事前認定の申請方法と事前認定をオススメしない理由

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事前認定の申請方法と事前認定をオススメしない理由

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後遺症とは、交通事故の受傷が治療後にも体に残った機能障害や、神経症状のことをいいますが、逸失利益や後遺障害慰謝料を請求するには、その残ってしまった障害や症状が後遺障害であると認定を受けなければなりません。

 

後遺障害の認定を受けるための申請方法は2通りあり、それぞれ「事前認定」「被害者請求」と言います。

 

事前認定、被害者請求どちらの方法で申請を行うか迷われている方もいるのではないでしょうか?

 

今回は事前認定の申請の方法と、その際のメリット・デメリット、またあまり事前認定をおすすめしない理由を記載したいと思います。

 

 【目次】
後遺障害認定の2つの申請方法
事前認定
被害者請求
事前認定の流れ
1:症状固定を医師と決定する
2:医師に後遺障害診断書の作成依頼
3:任意保険会社に後遺障害診断書を提出
4:認定結果を受け取る
5:結果に納得いかない場合は異議申立てを行う
事前認定のメリットとデメリット
事前認定のメリット
事前認定のデメリット
どのような場合事前認定を選べば良いか
まとめ

 

後遺障害認定の2つの申請方法

先述の通り、後遺障害の認定を受けるための方法は「事前認定」と「被害者請求」の2種類があります。どちらの方法でも、後遺障害認定は損害保険料率算出機構にて提出した書類のみで審査が行われます。後遺症と後遺障害の違いや後遺障害認定の要件や詳しい内容については「後遺障害の申請方法と適切な後遺障害認定を得る為の全知識」を参考にしてください。

 

では、それぞれどのような方法で行うのかの違いをみてみましょう。

 

事前認定

事前認定(じぜんにんてい)とは、後遺障害の認定に必要な作業を加害者の加入する任意保険会社が一括して行う方法です。被害者は担当の医師が書いた後遺障害診断書を加害者が加入する任意保険会社に提出します。その他の必要な書類は任意保険会社が集めてくれます。被害者請求に比べて手間が省けるというメリットがあります。

 

事前認定では損害賠償が任意保険会社から一括で支払われる

交通事故における損害賠償は、自動車やバイクの加入者であれば必ず加入しなければならない自賠責保険会社と、任意保険会社の両方から支払われます。基本的には自賠責保険から支払われることになりますが、自賠責保険には限度額があるため、それ以上の損害賠償額になれば、任意保険会社が支払うことになります。

 

交通事故の受傷のため治療をしている場合、加害者の任意保険会社が自賠責保険の費用も代わりに支払う「一括払い」という制度をとる任意保険会社もあります。この時後遺障害が認定されると、後遺障害における損害賠償も任意保険会社から一括して支払われます。

 

被害者に対して後遺障害分も含めた損賠賠償を支払った任意保険会社は、後遺障害の認定後に自賠責保険に保険金を請求することになります。

 

被害者請求

被害者請求(ひがいしゃせいきゅう)とは、被害者自らが認定に必要な書類等を集めて、自賠責保険会社に後遺障害等級認定を申請する方法です。被害者請求は必要な書類を自身で集める必要があるため、事前認定に比べて手間がかかってしまうのがデメリットです。

 

しかしその分、適正な後遺障害認定がなされるように自ら提出書類について検討を行い、申請内容を正確に把握することができます。そのため適切に後遺障害認定を受けることができます。

 

事前認定の流れ

 

ではここで、後遺障害認定を受けるための事前認定による申請の流れを確認してみましょう

1:症状固定を医師と決定する

症状固定(しょうじょうこてい)とは、事故の受傷が治療を行ったにもかかわらず、完治せずに機能障害や神経症状が残ることを言います。

 

後遺障害と認定されるためには以下のような条件があります。

・残った後遺症の原因が交通事故であること

・今後の将来において回復の見込められないこと

・症状の存在が医学的に認められること

・労働能力の低下(もしくは失う)を伴うもの

 

後遺障害の認定を受けるためには、まず症状固定であると担当の医者と話し合って決定をしてください。後遺障害は今後の将来において症状が回復しないという条件があります。症状固定前であればまだ回復飲み込みがあるということで、後遺症判断には時期尚早です。

 

2:医師に後遺障害診断書の作成依頼

次に後遺障害診断書の作成を医師に依頼してください。事前認定だけでなく、被害者請求においても後遺障害診断書は作成必須の書類です。先述した通り、後遺障害の認定は原則書面のみで行われますので、後遺障害診断書の作成は非常に重要になります。

 

後遺障害診断書に記載する内容は、身体に残ってしまった機能障害や症状の内容、被害者の自覚症状、通院初期からの症状の変遷、今後のケガの回復の見通しなど多岐にわたります。

 

また後遺障害診断書にはフォーマットはありますが、医師により記載内容はばらばらです。そのため医師と綿密にコミュニケーションを取りながら記載してもらうか、もしも作成に不安があるのであれば、弁護士に後遺障害診断書作成のサポートを依頼することもおすすめします。

 

後遺障害診断書については「後遺障害診断書の書き方と等級獲得を容易にする8つの手順」をご覧ください。

 

3:任意保険会社に後遺障害診断書を提出

任意保険会社に後遺障害診断書を提出してください。提出の方法は損害賠償の交渉を行っている保険担当者宛に送付するのが通常です。

 

任意保険会社は、MRIやレントゲン画像などその他の資料を集めて自賠責保険会社に申請を行います。その後、書類は損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所に渡り審査が行われます。

 

4:認定結果を受け取る

損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所より等級認定申請の審査結果が任意保険会社へ通知され最終的に保険会社から被害者に認定の結果が通知されます。

 

申請を行ってから認定結果が届くまでの期間は、通常は約1ヵ月から2ヵ月程度ですが事案によっては半年以上かかる場合もあります。

 

5:結果に納得いかない場合は異議申立てを行う

後遺障害として認定されなかった、もしくは認定されたけれど納得のいく等級に認定されなかった場合は異議申し立てを行うことができます。

 

後遺障害の異議申し立ての方法は2種類あります。「自賠責保険に対して行う」か「自賠責紛争処理機構へ行うか」です。

 

自賠責保険会社に対しての異議を申し立ては何度でも行うことが出来ますが、新しい医学的証拠がなければ認定結果が覆ることはありません。

 

自賠責紛争処理機構は、専門的な知識をもつ中立な立場の弁護士や医者等からなる紛争処理委員会が審査をします。費用は原則としてかかりません。自賠責分賞処理機構への異議申し立ては原則1回しか行うことが出来ません。

 

もし異議申し立てを行ったとしても納得いかない場合は裁判所にて訴訟を起こします。後遺障害認定の異議申し立てに関しては「後遺障害の異議申し立ての方法と成功させる為の5つのコツ」を参考にしてください

 

事前認定のメリットとデメリット

ここでは事前認定のメリットとデメリットを確認しましょう。ただしデメリットの方が大きいことを理解しておいてください。後遺障害の認定は後遺障害慰謝料や逸失利益の獲得や、賠償額を決定する重要なものになりますので、被害者請求で申請を行うことを強くおすすめします。

 

被害者請求での後遺障害申請は「交通事故の損害賠償を被害者請求で行うべき理由」を確認してください。

事前認定のメリット

後遺障害申請の手間が省ける

後遺障害の認定のためには、医師の作成する後遺障害診断書以外にも交通事故証明書、事故発生状況報告書、MRIやレントゲンなどの画像等、提出しなければならない資料がたくさんあります。事前認定ではこの必要書類の収集を加害者の保険会社が行ってくれるため手間が省けます。

 

さらに、その書類(MRIやレントゲンなどの画像)を集める際の費用も負担してくれるため、金銭的なメリットもあります。

 

後遺障害における損害賠償が一括で支払われる

事前認定の場合、後遺障害と認められた際に支払われる損害賠償は任意保険会社から一括で受取ることができます。

 

本来であれば、損害賠償額の内、自賠責保険の限度額までは自賠責保険から、それ以上は任意保険会社から支払われるため、双方に対して申請手続きをする必要がありますが、事前請求であれば自賠責保険分の支払いを任意保険会社が立て替えてくれますので、簡易的に損害賠償の請求を行うことが出来ます。

 

事前認定のデメリット

後遺障害が適切に認定されない可能性がある

被害者の後遺症の有無や程度について、加害者の任意保険会社が立証しなければならない責任はありません。また後遺障害が認定された場合、任意保険会社の支払わなければならない損害賠償額が増大するため、任意保険会社は後遺障害認定について積極的でないのが通常です。

 

そのため事前任手の場合、後遺障害に認定されるために必要な資料が少ないなどのことから後遺障害として認定されなかったり、認定されても実際の症状よりも低い等級に認定されてしまう可能性があります。

 

後遺障害申請の手続き内容が不透明である

申請の手続きを加害者の任意保険会社が行うため、手間はかかりませんが、その分どのような資料を集めているのか把握することが出来ず、申請手続きや申請の進捗の状態が不透明になってしまいます。

 

また、後遺障害の異議申し立ての際には新たな医学的証拠を提出する必要がありますが、この時事前認定を行っていた場合、任意保険会社が申請時にどの資料を提出したか明確にならないため、どのような資料が新たな医学的証拠になるか把握できない可能性があります。

 

場合によっては後遺障害認定まで時間がかかってしまう可能性がある

事前認定では、任意保険会社が必要書類を収集して自賠責保険会社に提出します。この時任意保険会社の担当者が後遺障害診断書以外の書類を集めます。

 

任意保険の担当者によっては事務処理能力が異なりますし、担当者の業務的な都合で損害保険料率算出機構への申請に時間がかかる場合があるため、最終的に認定結果の通知を得るまで時間がかかってしまいます。

 

示談まで保険金が支払われない。

加害者請求を行った場合、後遺障害と認定されれば、加害者との示談成立前でもある程度のまとまったお金を損害賠償として自賠責保険から受け取ることができます。

 

症状固定後もリハビリなどで通院の必要がある場合や、その他事故の影響で出費が必要な場合はその受け取った賠償金を使用することができます。

 

事前認定の場合は、先述の通り自賠責保険と任意保険の賠償金が一括で支払われますが、示談後にならないと受け取ることが出来ません。

 

どのような場合事前認定を選べば良いか

事前認定は手間がかからない分、メリットを感じられるかと思いますが、適切な後遺障害認定が受けられない可能性があるのでおすすめはできません。

 

ただし病院の診断結果、特にMRIやレントゲン写真、神学的検査などから、後遺障害の存在が明らかで、過去に被害者に既往症もない場合は事前認定を使用しても被害者に不利な認定結果になる可能性は低くなります。

 

まとめ

事前認定の方法や、メリット・デメリットについてご理解いただけたでしょうか。

 

事前認定は手間がかからないメリットが大きいですが、適切に後遺障害の認定を受けることが出来ない可能性があるという、大きなデメリットがあります。是非、手間だと思わずに、被害者請求での申請をお勧めします。

 

また後遺障害診断書の記載方法について詳しくない医者もいます。適切に後遺障害の認定を受けるために、後遺障害診断書の作成サポートを弁護士に依頼することも強くおすすめします。

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編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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