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公開日:2019.6.20

追突事故でむちうち(14級・12級)の後遺障害認定を受けるには

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

追突事故に遭った被害者が「むちうち」になることはよくあることです。たかがむちうちと思えても、重症であれば数ヶ月間の治療が必要な場合がありますし、場合によって治療を受けても後遺障害が残ってしまうこともあります。

 

今回は、追突事故でむちうちになったときに後遺障害認定を受けるための手続や、後遺障害が残ったときに請求できる賠償金、認定を受けられた事例などをご紹介します。

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追突事故でむちうちが生じやすい理由

追突事故では、どうしてむちうちになりやすいのでしょうか?

 

むちうちの正式名称は「頸椎捻挫」や「外傷性頸部症候群」です。これらは、首の骨である「頸椎」が外的な力によって損傷を受けることによる症状です。

 

追突事故(追突事故だけではないですが)では、衝突により運転者に突然強い力が加わり、普段激しく動くことがない首に急激な圧力が加わります。そのときに頸椎及びその周辺組織が損傷して、「むちうち」になってしまうのです。

 

むちうちになると、肩や背中のコリ、痛みやしびれ、上腕の痛みやしびれなどの症状が出ることが多いようです。また、このような症状だけでなく、頭痛や頭重感が発生したりめまい・耳鳴りなどの症状が出たりするケースもあるようです。

 

むちうちで認定の可能性がある後遺障害

むちうちにより後遺症が残った場合でも、後遺障害として認定されないケースがほとんどです。しかし、むちうちを原因とする疼痛症状やしびれの症状が、後遺障害の等級は「14級9号」または「12級13号」に認定されるということはあります。

 

14級9号

14級9号は「局部に神経症状が残ったとき」に認定される後遺障害等級です。

 

局部とは、身体の一部のことです。神経症状とは疼痛、しびれ、温感や熱感、違和感などの症状全般を指します。

 

むちうちによる疼痛やしびれが14級9号になる可能性があるのは、MRIなどの画像診断によって他覚所見(異常)を確認できないものの、一定の神経症状が一貫して発生していると認められるような場合です。

 

12級13号

12級13号は「局部に頑固な神経症状が残ったとき」に認定される後遺障害等級です。12級については、痛みなどの自覚症状に加えて、MRIやCT、レントゲンなどにより痛みの原因となる神経損傷・圧迫等が他覚的に確認できる場合に認められやすいとされています。

 

もっとも、画像で所見の確認ができればよいというものではなく、当該所見と事故との因果関係や、症状との因果関係も必要です。たとえば椎間板ヘルニアなどの異常所見があっても、事故前からあった可能性がある場合やヘルニアと神経症状が整合しないような場合は、後遺障害として認定されない可能性があります。

 

後遺障害の認定で請求できる損害賠償

ではむちうちにより生じた後遺症について後遺障害認定を受けた場合、補償額はどの程度となるのでしょうか?以下で賠償金の種類とそれぞれの相場を確認しましょう。

 

後遺障害慰謝料

交通事故で生じた後遺症が後遺障害と認められる場合、怪我の治療に対する慰謝料(傷害慰謝料)とは別に、「後遺障害慰謝料」を請求できます。後遺障害が残ると、被害者は今までのように身体を自由に動かせなくなったり仕事ができなくなったりして精神的に大きな苦痛を受けます。そこで後遺障害の程度に応じてこの精神的苦痛を慰謝するための慰謝料が支払われるのです。

 

後遺障害慰謝料の金額には、認定された等級に応じた相場があります。弁護士基準の場合、12級であれば290万円程度、14級の場合には110万円程度が相場です。

 

逸失利益

後遺症が後遺障害と認められる場合、逸失利益を請求できるのが通常です。

 

逸失利益とは

後遺障害が残るとその内容・程度に応じて労働能力が低下すると考えられています。逸失利益とは、このような労働能力の低下に伴い、健常であれば得られたはずの将来収入が得られなくなった(得られなくなる蓋然性がある)ことに対する損失です。このような損失も事故により生じたものであるとして、賠償を求めることができます。

 

逸失利益の計算は、後遺障害等級毎に定まる「労働能力喪失率」、労働能力喪失期間(就労可能年数)、交通事故前の収入(基礎年収)によって計算します。就労可能年齢の上限は67歳ですが、被害者が67歳を超えて就労していた可能性がある場合は、平均余命に基づいて算定することもあります。

 

逸失利益の計算式

逸失利益の計算式は、以下の通りです。

 

逸失利益=事故前の基礎収入(年収)×労働能力喪失率×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

 

12級の労働能力喪失率は14%、14級の労働能力喪失率は5%とされています。

 

以下で12級と14級それぞれの逸失利益計算例を示します。

 

12級の逸失利益計算例

事故当時30歳、年収400万円の被害者が追突事故でむちうちとなり、12級の後遺障害認定を受けた場合

 

逸失利益=400万円×14%×16.711(就労可能年数37年に対応するライプニッツ係数)=935万8160円

※ 但し、後遺障害12級の場合、労働能力喪失期間は10年程度として計算することも多いです。むちうちに伴う神経症状の場合はとくにそうです。

 

14級の逸失利益計算例

事故当時35歳、年収420万円の被害者が追突事故でむちうちとなり、14級の後遺障害認定を受けた場合

 

逸失利益=420万円×5%×15.803(就労可能年数32年に対応するライプニッツ係数)=331万8630円

※ 但し、後遺障害14級の場合、労働能力喪失期間は5年程度として計算することも多いです。むちうちに伴う神経症状の場合はとくにそうです。

 

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追突事故による損害賠償請求事例

以下では、追突事故によって後遺障害認定された事例を2つ、ご紹介します。

 

後遺障害14級が認定された事例

被害者が交差点で停止していたところ、赤信号であるにもかかわらず加害者が追突してきた事故です。

 

被害者は頸椎捻挫(むちうち)となりましたが、レントゲンや神経学的検査で異常が認められなかったために後遺障害非該当とされました。

 

しかし事故後も首の痛みやしびれが残り、日常生活や仕事上に支障が出ていたので被害者は納得できず、弁護士に異議申立を依頼しました。

 

弁護士がMRIの結果と鑑定書、被害者自身による日常生活報告書、事故状況報告書を提出するなどの丁寧な立証活動を行ったところ、後遺障害14級が認定されました。

 

後遺障害12級が認定された事例

交差点において被害者が赤信号で停車していたところ、加害車両が後方から追突してきて起こった交通事故です。

 

被害者は左TFCCを損傷し(転んで手をついたことなどによる手首の損傷)、半年以上治療を行いましたが完治せず、後遺障害等級12級13号の認定を受けました。

 

当初被害者が自分で示談交渉をしていたとき、保険会社からは250万円の示談金額が提示されましたが、被害者はこれが妥当かわからなかったので、弁護士に相談しました。

 

弁護士は賠償金が低すぎると判断し、増額の見込みがあることを伝えて被害者は弁護士に依頼しました。

 

弁護士が示談交渉を代行したところ、保険会社は慰謝料を弁護士基準まで引き上げるとともに逸失利益も認め、結果的に賠償金額が1200万円にまでアップしました。

 

追突事故で後遺障害認定を受けるためのポイント

追突事故でむちうちなどの症状が残ったとき、後遺障害認定を受けるには以下のようなことがポイントとなります。

 

通院は怠らず症状固定まで治療を続ける

まず、症状固定まで定期的に通院を続け、症状については明確に医師に伝えましょう。むちうちに伴う神経症状が後遺障害と認められるかどうかは、症状が一貫しているかどうかも重視されます。定期的な通院がなかったり、症状について明確な申告がなければ症状の連続性については確認できませんので、後遺症が認定で不利となる可能性があります。

 

事前認定でなく被害者請求で申請する

2つ目のポイントとして、事前認定ではなく被害者請求の方法で後遺障害認定の申請をすることです。

 

後遺障害申請には、相手の任意保険会社に手続を依頼する「事前認定」と、自分で手続きをする「被害者請求」の2種類の方法があります。

 

事前認定の場合、保険会社は必要最低限の書類しか用意してくれませんが、被害者請求の場合、後遺障害の存在を基礎づける資料を自身の判断で追加することができます。例えば、病院のカルテ等を追加して認定申請を行うことで、審査で有利となることもあり得ます。

 

弁護士へ後遺障害申請を依頼する

後遺障害認定を受けたいのであれば、申請手続きを弁護士に依頼することをお勧めします。

 

後遺障害の認定は自賠責保険に対して申請するものですが、申請についての知識・経験がない素人には煩雑で難しいこともあります。したがって、そのような場合は、弁護士に相談することも検討されてはいかがでしょう。

 

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まとめ

追突事故でむちうちとなり、痛みやしびれなどの後遺症が残った場合、後遺障害等級の認定を申請することも検討するべきです。まずは交通事故に積極的に取り組んでいる弁護士を探して、相談をしましょう。すでに後遺障害認定を受けている方の場合でも、保険会社から提示される賠償額が低額であるような場合もあります。相手の言い分を鵜呑みにせずに、弁護士に妥当な相場の金額を確認してから示談することをお勧めします。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
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編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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