交通事故や自転車事故など、事故はいつ起きてしまうか分からないものです。弁護士費用を用意できず泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。
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「痛みまたは痺れがずっとある」「片側の足が短くなった」など、骨折が完治しても後遺症が残るケースは珍しくありません。
昔、交通事故で追突されたので右半身に鞭打ちの後遺症と、その時に腰を骨折してるので寒くなって来ると、腰と右半身が痺れて来て動きが悪くなるので辛い季節です(^_^;)
(引用:Twitter)
交通事故メモ【5日後】左首、左肩は変わらず痛い。左手の痺れもかなり気になる。そして左手が冷たく感じる。(実際に冷たいかは不明) 明日から仕事復帰予定。準備として少し近所を歩く…足が痛い。家事をする…腕と肩が痛い。たぶん我慢はできる。仕事復帰は、不安しかない。全集中の呼吸でがんばる。
(引用:Twitter)
万が一、交通事故被害で後遺症を負った場合は、損害賠償請求にあたって自賠責保険の後遺障害認定を受けるのが通常の流れです。
適切な等級認定を受けるためにも、自身の症状がどの等級に該当するのか、あらかじめ把握しておいたほうがよいでしょう。
本記事では、骨折による後遺障害等級や慰謝料の相場などを紹介します。
交通事故の後遺症に悩んでいる方は参考にしてください。
骨折が原因による後遺症の代表例としては、以下のような症状があげられます。
骨折による後遺症 |
|
神経障害 |
痛みやしびれが残る |
短縮障害 |
一方の足が短くなる |
運動障害 |
脊柱周辺が動かしにくくなる |
変形障害 |
目視でわかるほど骨が変形する |
機能障害 |
関節の強直や可動域の制限が生じる |
欠損障害 |
手足・指の全部または一部を失う |
では、各後遺障害の具体的な症状と、それに対応する後遺障害等級について詳しく見ていきましょう。
症状の説明で用いられている専門用語の意味は、以下を参考にしてください。
神経障害とは、骨折した部位に痛みやしびれが残ってしまう傷害のことです。
骨自体が癒合したとしても、神経が損傷して障害が残るケースは少なくありません。
ただし、後遺障害のなかでは比較的軽度の部類であり、後遺障害等級も軽い等級に設定されています。
該当する症状 |
後遺障害等級 |
局部に頑固な神経症状を残すもの |
12級 |
局部に神経症状を残すもの |
14級 |
短縮障害は、一方の足が短くなり、左右の足のバランスが崩れてしまう障害のことです。
大腿骨や脛骨を骨折し、十分に再生しなかった場合に短縮障害を引き起こすことがあります。
なお、腕が短くなった場合は短縮障害にはあたらないので注意してください。
症状 |
後遺障害等級 |
1下肢を5センチメートル以上短縮したもの |
8級 |
1下肢を3センチメートル以上短縮したもの |
10級 |
1下肢を1センチメートル以上短縮したもの |
13級 |
運動障害とは、脊柱周辺が強直して動かしにくくなる障害のことです。
長期間のギプス固定が原因となって関節が固まり、運動障害を引き起こすこともあります。
症状 |
後遺障害等級 |
脊柱に著しい運動障害を残すもの |
6級 |
脊柱に運動障害を残すもの |
8級 |
変形障害とは、脊柱や長管骨が目視でわかるほど変形してしまう障害のことです。
また、骨折した部分が正常に癒合せず、可動に異常が生じている場合も変形障害に該当する可能性があります。
症状 |
後遺障害等級 |
脊柱に著しい変形を残すもの |
6級 |
・1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの ・1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの |
7級 |
・1上肢に偽関節を残すもの ・1下肢に偽関節を残すもの |
8級 |
脊柱に変形を残すもの |
11級 |
長管骨に変形を残すもの |
12級 |
機能障害とは、関節が強直して手足・指の機能が失われたり、可動域の制限が生じたりする障害のことです。
障害が生じた場所と程度によって、後遺障害等級も細かく分類されています。
症状 |
後遺障害等級 |
・両上肢の用を全廃したもの ・両下肢の用を全廃したもの |
1級 |
両手の手指の全部の用を廃したもの |
4級 |
・1上肢の用を全廃したもの ・1下肢の用に全廃したもの |
5級 |
・1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの ・1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの |
6級 |
・1手の5の手指またはおや指を含み4の手指の用を廃したもの ・両足の足指の全部の用を廃したもの |
7級 |
・1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの ・1手のおや指以外の4の手指の用を廃したもの ・1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの ・1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの |
8級 |
・1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの ・1手のおや指以外の3の手指の用を廃したもの ・1足の足指の全部の用を廃したもの |
9級 |
・1手のおや指またはおや指以外の2の手指の用を廃したもの ・1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの ・1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
10級 |
・1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの |
11級 |
・1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの ・1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの ・1手のひとさし指、なか指またはくすり指の用を廃したもの ・1足の第1の足指または他の4の足指の用を廃したもの |
12級 |
・1手のこ指の用を廃したもの ・1足の第2の足指の用を廃したもの ・第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの ・第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの |
13級 |
・1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの ・1足の第3の足指以下の1または2の足指の用を廃したもの |
14級 |
欠損障害とは、手足・指の全部または一部を失ってしまう障害のことです。
欠損の程度や場所によって、認定される後遺障害等級に違いが生じます。
症状 |
後遺障害等級 |
・両上肢をひじ関節以上で失ったもの ・両下肢をひざ関節以上で失ったもの |
1級 |
・両上肢を手関節以上で失ったもの ・両下肢を足関節以上で失ったもの |
2級 |
両手の手指の全部を失ったもの |
3級 |
・1上肢をひじ関節以上で失ったもの ・1下肢をひざ関節以上で失ったもの ・両足をリスフラン関節以上で失ったもの |
4級 |
・1上肢を手関節以上で失ったもの ・1下肢を足関節以上で失ったもの ・両足の足指の全部を失ったもの |
5級 |
1手の5の手指またはおや指を含み4の手指を失ったもの |
6級 |
・1手のおや指を含み3の手指を失ったもの ・1手のおや指以外の4の手指を失ったもの ・1足をリスフラン関節以上で失ったもの |
7級 |
・1手のおや指を含み2の手指を失ったもの ・1手のおや指以外の3の手指を失ったもの ・1足の足指の全部を失ったもの |
8級 |
・1手のおや指またはおや指以外の2の手指を失ったもの ・1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの |
9級 |
1足の第1の足指または他の4の足指を失ったもの |
10級 |
1手のひとさし指、なか指またはくすり指を失ったもの |
11級 |
・1手のこ指を失ったもの ・1足の第2の足指を失ったもの ・第2の足指を含み2の足指を失ったもの ・第3の足指以下の3の足指を失ったもの |
12級 |
・1手のおや指の指骨の1部を失ったもの ・1足の第3の足指以下の1または2の足指を失ったもの |
13級 |
1手のおや指以外の手指の指骨の1部を失ったもの |
14級 |
後遺障害等級が認定された場合には、その等級に応じて後遺障害慰謝料が支払われます。
交通事故の慰謝料には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つの算出基準があり、どの基準が適用されるかによって慰謝料額が変わります。
各算定基準に基づく後遺障害慰謝料の相場は、以下のとおりです。
等級 |
自賠責基準 (2020年3月31日までに発生した事故) |
任意保険基準(推定) |
弁護士基準 |
1,150万円 (1,100万円) |
1,600万円程度 |
2,800万円 |
|
998万円 (958万円) |
1,300万円程度 |
2,370万円 |
|
861万円 (829万円) |
1,100万円程度 |
1,990万円 |
|
737万円 (712万円) |
900万円程度 |
1,670万円 |
|
618万円 (599万円) |
750万円程度 |
1,400万円 |
|
512万円 (498万円) |
600万円程度 |
1,180万円 |
|
419万円 (409万円) |
500万円程度 |
1,000万円 |
|
331万円 (324万円) |
400万円程度 |
830万円 |
|
249万円 (245万円) |
300万円程度 |
690万円 |
|
190万円 (187万円) |
200万円程度 |
550万円 |
|
136万円 (135万円) |
150万円程度 |
420万円 |
|
94万円 (93万円) |
100万円程度 |
290万円 |
|
57万円 |
60万円程度 |
180万円 |
|
32万円 |
40万円程度 |
110万円 |
一般的には、自賠責基準が最も低額、任意保険基準が自賠責基準とほぼ同額かやや高い程度、弁護士基準が最も高額になるとされています。
保険会社から提示された金額に納得できない場合でも、弁護士に依頼することで慰謝料が何倍にも増額するケースは決して珍しくありません。
後遺障害に関する損害賠償の金額は、認定される等級が1つ違うだけでも大きな差額が生じます。
実際の損害に見合った額の賠償金を受け取るためには、自身の症状に適した等級認定を受けることが重要です。
ここでは、適切な後遺障害認定を受けるポイントを3つ紹介します。
後遺障害申請には、加害者が加入する保険会社に手続きを一任する「事前認定」と、被害者が自ら手続きに臨む「被害者請求」の2種類があります。
両者の手続きのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
申請方法 |
メリット |
デメリット |
事前認定 |
手続きの手間がかからない |
後遺障害認定されやすいよう、特別な配慮はしてくれない |
被害者請求 |
被害者本人が証拠資料を用意できるので後遺症を証明しやすい |
手続きの手間や書類準備のための費用がかかる |
一般的には、被害者請求のほうが適切な等級認定を受けられる可能性が高いといわれています。
少しでも後遺障害等級の認定率を高めたいのであれば、被害者請求での手続きを検討しましょう。
適切な後遺障害等級を認めてもらうには、症状を証明する精密検査を受けることも重要です。
等級ごとに要件は細かく分けられており、簡単な検査では何級に該当するのか正確に判断できないこともあります。
たとえば、12級の13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」と14級の9号「局部に神経症状を残すもの」では、「頑固な」の一文しか違いがありません。
自身の後遺症がどの等級に該当するか正確に証明するためにも、精密検査や画像診断を受ける必要があるでしょう。
ただし、医師は治療が専門であるため、後遺障害を証明するための検査を必ずおこなってくれるとは限りません。
もし医師が検査してくれない場合には、自ら検査を申し出て診断書を作成してもらえるよう対応してください。
後遺障害等級認定の手続きは、弁護士へ依頼することができます。
また、すでに認定を受けている場合でも、等級に納得できないのであれば、異議申立てを依頼することも可能です。
交通事故分野に注力する弁護士であれば、後遺障害を証明するための診断書の書き方や役立つ証拠書類などの知識をもっています。
個人で手続きするよりも適切な等級獲得が期待できるでしょう。
また、弁護士を雇った場合には、弁護士基準の適用により慰謝料が増額したり、保険会社や加害者への対応を一任できたりなど、さまざまな恩恵が受けられます。
特に後遺障害が関与する事故の場合、後遺障害申請などで通常よりも多くの手続きが必要となるため、弁護士を雇うメリットも大きいといえます。
事故対応に不安がある方は、一度法律相談を利用することをおすすめします。
骨折による後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定を受けられるか、どの等級に認定されるかによって、損害賠償額が大きく変わってきます。
しかし、自身の症状がどの等級に該当するか判断するためには、医学知識や後遺障害の知識が必要不可欠です。
医師や弁護士の意見を参考にしつつ、慎重に手続きを進めていきましょう。
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