人身事故で示談する時の注意点とケース別の示談金相場

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2018.7.13
示談 人身事故 弁護士監修記事

人身事故で示談する時の注意点とケース別の示談金相場

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人身事故に遭った場合、示談による和解が最も簡単で迅速な解決方法です。示談とは、人身事故を起こした当事者同士が話し合って、双方が納得できる条件をまとめて解決する契約です。弁護士を挟めば手間もかかりませんし、高い示談金で合意できれば、その後の生活も安心して送ることができます。

 

実際に人身事故はほとんどのケースが示談で解決されています。この記事では、人身事故の示談についての解説や、示談金の相場額を事故のケースごとにご紹介します。人身事故の被害に遭ってしまった場合は、参考にしてみてください。

 

 

 

人身事故で示談する際の流れとスケジュール

 

基本的に人身事故の示談手続きが開始されるのは、交通事故の治療が終了した後です(死亡事故の場合は被害者の死亡後)。そのため、示談のスケジュール・タイミングは被害者の被害状況しだいになります。

 

なお、示談で損害賠償請求には3年間の時効が設けられています。加害者との交渉が難航しない限り、そこまで示談の期間が長引くのはまれですが、万が一そのような状況に陥った場合には、なるべく早めに弁護士への相談を検討した方がよいでしょう。

 

 

人身事故における示談とは和解契約のこと

示談とは、損害賠償金や慰謝料を、『いつ』『誰に』『いくら』『どういう方法』で支払うかについて、裁判に頼らず、加害者と被害者が話し合ってお互いに譲歩をし、「これでお互い争いをやめましょうね」と和解することを意味します。

 

通常、人身事故(自動車事故)によって他者を死傷させてしまった場合、以下の責任が発生し、加害者はそれぞれ個別に責任を追及されます。

 

  1. 民事責任:被害者に対する損害賠償・慰謝料の支払い
  2. 刑事責任:反則金・刑事罰(罰金または懲役刑)などの罰則
  3. 行政上の責任:違反点数の加算(6点以上で免許停止、15点以上で免許取消)

 

示談で被害者に支払われる示談金は民事責任に対する償いです。そのため、示談が成立しても加害者が事故で他者を傷つけた責任がすべて消えるわけではありません。ただし、示談は当事者間では事故を解決とするものですので、示談をしていない場合と比較すると、刑事罰は軽くなります。

 

過失がゼロの場合は被害者自ら示談交渉する必要がある

ご自身の過失割合(事故の責任)がゼロであると主張する場合は、保険会社の示談代行サービスを利用することはできません。

 

任意加入の保険会社は、通常、被害者の代わりに示談の交渉をしてくれますが、保険契約者に過失がなければ、ご自身が負担すべき賠償金は発生しません。そのため、被害者が無過失主張をする場合、被害者の加入する保険会社は示談に干渉できないのです。

 

被害者の過失割合がゼロになりやすい状況

  • 赤信号や渋滞などで停車中に、相手に後ろから追突された
  • 駐車中に相手にぶつけられた
  • 自分が青信号の交差点で対向車が進入して衝突した
  • ​センターラインを大きくオーバーしてきたために衝突した

 

このような場合には保険会社が示談をしてくれない場合、自ら示談交渉を行う必要があります。ただし、ご自身の加入する保険に『弁護士費用特約』が付属していれば、自己負担なく弁護士への相談や依頼をすることができます。過失割合ゼロを主張する場合でも、一度ご自身の保険会社に問い合わせておくことをおすすめします。

 

 

示談が成立するとやり直しはきかない

いったん両者の間で話し合いが決着し、示談をした場合、原則としてやり直すことはできません。もし被害者が要求した金額が900万円なら、加害者が900万円を払うことに同意し、それ以上、加害者に損害賠償や慰謝料を請求することをしないという約束になります。後で増額もできませんし、減額も認められていません。

ただし、示談成立後でも、示談交渉時には気づけなかった後遺症が発覚した場合に限っては、後から後遺症分の損害賠償を請求することができる場合もあります。しかし、この場合は一度示談が成立していることから相手から任意に支払いがなされないケースが多く、裁判での請求手続きをせざるを得ない可能性が高いかと思われます。

 

そうなると法律の知識と裁判の経験がない限り、個人での請求は難しいです。この場合も弁護士への依頼を検討した方がよいでしょう。

 

参考記事:
交通事故の示談交渉時期とタイミング|示談を有利に進める方法

 

ケース別で見る人身事故の示談金相場

この項目では人身事故のケースに応じて、示談金(損害賠償金)がどのように決められるのかを確認していきましょう。

 

なお、交通事故の示談金は以下の計算式によって算出されるのが基本です。

  1. 積極損害(治療費、看護費、交通費など)
  2. 消極損害(休業損害、逸失利益など)
  3. 慰謝料
  4. その他(服・車などの物損)

 

【示談金=①+②+③+④】

 

ケース1:自動車に追突されて怪我、入院・通院をする場合

 

<15歳の女子中学生人身事故に遭遇、入院35日、通院日数4ヶ月、後遺症なし>

 

①積極障害

・入通院治療費・・・・・・・・・120万円

・付き添い看護料・・・・・・・・25万円

・通院付き添い費・・・・・・・・10万8,000円(3,000円×36日)

・入院中雑貨・・・・・・・・・・1,400円×35日=4万9,000円

・家庭教師代・・・・・・・・・・25万円(学力低下を補う必要相当分)

・入通院交通費・・・・・・・・・1万5,000円(必要なバス・電車代など)

・衣料損害費・・・・・・・・・・・・・2万円(補修不能なら購入時の時価)

=189万2,000円

 

②消極損害(休業損害)なし

 

③慰謝料(重傷の場合)160万円

 

損害賠償額(示談金)=349万2,000円

 

ケース2:人身事故が原因で後遺症が残った場合

 

<34歳の男性会社員、入院300日、通院300日、平均月収40万円、椎間板ヘルニアにより後遺障害等級第9級に該当>

 

①積極障害

・入通院治療費・・・・・・・・・・・・・210万円

・付き添い看護料(職業付き添い婦費用)・160万円

        (被害者妻の付き添い)・24万円(6,000円×40日)

・入院中雑貨・・・・・・・・・・・・・・42万円

計:436万円

 

②消極損害(休業損害)なし

・休業損害(休業期間11ヶ月)・・・・・・440万円(40万円×11ヶ月)

・労働能力喪失率・・・・・・・・・・・・35%

・労働能力喪失期間・・・・・・・・・・・67歳までの33年間

・中間利息控除・・・・・・・・・・・・・40万円×12ヶ月×0.35×16.0025

        (33年の年ごとのライプニッツ係数)=2,688万4,200円

計:3,128万4,200円

 

③慰謝料

・入通院慰謝料・・・・・・・・・・・・・350万円

・後遺症害慰謝料・・・・・・・・・・・・640万円

計:990万円

損害賠償額(示談金)

=①+②+③=4,554万4,200円

 

ケース3:自動車との人身事故が原因で被害者が死亡した場合

 

<37歳の男性会社員(3児の父)事故直前の年収700万円>

 

①積極障害

・葬儀費用・・・・・・・・・・・・・・・150万円

 

②消極損害(逸失利益)

・本人生活費控除率・・・・・・・・・・・年収の35%

・稼働可能年数・・・・・・・・・・・・・67歳までの30年間

・中間利息控除・年利5%のライプニッツ方式

 700万円×0.65(1-0.35)×15.3274(30年のライプニッツ係数)

 =6,994万4,420円

 

【事故がなかった場合に得たであろう退職金】

・事故時支給退職金・・・・・・・・・・・270万円

・定年時(60歳)までに勤務した場合に

 得たであろう退職一時金・・・・・・・・2,000万円

・中間利息控除後の原価

 2,000万円×0.32557(60歳までのライプニッツ23年の係数)=651万1,400円

・差し引き逸失退職金・・・・・・・・・・650万1,400円ー270万円=381万1,400円

 

③慰謝料(死者が一家の支柱の場合)・・・2,800万円

 

損害賠償額(示談金)

=①+②+③=9,944万4,420円

 

人身事故の示談金に疑問を感じたら弁護士に相談

示談金(損害賠償・慰謝料)の相場を算出しましたが、保険会社の提示する金額は保険会社が定める独自の基準(任意保険基準)で計算されるため、上記の相場(弁護士基準)よりも低く提示される可能性が高いです。 

 

そのため、示談金が明らかに少ないと感じたり、これは妥当な金額なのかわからなかったりという場合には、弁護士に示談交渉を依頼することをおすすめします。

 

交通事故問題では弁護士の介入により、示談金が2倍以上になるケースも珍しくありません。費用よりも増額分の金額が大きくなるようであれば、迷わずに弁護士に依頼すべきです。まずは法律相談で、示談金の見積もりだけでも出してもらってはいかがでしょうか。

 

交通事故の慰謝料は弁護士が交渉する事で増額する可能性があります


慰謝料には弁護士基準というものがあり、示談交渉に弁護士が介入することで慰謝料額が大幅に増額する可能性があります。一般の方が加害者側に弁護士基準の請求をしても、根拠を示すのが難しく、なかなか聞き入れてくれないというのが現状です。そのため、増額請求には弁護士への依頼がおすすめです。



まずは、弁護士への依頼でどれくらいの増額が見込めるのか、相談されることをおすすめします。

 

この記事を監修した法律事務所

Thum_umezawa
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

交通事故のトラブル解決の為に、何をどうすれば良いかわからない方へ


交通事故の9割は示談交渉で決着がつくと言われていますが、実際に自分が示談を進める際に出てくる交渉相手は、相手側保険会社の示談担当員です。

被害者自身やその家族が示談交渉に応じるのが一般的ですが、実際に何年も交通事故の示談交渉を続けてきたプロ相手に、実際の相場よりも低い金額で応じてしまい泣き寝入りをする方も多いのが実情です。

その結果、示談交渉では話し合いが進まず訴訟に発展するケースが増えています。2005年には6,035件だった訴訟件数が、2015年までの10年間で約3.24倍の19,559件に増加しているというデータがあります。

交通事故で被害に遭ったのは自分達の方なのに、適正な保障がされず、大きな後遺症が残った場合は今後の生活への不安も大きくなるでしょう。

もし、『できるだけ損をしたくない』『適正な保障をしてほしい』とお困りの方は、交通事故の問題に長年取り組んできた弁護士に相談してみましょう。

2015年現在、弁護士に依頼する割合は93.6%(訴訟時)という高い割合で利用されており、交通事故に関する専門知識もつ弁護士に相談することで、以下のメリットが望めます。

・保険会社との示談交渉を任せられる
・弁護士基準という慰謝料や示談金を増額できる基準が使える
・事故の過失を適正な割合で計算してくれる
・後遺障害(後遺症)の正しい等級を認定しやすくなる など

弁護士に依頼するのは費用がかかると思われるかもしれませんが、自動車保険の特約(弁護士費用特約)が付いていれば、弁護士費用は300万円まで保険会社が負担してくれます。

交通事故に関わる問題でお困りの事を、【交通事故を得意とする弁護士】に相談することで、有利な結果となる可能性が高まりますので、お一人で悩まず、まずは『無料相談』をご相談ください。

あなたのお悩みに、必ず役立つことをお約束します。

編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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