後遺障害認定にかかる期間の目安は?早める方法と長引く原因を解説
交通事故によって「後遺障害の申請をしたのに、いつまで待てばいいのかわからない」「このまま非該当になったらどうしよう」という不安を抱えている方は少なくありません。
後遺障害の等級認定は、申請から結果が出るまで平均1〜3ヵ月ほどかかりますが、むちうちや高次脳機能障害など症状の内容、事前認定・被害者請求のどちらを選ぶかによっても期間は変わってきます。
この記事では、認定期間の目安や内訳、審査が長引く原因と対処法、弁護士に相談すべきタイミングまで詳しく解説します。
無料相談できる弁護士一覧
この記事の監修者
代表弁護士 野条 健人 (大阪弁護士会)
後遺障害の認定期間は平均1〜3ヵ月
後遺障害の等級認定は、申請から結果通知までおおむね1〜3ヵ月が目安です。
損害調査事務所内での調査自体は60日以内に終了するケースがほとんどです。
しかし、保険会社側の支払手続きを経て被害者本人に結果が届くまでには、2〜3ヵ月かかる場合も珍しくありません。
部位や症状の重さ、申請方法によっても日数は変わる点に注意が必要です。
審査期間は30日以内が約7割を占める
損害保険料率算出機構に書類が到達したあとの、純粋な審査期間は決して長くありません。
損害保険料率算出機構が発行している、2025年度版の自動車保険の概況によると、全体の71.2%が30日以内に完了しています。
31〜60日を合わせると86.8%が60日以内に終わっている計算です。
90日を超える長期審査となるケースは、全体のわずか6.0%程度で、多くの申請は想定より早く結果が出ていることがわかります。
ただし、審査が早く進むのは、提出書類や画像に不備がなく、事実関係が明瞭なケースに限られます。
書類に漏れがあると、その分だけ審査期間は延びてしまうため、提出前の確認が欠かせません。
むちうち(14級)の認定期間は1〜2ヵ月程度かかる
むちうち症(14級9号)の審査を受けるには、前提としておおむね6ヵ月以上の継続した治療期間が必要です。
審査自体は症例数が多いため比較的スピーディーに進み、認定期間そのものは1〜2ヵ月程度で終わるケースが多くなっています。
一方で、治療期間が短いと、後遺障害として認められないケースも少なくありません。
審査で重視されるのが症状の常時性です。
常に痛みがある状態を証明できているかどうかを証明できなければいけません。
週2〜3回のペースで、6ヵ月以上通院を続けるのが望ましいとされています。
治療開始から症状固定までの6ヵ月と、申請後の1〜2ヵ月を合わせた期間を、全体のスケジュールとして想定しておきましょう。
高次脳機能障害など複雑な症状は半年以上かかる場合もある
高次脳機能障害のように、脳の損傷による症状が複雑で重篤なケースは、専門部会による慎重な判断が求められます。
審査に6ヵ月〜1年、場合によってはそれ以上の期間を要する可能性もあります。
高次脳機能障害は、日常生活や仕事への影響が多岐にわたるのが特徴です。
医療機関への追加照会や過去のカルテ請求、複数の専門医による合議なども必要になります。
ひとつずつ手続きが積み重なることで、審査期間は自然と長くなりやすいです。
ただし、時間がかかるのは決して悪いことではなく、それだけ慎重な判断がおこなわれている証でもあるため、焦らず準備を進めましょう。
後遺障害等級に関する基礎知識
後遺障害の認定手続きをスムーズに進めるには、等級制度の基本的な仕組みを理解しておくことが大切です。
後遺障害とは、これ以上治療を続けても回復が見込めない状態(症状固定)に達したあとに残る、肉体的・精神的な症状のうち、医学的に証明できるものを指します。
事故後に痛みが残っているという主観的な訴えだけでは不十分で、公的な等級審査をクリアしなければ認められません。
審査は原則として書面のみでおこなわれる点も、押さえておきたいポイントです。
主治医が作成する後遺障害診断書や、客観的なレントゲン・MRI画像が審査結果を大きく左右します。
後遺障害の申請から認定結果が出るまでの流れ5ステップ
後遺障害の認定は、症状固定から認定結果が届くまで、大きく5つのステップで進んでいきます。
どの段階で何をすべきかを事前に把握しておくことで、無駄な手戻りを防ぎ、スムーズに手続きを進められます。
ここからは、症状固定の診断から異議申立までの流れを、順を追って解説します。
STEP1. 医師から症状固定の診断を受ける
治療を続けてもこれ以上の症状改善が見込めなくなった段階を症状固定と呼びます。
症状固定の診断は、医師が医学的見地からおこなうものです。
保険会社が決めることではありません。
症状固定までの期間の目安として、むちうちの場合は事故から約6ヵ月、骨折などの場合は約6〜12ヵ月とされています。
治療の途中で、保険会社から治療費打ち切りの連絡を受けることもあるでしょう。
ただ、安易に症状固定へ同意してしまうと、十分な補償を受けられなくなる恐れがあるため、慎重に判断することが大切です。
STEP2. 主治医に後遺障害診断書を作成してもらう
症状固定に至ったら、治療を担当した主治医に作成を依頼するのが後遺障害診断書です。
後遺障害診断書は、審査機関がほぼ書面のみで等級を判断する際の、最も重要な証拠書類となります。
自覚症状が全て漏れなく記載されているか、検査による客観的な数値や所見が明記されているかをしっかり確認しましょう。
記載内容に不足があった場合は、医師へ丁寧に修正や追加を依頼する必要があります。
医師に対して何をどう伝えればよいか迷う場合は、弁護士のサポートを受けることで、抜け漏れのない診断書に仕上げやすくなります。
STEP3. 必要書類を揃えて自賠責保険に被害者請求をおこなう
診断書を取得したら、交通事故の証明書や画像データなどの必要書類を整え、自賠責保険会社への請求手続きに進みます。
被害者請求では、被害者自身がレントゲンやMRI、診療報酬明細書などの立証資料を、能動的に収集するのが特徴です。
書類集めには手間がかかりますが、一方でどのような書類が提出されるかを事前に全て確認できるため、安心して申請を進められる方法でもあります。
必要書類は、不備がないよう整理してまとめしましょう。
準備が整ったら、一括して自賠責保険の請求窓口へ郵送します。
STEP4. 損害調査事務所による審査がおこなわれる
提出された全ての書類は、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所に集約されます。
調査事務所では、提出された画像データや後遺障害診断書の記載内容をもとに、該当する等級を厳密に判定する仕組みです。
書類だけで判断がつかない場合には、調査事務所から主治医へ追加の医療照会(質問状の送付)がおこなわれることもあります。
この審査プロセスは、加害者側の任意保険会社1社の意見に左右されることないため、公正中立な立場で進められるでしょう。
STEP5. 認定結果に納得いかない場合は異議申立をする
届いた等級認定結果(または非該当)の内容に納得がいかない場合、被害者は異議申立という形で再審査を求めることができます。
異議申立の回数に制限はありません。
ただし、成功させるには、前回の審査で望む結果が出なかった理由を分析する作業が欠かせません。
ただ不服を訴えるだけでは、結果は変わらない点に留意しましょう。
異議申立の際は、不足していた追加のMRI検査結果や、医師が新たに作成した意見書など、具体的な証拠を提出する必要があります。
異議申立は、被害者請求よりも立証の難易度が高いのが実情で、成功率を上げたい場合は専門の弁護士へ依頼するのが一般的な選択肢となっています。
後遺障害の認定期間が長引く原因5つ
後遺障害の審査に想定より時間がかかっている場合、その背景にはいくつかの典型的な原因が潜んでいます。
原因を知っておくことで、自分の申請がどこで止まっているのか見当をつけやすくなります。
ここでは、認定期間が長引く代表的な5つの原因を紹介します。
1. 任意保険会社の書類発送や手続きが滞っている
事前認定では、後遺障害の申請手続きを相手方の任意保険会社が代行するため、社内処理が遅れ、書類が自賠責へなかなか届かないケースが起こり得ます。
任意保険会社にとって、後遺障害申請は手間のかかる事務作業であり、案件によっては優先順位が下がってしまうこともあるでしょう。
被害者側から進捗を尋ねない限り、書類一式が担当者の手元でしばらく止まったままになる、という事態も起こり得ます。
事前認定は、進捗状況が被害者側から見えにくいのが大きな弱点で、手続きの透明性という点では構造的なボトルネックを抱えています。
2. 提出した医療記録や検査画像に不備がある
提出した診療報酬明細書やレントゲン、MRI画像などに漏れや不鮮明さがあると、その部分について十分な調査ができず、審査が滞る原因になります。
損害保険料率算出機構では、不備のある箇所については再提出や追加提出が求められるのが基本です。
MRI画像の一部が欠けていたり、検査数値の記載がなかったりなどの不備があると、再提出の指示が入ります。
再送手続の往復が発生するたびに、数週間から1ヵ月程度の遅れにつながることも珍しくありません。
提出前は入念に確認しておくことが、期間短縮の第一歩です。
3. 主治医への医療照会に対する回答に時間がかかっている
審査機関から主治医へ送付される医療照会(質問状)は、回答が遅れがちなプロセスのひとつです。
医師は日常診療を優先するため、任意保険や自賠責からの書面回答は、後回しになりやすい傾向があります。
とくに大規模な総合病院などでは、文書受付から本人の元に届き、回答が発送されるまでに数週間〜1ヵ月程度かかるケースも少なくありません。
回答を受け取るまでに時間がかかる場合は、主治医や病院の窓口に相談してみるのもひとつの方法です。
しかし、担当の保険会社や調査事務所に進捗を確認したり、弁護士を通じて医療機関とのやり取りを任せたりする方が、現実的な対処法として有効なケースもあります。
4. 複数の傷病があり損害保険料率算出機構での審査が複雑化している
首のむちうちや、膝の半月板損傷、足首の骨折など、複数の部位のけがをまとめて申請すると、審査の工程が増える分だけ日数もかかりやすくなります。
それぞれの部位ごとに個別の等級判定基準へ照らし合わせる、複層的な審査が必要になるためです。
場合によっては、部位ごとに専門的な判断が求められ、より慎重な確認作業がおこなわれることもあります。
各部位の判定が出たあとには、併合という等級をまとめる計算ルールも適用されます。
工程が増える分、全体の所要日数も伸びていく傾向が高いです。
5. 事故状況や過去の既往症との因果関係に疑問が生じている
事故の衝撃度(軽微な追突など)や、被害者自身の過去の持病・通院歴が絡んでいる場合、審査ではより慎重な確認がおこなわれます。
今回の事故以外の原因で生じた症状ではないかという点が疑われると、事故態様の調査や過去のカルテが参照され、判断に時間がかかりやすいです。
因果関係の争いが異議申立や裁判にまで発展した場合には、車両の破損状況や衝撃力をシミュレーションする工学的な鑑定がおこなわれるケースもあります。
因果関係を否定されないためには、医学的な反証資料を追加で用意する必要があり、準備に手間がかかるため、弁護士への相談は心強い選択肢のひとつです。
後遺障害の認定が遅れることで生じる不都合2つ
後遺障害の審査が長引くと、単に結果を待つ時間が増えるだけでは済まない場合があります。
権利や生活に直接関わる不都合が生じるケースもあるため、あらかじめどのような不都合が生じ得るのか知っておくことが大切です。
ここでは、認定の遅れによって起こりうる2つの不都合を紹介します。
1. 損害賠償請求権の消滅時効である5年を過ぎるおそれがある
交通事故で後遺障害が残った場合、加害者に対する損害賠償請求権(慰謝料・逸失利益など)は、症状固定の翌日から5年で消滅時効を迎えます。
時効が成立してしまうと、加害者側に対して後遺障害慰謝料や逸失利益を請求する法的権利が失われます。
審査が遅れ、異議申立を繰り返しているうちに、5年が経過しそうになる事案も少なくありません。
なお、自賠責保険会社に対する直接請求権(被害者請求)の時効は3年と別に定められており、こちらは時効中断申請書の提出によって時効を止められます。
2. 示談交渉が開始できず示談金の受け取りが遅くなる
後遺障害慰謝料や逸失利益は、認定された等級を前提に金額を計算する仕組みになっています。
等級が正式に決定するまでは損害総額が確定せず、加害者側との示談交渉も本格的に始められません。
結果として、休業損害の打ち切りなど経済的な損失が発生している最中に、まとまった賠償金の着金だけが遅れる事態が起こりえます。
なお、等級認定さえ済めば、被害者請求という方法で自賠責保険の限度額分については示談成立を待たずに受け取ることも可能ですが、それを超える部分の資金化には示談成立を待つ必要があり、生活再建を急ぎたい方ほど、認定の遅れは深刻な問題になります。
後遺障害等級の認定が重要な理由2つ
後遺障害の認定は、受け取れる賠償金の金額そのものを大きく左右する、重要な分岐点です。
ここでは、等級認定が重要な理由を2つの補償項目から解説します。
認定されると後遺障害慰謝料が獲得できる
後遺障害等級が認定されると、障害が残ったことによる精神的苦痛に対する補償として後遺障害慰謝料を請求できるようになります。
後遺障害慰謝料は、認定された等級をもとに金額が決まります。
金額の算定基準には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3種類があり、どの基準で交渉するかによって金額に大きな差が出ます。
例えば14級の場合、自賠責基準では32万円ですが、弁護士基準が適用されれば110万円まで増額するのが一般的な相場です。
非該当(等級なし)の場合、後遺障害慰謝料は1円も支払われません。
認定の有無が、受け取れる金額を決定づける分かれ目になります。
将来の収入減を補償する逸失利益が請求できる
等級認定を受けると、後遺障害のために将来得られるはずだった労働収入の減少分を補償する逸失利益も請求できるようになります。
逸失利益は、下記の計算式で算出されるのが特徴です。
| 事故前の年収 × 等級に応じた労働能力喪失率 × 喪失期間に応じた係数(ライプニッツ係数)= 後遺障害逸失利益 |
例えば年収400万円の方が14級(喪失率5%、喪失期間5年)に認定された場合、およそ90万円前後の逸失利益が目安となります。
若年者や高収入者ほど、逸失利益の金額は高額になりやすいです。
生涯設計を維持するうえで、欠かせない補償と言えます。
後遺障害の認定を最短にするための対策3つ
後遺障害の認定期間は、申請方法や準備の仕方によって、ある程度コントロールできる部分があります。
「少しでも早く結果を受け取りたい」という方に向けて、期間短縮のために押さえておきたいポイントをまとめました。
ここでは、認定を最短にするための具体的な対策を3つ紹介します。
事前認定ではなく被害者請求で自ら申請する
任意保険会社に手続きを任せる事前認定ではなく、被害者自身が申請する被害者請求を選ぶことも、認定期間を短縮するうえで有効な選択肢です。
被害者請求では、自賠責保険の窓口へ直接書類を提出するため、相手方の任意保険会社を経由する分の社内処理による留め置きが発生しません。
提出する医療画像や診断書の内容を、事前に自分の目でチェックできるのもポイントで、不備があれば提出前に修正できます。
非該当につながりかねない不十分な記述をあらかじめ排除できるため、やり直しのリスクを未然に防げます。
症状固定前から計画的に通院し必要な検査を受けておく
症状固定の段階に達する前から、一貫した頻度で通院し、レントゲンやMRIなど適切な検査を済ませておくことも大切です。
むちうち症で14級を狙う場合、事故当初から症状固定まで継続して通院していることが大前提となります。
症状固定の間際になって慌ててMRI撮影をしても、受傷直後の症状との関連性が低いと判断されてしまう恐れがあります。
必要な画像検査を治療中から計画的に受けておくことで、症状固定後の診断書を、不備なくスムーズに作成可能です。
申請手続きを弁護士に依頼して書類の不備をなくす
交通事故実務に強い弁護士へ早めに依頼すれば、提出する全ての書類についてリーガルチェックを受けられるのも心強いポイントです。
弁護士は、どのような表現があれば等級が認定されやすいか、どの記載が審査の妨げになるかを、経験にもとづいて判断できます。
不備を事前に徹底して排除した、不備の少ない申請書一式を用意できるため、審査機関側からの再照会が発生しにくくなります。
書類の往復や追加画像の要求といった、無駄なタイムロスの要因を減らせるのも、弁護士に依頼する大きなメリットです。
後遺障害認定が遅い場合の具体的な対処法3つ
思ったより結果が来ないと感じたら、状況を変えるためにできることがあります。
不安を抱えたまま黙って待つ必要はありません。
ここでは、認定が遅いと感じたときに取るべき、具体的な対処法を3つ紹介します。
任意保険会社に申請の進捗状況を問い合わせる
事前認定で申請している場合は、加害者側の任意保険会社の担当窓口へ、現在の進捗を直接確認してみるのもひとつの方法です。
自賠責へ書類を提出した具体的な日付や、現在の状況、審査結果の予測時期を、書面やメールで問い合わせましょう。
問い合わせをきっかけに、社内で放置されていた手続きが動き出し、担当者が優先的に処理を進めるケースも少なくありません。
対応があやふやな場合は、回答期限を明確に伝えてもらうよう依頼するのも有効です。
事前認定から被害者請求に切り替える
相手方保険会社の対応が遅い、あるいは信頼できないと感じた場合は、途中からでも被害者請求へ切り替えることが可能です。
相手方に切り替える旨を伝えたうえで、それまで集められた医療記録の引き渡しを求めるか、自ら再取得します。
切り替えたあとは、それ以降の手続きを全て自分の手元で進められるようになるのがメリットです。
進捗を自分の目で確認しながら申請できます。
自賠責から直接通知が届くようになるため、進捗のブラックボックス化を防ぐ有効な手段と言えます。
交通事故に強い弁護士に相談して状況を打開する
保険会社がまともに対応しない場合や、自分での切り替えが難しい場合は、早めに専門の弁護士へ相談するのがおすすめです。
弁護士が代理人になれば、保険会社や審査機関に対して正式な進捗照会をかけられるようになります。
また、不当な書類放置があれば、代理人として厳重に抗議し、迅速な書類送付や医療照会の回答督促を徹底してもらうことも可能です。
プロの代理人が入るだけで相手方の対応が変わり、手続きのスピードが上がるケースも多く見られます。
一人で抱え込まず早めに相談してみましょう。
後遺障害認定を弁護士に相談・依頼するメリット
後遺障害の申請は、自分だけでも進められますが、弁護士に相談することで得られるメリットもあります。
ここでは、弁護士に依頼する代表的な2つのメリットを紹介します。
弁護士基準が適用され獲得できる賠償金額が大幅に増額する
弁護士が介入すると、慰謝料などの算定基準が最も高額な弁護士基準に切り替わります。
相手方保険会社が提示してくる低めの自社基準から、過去の判例をもとにした裁判基準へと引き上げられる仕組みです。
同じ後遺障害等級であっても、自賠責基準や任意保険基準と比較して、慰謝料が2〜3倍に増額するのが一般的です。
後遺障害の認定と賠償額の増額の両方を並行して目指せるのが、弁護士に依頼する最大の経済的メリットと言えます。
被害者請求の手続きを全て代行してもらい精神的負担を軽減できる
被害者請求で最も厄介な、医師との交渉や膨大な医療記録の取り寄せといった事務作業も、まとめて任せられます。
けがの痛みや後遺症を抱えながら、平日に役所や病院の窓口、自賠責との書類やり取りをこなすのは簡単ではありません。
書類整理の手間から解放されることで、本来取り組むべきリハビリや治療、仕事復帰に専念できます。
精神的な負担が軽くなれば、「早く終わらせたい」という焦りから不当な示談に妥協してしまうリスクを防ぐことが可能です。
後遺障害認定についての相談は「ベンナビ交通事故」を利用
「ベンナビ交通事故」は、後遺障害の認定期間に不安がある方、少しでも早く適正な補償を受けたい方におすすめのサービスです。
ベンナビ交通事故は、交通事故問題を得意とする弁護士を、地域や相談内容から簡単に検索できるポータルサイト。
全国の法律事務所が多数掲載されています。
初回相談は無料の事務所も多く、「認定が遅れている」「これから被害者請求をしたい」という段階でも、気軽に問い合わせが可能です。
24時間相談に対応している事務所も掲載されているため、困ったときにすぐ相談できます。
後遺障害認定の認定期間について、不安を感じる場合はベンナビ交通事故の利用を検討してみてください。
【解決事例】弁護士のサポートにより後遺障害等級を獲得したケース
ここまで、認定期間の目安や早めるためのポイントを解説してきました。
しかし、実際に弁護士へ依頼すると何が変わるのかを、イメージしにくい方も少なくありません。
ここでは、弁護士のサポートによって後遺障害等級を獲得した3つの事例を紹介します。
後遺症が当初認定されなかったが、異議申立により後遺症が認定された事例
車対人事故で第5中足骨骨折・外傷性頸椎捻挫を負った事案です。
相手方保険会社からの事前の賠償提示がなかったため、後遺障害の認定取得も含めて訴訟を提起しています。
第一審では約400万円の損害が認定されましたが、これを不服として控訴し、最終的に約540万円の損害認定を得る判決を勝ち取りました。
後遺障害等級は14級です。
後遺障害等級9級が認定され、慰謝料が増額した事例
横断歩道を歩行中に車にはねられ、左足を複雑骨折した事案です。
3ヵ月間の入院に続き、1年半にわたる通院治療を行いましたが、症状が重く治療も長期化していたため、損保会社との交渉が難航するのではという不安から弁護士へ依頼しました。
弁護士が後遺障害認定申請をおこなった結果、後遺障害等級9級が認定されています。
将来の治療費も含めた最終的な賠償額は、当初の提示額約1,500万円から約3,000万円にまで増額しました。
後遺障害認定なしから高次脳機能障害を認めさせた事例
外見からはわかりにくい脳内出血による高次脳機能障害を負った事案です。
保険会社からは当初「後遺障害の認定はない」と言われていました。
しかし、弁護士に依頼した結果、脳内出血による高次脳機能障害が認められ、後遺障害等級1級の認定を獲得しました。
示談金は約9,000万円にまで増額しています。
後遺障害認定に関するよくある質問3つ
ここでは、読者から多く寄せられる質問を、Q&A形式でまとめます。
気になる項目から、自分の状況に合った内容を確認してみてください。
Q1. むちうちで認定を得るために必要な通院期間はどのくらい?
むちうちで14級9号の認定を目指す場合、事故から症状固定まで、少なくとも6ヵ月は治療を続けることがひとつの目安とされています。
治療期間が3〜4ヵ月と短い場合、後遺症が残るほど重篤な傷害ではないと判断されやすいです。
通院日数も重要なポイントで、最低でも60日以上、できれば80〜100日程度(月10〜15回程度)の実通院日数があることが望ましいとされています。
事故直後から症状固定まで定期的に通院し、痛みが継続して存在していることをカルテに一貫して残しておくことが、認定を得るための重要なポイントです。
Q2. 被害者請求は自分一人でも進められる?
制度上は自分一人でも進められますが、適切な後遺障害診断書を取り付ける難易度が非常に高いため、あまりおすすめできません。
自力で病院から画像データや各種診療報酬明細を取り寄せ、申請書類の様式を全て埋めるだけでも、相当の労力がかかります。
最も重要なのは、書類の中身が等級の取れる書き方になっているかという判断です。
ここには専門知識が欠かせません。
不適切な非該当通知を受けてから弁護士に依頼するよりも、最初の申請段階からプロの協力を得るほうが、結果的に無駄が少なく済みます。
Q3. 認定されたあとの示談金はいつ支払われる?
被害者請求であれば、等級認定から数週間程度で、まず自賠責部分の保険金が先払いされます。
その後、慰謝料の上乗せ分など残りの損害について相手方保険会社と示談交渉し、成立から比較的短期間のうちに残金が着金する流れです。
一方、事前認定の場合は、全ての示談交渉が合意に至るまで1円も受け取れません。
被害者請求を選ぶことで、当座の生活資金や治療費の一部を早期に回収できるのは、大きなメリットです。
Q4. 労災事故の場合の後遺障害認定期間はどのくらい?
業務中や通勤途中の交通事故(労災事故)で後遺障害を申請する場合、認定手続きには平均3〜6ヵ月ほどの期間がかかります。
自賠責(1〜3ヵ月)より時間がかかる背景には、労働基準監督署の担当官や地方労災医員による「対面面談(可動域測定などの身体診察)」が必須という事情があります。
監督署から病院への照会手続きが、公的かつ慎重に進められることも一因です。
時間はかかりますが、労災の等級が認定されれば、自賠責とは別枠の手厚い給付を受けられます。
対象になる方は、忘れずに申請しておきましょう。
まとめ|事前準備と弁護士への相談が早期認定の鍵となる
後遺障害の認定期間は、平均1〜3ヵ月が目安です。
ただし、むちうちなら治療期間を含めて6ヵ月以上、高次脳機能障害など複雑なケースでは半年以上かかることもあります。
早期の認定を目指すなら、事前認定ではなく被害者請求を選び、症状固定前から計画的に検査を受けておくことが大切です。
書類の不備や医療照会の遅れなど、認定が長引く原因の多くは専門知識があれば防げます。
弁護士に依頼すれば、書類のリーガルチェックから示談交渉まで任せられ、精神的な負担も軽くなります。
認定の遅れや今後の見通しに不安がある方は、「ベンナビ交通事故」から交通事故に強い弁護士を探し、無料相談を利用してみてください。
無料相談できる弁護士一覧
弁護士に相談するかお悩みの方へ
下のボタンからあなた当てはまるものを選んで悩みを解消しましょう。
弁護士費用特約があれば 実質0円で依頼できます!
多くの保険会社では、被害者1名につき最大300万円までの弁護士費用を負担してくれます。特約があるか分からない方でも、お気軽にご相談ください。弁護士と一緒にご確認した上で依頼の有無を決めて頂けます。
特約を利用して弁護士に相談する交通事故問題を依頼する弁護士の選び方にはポイントがあります。
- 過去の解決事例を確認する
- 料金体系が明確である弁護士を選ぶ
- 交通事故問題が得意な弁護士から選ぶ
等です。
詳しくは以下の記事を読んで、正しい弁護士の選び方を理解した上で弁護士に相談しましょう。
弁護士の選び方について詳しくみる
池袋本店 Google口コミ★4.4 口コミ件数1042件(2026/7/31時点) 提示された賠償金に納得がいかない方は,アディーレへご相談を!適正な賠償金を受け取るために, 治療中から後遺障害の認定までフルサポートします
事務所詳細を見る
【ご相談は何度でも0円】【全国対応】交通事故の被害に遭われたらすぐご相談を!/事故直後からご相談受付◎*全国に支店あり*【オンライン相談可】【適切な賠償金の獲得|交渉は当事務所にお任せください】
【土日祝も受付、相談料・着手金0円、電話相談可】◆事故直後から顧問医と連携し、重傷事故対応に注力◆事故専門チームが全国対応/累計問合せ件数5900件以上◎お気軽にご連絡ください。
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
この記事の監修者
代表弁護士 野条 健人 (大阪弁護士会)
後遺障害等級・申請方法に関する新着コラム
-
本記事では交通事故で後遺症が残った場合に決める後遺障害等級について誰が決めるのかや後遺障害等級の認定に当たっては弁護士に早期に相談することで後遺障害等級の認定を...
-
本記事では、交通事故の被害に遭い橈骨頭骨折を負った方に向けて、橈骨橈骨折の症状や後遺症に関する基礎知識、橈骨橈骨折で認められる後遺障害等級の目安、適切な後遺障害...
-
交通事故で頚椎を損傷すると、どのような症状が出るのでしょうか?本記事では、頚椎損傷の主な症状や考えられる後遺症、加害者に請求できるお金について解説します。少しで...
-
交通事故で後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定の手続きを進めましょう。後遺障害等級の認定を受ければ、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益などの請求が可能となります...
-
交通事故に遭ったことが原因でけがを負い、後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定を受けることで保険会社から損害賠償を受け取れる可能性があります。交通事故による後遺...
-
交通事故に遭ってしまい腰椎圧迫骨折の治療を続けたものの、後遺障害等級が認定されず、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。本記事では、腰椎圧迫骨折で後遺障...
-
本記事では交通事故の被害に遭った方に向けて、後遺障害等級認定の定義、仕組み、認定機関、調査期間などの基礎知識、事前認定と被害者請求の大まかな流れ、後遺障害等級が...
-
後遺障害認定を受けても、特に大きなデメリットはありません。むしろ等級認定を受ければ、後遺障害に関する賠償金を請求できるなどのメリットがあります。本記事では、後遺...
-
交通事故に巻き込まれた際は、できるだけ早く弁護士に相談することが大切です。支払ってもらえる保険金額や逸失利益を計算したい場合もあるでしょう。本記事では、後遺障害...
-
後遺障害等級と障害者手帳の交付を受けるための等級は別物であり、必ずしも障害者手帳が交付されるわけではありません。本記事では、後遺障害11級に認定された方に向けて...
後遺障害等級・申請方法に関する人気コラム
-
後遺障害14級が認定されると、慰謝料や逸失利益などの賠償金を請求できます。なお、被害状況や請求状況によって金額は変動します。本記事では、交通事故で後遺障害14級...
-
後遺障害診断書の概要や入手方法、書き方と記入例、後遺障害の等級認定を獲得するためのポイントのほか、医師が診断書を書いてくれない場合とその対処法、後遺障害診断書の...
-
今回お伝えする内容は、後遺障害等級12級に該当する症状と認定の方法、そして、後遺障害等級12級の適切な慰謝料を獲得する7つの知識をご紹介します。
-
本記事では、逸失利益の意味や種類、後遺障害・死亡時の計算方法、増額のポイントまでを解説します。
-
交通事故トラブルを弁護士に相談すれば、自身に有利な条件で問題解決できる可能性が高くなります。しかし、費用面が気がかりで躊躇している方もいるのではないでしょうか。...
-
本記事では、症状固定の意味や診断時期、傷病別の目安を解説します。
-
高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)とは、主に脳に損傷を負ったことで起こる様々な神経心理学的障害(記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害など)...
-
後遺障害等級13級に該当する症状と後遺障害等級13級を獲得する手順をご紹介していきます。
-
後遺障害等級10級に認定された場合、その後遺障害が与える労働能力喪失率は27%と設定されており、後遺症が残った場合はいよいよ実生活にも多大な影響を与える症状が多...
-
後遺障害の認定が非該当になった場合に、異議申し立てを行うための方法と、成功させるコツをご紹介します。
後遺障害等級・申請方法の関連コラム
-
交通事故の被害を弁護士に相談するべき時期はケースバイケースです。この記事では、後遺障害を弁護士に相談するのに最も適したタイミングを解説します。弁護士への相談を検...
-
手足の指に障害が残った場合は、その症状に応じた後遺障害等級が認定されます。この記事では、どのような症状で何級の等級が認定されるのかについて解説します。万が一、事...
-
後遺障害が複数ある状態だと、それらを併合して障害等級が繰り上がり示談金を増額できるケースがあります。この記事では後遺障害併合のルールと等級繰上げをする際のポイン...
-
交通事故に遭った家族が1ヵ月以上意識不明の場合は、将来的に「遷延性意識障害」の診断を受ける可能性があります。 本記事では、家族が交通事故に遭って1ヵ月以上意識...
-
交通事故により重度の後遺障害を負った場合、加害者や保険会社から受け取る損害賠償とは別に、国より「障害年金」を受給することが可能です。この記事では障害年金の制度や...
-
後遺障害等級の12級14号は、外貌に醜状が残った際に認定される障害です。この記事では、12級14号とは具体的にどのような後遺障害なのか、請求できる損害賠償(慰謝...
-
自賠責基準の後遺障害慰謝料の相場や、請求できる保険金の限度額などをご紹介します。後遺障害申請手続きの注意事項や弁護士を雇うメリットなども解説していますので、後遺...
-
後遺障害には第1級〜第14級までの等級が設定されていますが、その中でも第1級〜第3級は家事や学業も含めた社会復帰が事実上不可能とされる症状も多く含まれています。...
-
交通事故が原因で耳鳴りが生じるケースは多々あります。また、耳鳴りは症状が長引きやすいため、後遺症として症状が残ってしまうことも珍しくありません。この記事では、交...
-
労働能力喪失率とは、後遺障害による収入の減少を想定するための比率です。逸失利益を計算する際に用いられます。この記事では、労働能力喪失率の目安や決まり方、逸失利益...
-
後遺障害等級第3級は労務に服することができない(障害のせいで働けない)状態に認定される等級です。被害者の今後の人生に大きな支障をきたす障害であるため、高額な慰謝...
-
本記事では交通事故で後遺症が残った場合に決める後遺障害等級について誰が決めるのかや後遺障害等級の認定に当たっては弁護士に早期に相談することで後遺障害等級の認定を...
後遺障害等級・申請方法コラム一覧へ戻る




慰謝料・損害賠償
示談
過失割合
死亡事故
後遺障害
むちうち
自転車事故
自動車事故
人身事故
バイク事故