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後遺障害等第3級は、数ある後遺障害等級の中でも症状が重い部類に含まれます。後遺障害には第1級〜第14級までの等級が設定されていますが、その中でも1級〜3級は家事や学業も含めた社会復帰が事実上不可能とされる症状も多く含まれています。
今回は、そんな中でも後遺障害による労働能力喪失率が初めて100%に達する後遺障害等級3級に認定される症状についてご紹介していきます。
下記の表に後遺障害等級3級と認定される後遺症(後遺障害)をまとめましたので、ご確認ください。
表:後遺障害等級『第3級』の労働能力喪失率及び保険金額
等級 |
後 遺 障 害 |
自賠責保険 |
労働能力喪失率 |
第3級 |
1号:1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの |
2,219万円 |
100% |
2号:咀嚼又は言語の機能を廃したもの |
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3号:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
|||
4号:胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
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5号:両手の手指の全部を失ったもの |
交通事故によって片方の眼が失明し、もう片方の眼が0.06遺憾の視力になった場合、第3級の1号に当てはまります。矯正視力の意味合いも含みますので、メガネやコンタクトレンズを付けて0.06以上の視力になった場合、該当しません。
咀嚼とは、おかゆやスープなどの流動食以外が食べられない状態のことです。言語機能の喪失は、言葉がハッキリと発音できなくなる状態のことです。このどちらかに該当すると、代3級2号に該当します。
交通事故により、神経機能や精神面の著しい障害が残り、自力での日常生活は可能である者の、労働が不可能になってしまう状態です。
胃や食堂などの腹部臓器に加えて、呼吸器系や循環器系の部位における障害も対象になります。自力での日常生活は可能であっても、これら障害により労働が不可能となってしまった場合、第3級4号に該当します。
両指を欠損している状態が第3級5号に該当します。
次に、後遺障害等級第3級に認定される症状には、どんなものがあるのかを見ていきましょう。
表:後遺障害等級第3級となる症状の例
認定された後遺障害 第3級
傷病名
上下肢麻痺等、3級3号
外傷性頚髄損傷、四肢麻痺
高次脳機能障害、3級3号、左耳聴力障害、14級3号
脳挫傷、外傷性クモ膜下出血、急性硬膜下血腫、頭蓋骨骨折
高次脳機能障害、3級3号
脳脂肪塞栓症、右大腿骨・下腿骨骨折、右前腕骨骨折
頭部傷害後の症状が5級2号、左目の視力障害、8級1号
頭部外傷、急性硬膜外血腫、脳挫傷、びまん性軸策脳挫傷、頭蓋骨骨折等
両上肢・体幹・下肢不全麻痺、歩行困難、片足起立不能、坐位保持困難、両上肢巧緻障害、3級3号
頚髄損傷
胸腹部臓器の障害が3級4号
左肘頭骨折、頭部打撲擦過傷、頚椎捻挫
知能の著しい低下、記銘力低下、精神障害、3級3号
外傷性硬膜外血腫、脳挫傷、頭蓋骨多発骨折等
後遺障害等級第3級の中でも、形式的な基準を満たすことで第3級として認定されるものと、実質的な審査を行うことで認定される2つのものがあります。実質的な審査の内容としては「労務に服することができない」と言えるかどうかがポイントになります。
つまり、後遺障害が原因で働けない状態となれば第3級として認めてもらえるということです。典型的な例でいうと、第3級3号にある「神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができない場合」です。
表:行為要害等級第3級3号になる症状
概要 |
神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの。 |
認定基準 |
介護などは必要ないが労務につくことができない状態 |
高次脳機能障害 など |
自宅周辺を一人で外出できる 日常の生活範囲は自宅に限定されていない。 介助なしでも日常の動作を行える 記憶や注意力散漫 新しいことを学習する能力の欠如 障害の自己認識ができない、 一般就労が全くできないか困難な状態 |
脊髄障害 |
●軽度の四肢麻痺がある |
神経系統や精神以外でも、呼吸器に障害がある場合にも3級が認定されることがあり、要するに呼吸器障害の為に一生働けないといえる障害の基準が示されています。
表:後遺障害等級第3級4号になる症状
概要 |
胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの。 |
認定基準 |
以下のいずれかの場合で、随時介護が不要な場合は3級となる場合があります。 |
典型的な症状には高次脳機能障害ですが、常に介護が必要ではないけれど、就労するために必要となる記憶力や注意力、学習能力などに大きな障害がある場合は、後遺障害等級第3級になることが多いでしょう。
後遺障害の慰謝料は障害の等級ごとに大体の相場が決まっています。後遺障害3級の慰謝料の目安・算出方法については以下の記事で紹介していますので、そちらもあわせてお読みいただければ幸いです。
後遺障害に関連する記事 |
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出典元一覧 |
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