交通事故や自転車事故など、事故はいつ起きてしまうか分からないものです。弁護士費用を用意できず泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。
ベンナビ弁護士保険は、弁護士依頼で発生する着手金を補償する保険です。
交通事故だけでなく、自転車事故、労働問題、離婚、相続トラブルなど幅広い法的トラブルで利用することができます。
弁護士保険で法律トラブルに備える
後遺障害診断書を保険会社に提出して等級が認定されるまでの期間は早くて1ヶ月、遅い場合は2~3ヶ月程度かかります。なお、自賠責損害調査事務所のデータによると、90%以上の申請が2ヶ月以内に認定されています。
認定までにかかる期間 |
申請件数に占める割合 |
30日以内 |
78.4% |
31日~60日 |
11.6% |
61日~90日 |
5.5% |
91日超 |
4.5% |
【参考】自動車保険の概要-2018年度
見て分かるとおり、後遺障害の等級認定にかかる期間が3ヶ月を超えるケースは滅多にありません。3ヶ月を過ぎても通知が返ってこないようなら、手続きの進行状況を問い合わせた方がよいでしょう。
この記事では後遺障害申請から認定までの流れと審査期間が長引いているときの対処法をご紹介します。もし認定通知がくるまでの期間に不安を感じているのであればぜひ参考にしてみてください。
上図が後遺障害診断書を保険会社に提出して後遺障害が認定されるまでの大まかな流れです。保険会社は被害者から後遺障害診断書を受け取ったら他の必要書類やレントゲンなど画像の準備を済ませ、自賠責保険会社に後遺障害の認定審査を申請します。
その後、自賠責保険会社から認定結果が保険会社に通知されて被害者にもその結果が伝えられます。
後遺障害認定の期間が長引く原因は間に入っている保険会社の対応に遅れがあることが考えられます。以下では後遺障害認定が遅れる主な要因を2つご紹介します。
保険会社の担当者が数十件から百件を超える事故案件を同時に対応している状況は珍しくありません。そのため、保険会社の担当者が忙しかったりご自身の事故の優先度が低く扱われたりしている状況だと、自賠責保険会社への申請まで多くの時間がかかってしまいます。
自賠責保険会社が受け付けてから認定を出すまでの期間は、よほど複雑な障害の申請でない限り誤差が生じることは少ないので、認定が遅れている場合は保険会社で手続きが止まっていることが要因と考えられます。
後遺障害の等級審査機関は提出された後遺障害診断書だけでは判断が難しい状況だと、医師に問い合わせをして詳細の確認を行おうとしますが、医師がなかなか対応してくれず手続きが進められないケースも多いといわれています。
保険会社の担当者と同様に医師も多くの患者を診ているので、多忙な時期だと対応が追い付かない状況も十分にありえるでしょう。この状況は被害者の立場ではどうしようもないので、医師が対応してくれるのを気長に待つしかありません…。
後遺障害認定が遅れている時の対処法を2つご紹介します。確実とはいえませんが、何もせずに過ごすよりは手続きがスムーズに進めやすくなるかもしれません。
後遺障害診断書から1ヶ月過ぎても何も連絡がない場合には、まず保険会社へ手続きの進行状況を確認してみることをおすすめします。
もし保険会社がまだ自賠責保険会社への申請を済ませていないようなら、定期的に手続きの進行状況を小まめに確認するとよいでしょう。保険会社の担当者に自分の案件が優先度の高いものと認識してもらえれば、手続きを早く進めてもらえることもあります。
保険会社に後遺障害認定の手続きを依頼している最中でも被害者自身が手続きを進める被害者請求へ途中で切り替えることが可能です。(被害者請求の詳細は以下の『被害者請求で申請した場合の期間』で解説あり)
保険会社の対応が遅れて手続きが進まない状況ならば、ご自身で手続きを進めた方が結果的に後遺障害の認定が早まるかもしれません。
ただし、被害者請求は被害者本人だけでも行える手続きですが、手続きに不備があると、何度も書類の訂正や追加資料の提出を求められたり、真正のやり直しが必要になったりして認定期間が長引いてしまうこともありますし、結果的に適正な等級認定を受けらないおそれもあります。ご自身で手続きを進めるのが不安な場合、弁護士への依頼を検討した方がよいでしょう。
被害者請求とは、被害者本人が必要書類を用意して自賠責保険会社に提出する申請方法です。以下では被害者請求をした場合の認定期間について解説をします。
被害者請求では自賠責保険に提出した後の期間は変わりません。しかし、保険会社を介さずに必要書類の用意をご自身で行うことになるため、手際よく準備を進められれば認定までの期間を短縮できる可能性があります。
被害者請求の方法や必要になる書類については『後遺障害を被害者請求でするべき状況と必要書類まとめ』の記事で解説しているので、詳細が知りたい場合はそちらも参考にしてください。
被害者請求は弁護士へ依頼をすれば手続きを一任できますし、経験豊富な弁護士であれば速やかに準備を進めてくれるので申請までの処理速度の向上が期待できます。
また、弁護士に被害者請求を依頼すれば適正な後遺障害等級が認定されやすくなります。特にむちうちや高次脳機能障害といった外傷がなく後遺障害の判断が難しい事案について後遺障害申請をする場合、弁護士に依頼することで、認定期間の短縮や慰謝料の増額などが期待できます。
後遺障害認定は何度でも再申請が認められていますが、時効による期間制限があるので注意が必要です。具体的には、後遺障害に関わる後遺障害認定や損害賠償請求は症状固定(治療をしても回復が見込めない状態)から3年の時効があります。異議申立てやその後の示談交渉をする時間も考えると遅くとも症状固定後2年までには後遺障害申請を済ませておいた方がよいでしょう。
とはいえ、後遺障害申請の90%は2ヶ月以内に認定結果が出ますので、申請手続きを怠らなければ損害賠償請求の時効を迎えることはほぼありません。
しかし、一度目の後遺障害申請で「後遺障害に該当しない(非該当)」との結果が出てしまったり、希望通りの等級が認定されなかったた場合には、被害者請求のやり直し、または『異議申し立て』による再審査などの手続きが必要になり、手続きが年単位で長引くケースもあります。その場合はご自身だけで対応せず可能な限り早めに弁護士に相談することをおすすめします。
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