介護の場合、永続的に介護を受けられるかが不透明な場合があります。この場合、途中から自宅介護に切り替えることもあるでしょうが、その際に切替費用等を請求することは現実問題として困難です。そのため、施設介護の継続性に不安がある場合、まずは自宅介護を主張するようにしましょう。

一時金か定期金か

介護費用の補償の方法として一時金賠償の方法と定期的な分割支払いの方法のいずれかがあります。

いずれも一長一短であるため、どちらの賠償方法を求めるかはケース・バイ・ケースでしょう。
 

逸失利益を請求する

後遺症逸失利益とは、交通事故が原因で後遺障害が残ってしまった場合に、後遺症が残ったせいで将来得られるはずの収入が得られなくなった場合の減収部分をいいます。

この逸失利益は「基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」という式で割り出されるため、労働能力の損失率が基本的に100%である遷延性意識障害ではかなりの金額となります。忘れずに請求を行うようにしましょう。

 

まとめ

遷延性意識障害という恐ろしい後遺症にならないために交通事故に注意することが最も重要ではありますが、事故は注意していても起こってしまうものです。

遷延性意識障害の方と立ち会うことになった場合の動き方を知っておくことで、できることはかなり増えてきます。遷延性意識障害やそれにまつわる金銭トラブルには細心の注意を払うようにしましょう

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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