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公開日:2018.6.14  更新日:2021.2.8

交通事故による慢性硬膜下血腫|後遺症の心配はある?

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事

交通事故に遭った際の衝撃が原因で慢性硬膜下血腫になる場合があります。この病気は後遺症が残る可能性があり、場合によっては後遺障害等級が認定されます。

医療機関を受診する必要性を認識するために、症状や後遺症などについて確認しておきましょう。ここでは、慢性硬膜下血腫の症状や検査方法、治療法などについてご紹介します。

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慢性硬膜下血腫とは

慢性硬膜下血腫とは、脳を包む硬膜と脳の表面の間に長時間かけて血液がたまり、血腫が作られる病気です。

転倒や交通事故などで頭部に強い衝撃を受けたことがきっかけで血液がたまりはじめ、やがて凝固して血腫となります。

飲酒量が多い人や高齢者、高血圧の人、血液をサラサラにする薬の一種『抗凝固薬』を服用している人はリスクが高くなります。

症状

慢性硬膜下血腫の症状は、頭部外傷から通常1~2ヶ月後に現れます。そのため、頭部に衝撃を受けるような交通事故に巻き込まれ、その際に何の症状も現れていないからといって簡単に示談に応じてはいけません

頭部外傷から数週間は無症状で、その後に頭痛や嘔吐、片側性の麻痺や痺れ、うまくしゃべれない、けいれん、意欲の低下などさまざまな症状が現れます。

なお、高齢者の場合は、精神症状や片側性の麻痺、失禁などが主な症状です。むち打ちなどでも頭痛が起こりますが、けいれんや意欲の低下などは起こりません。いずれにしても自己判断は禁物なので、何らかの症状が現れたら医療機関を受診しましょう。

また、急激に意識障害と片側性の麻痺が起こり、その後に生命に危険が及ぶ急性増悪型慢性硬膜下血腫もあるため注意が必要です。

検査の方法

高齢者の慢性硬膜下血腫の場合、脳梗塞や老人性認知症と間違われるケースがあるため、まずは慢性硬膜下血腫を疑うことが診断の第一歩となります。

石灰化した特殊な慢性硬膜下血腫であればレントゲン検査で診断できますが、それ以外の診断にはCTスキャンかMRIが必要です。

治療法

基本的には手術が必要

ごくまれに経過観察のみで自然に治ることもありますが、血腫が少しずつ大きくなっていたり、何らかの症状が現れていたりする場合には手術での治療が推奨されます。

慢性硬膜下血腫は、頭蓋骨内にたまった血液によって脳が圧迫されている状態です。そのため、手術によって頭蓋骨内にたまった血液を排出させて、脳を元の形態に戻す必要があります。

抗血栓薬の服用は控える

診断されたその日か翌日に手術を受けることがベストですが、抗血栓薬を服用していると出血が止まらなくなるリスクを伴うため、薬の効果が失われるまで待ちます。

硬膜を切開して血腫を取り除く

手術では、最初に麻酔をします。通常、局所麻酔で手術を行いますが、患者が興奮して身体を動かしてしまうような場合には全身麻酔が必要です。麻酔後、頭皮を切開して頭蓋骨に小さな穴を開けます。

そして、硬膜を切開して血腫を取り除きます。穴から細いチューブを入れ、適切な処置をしたら手術は終了です。頭に穴を開けるというと、とても難しい手術になると思われがちですが、難易度は高くないようです。

この手術によって、直後から頭痛や麻痺、認知症などの症状が和らぐことがほとんどです。

手術にリスクはある?

頭蓋骨に穴を開ける手術であるため、どうしても脳を傷つけるリスクを伴います。また、血腫を取り除く際に脳の構造変化が起きたり、血液を洗い流す際に脳に圧力がかかったりすることで、まれに脳出血をきたすことがあります。

これらの合併症は慢性硬膜下血腫の手術特有のものですが、その他に麻酔や輸血、薬剤によって臓器に障害が生じたり、術後感染が起きたりするなど、あらゆる外科手術に共通するリスクも伴います。

それでも、慢性硬膜下血腫の手術は脳外科の手術の中ではリスクは低い方だといわれています。このようなリスクを心配して経過観察を希望する人もいますが、血液が自然に吸収されて慢性硬膜下血腫が完治することは非常にまれです。

そのまま放置して血腫が大きくなると、重篤な後遺症が残ったり、死亡のリスクが高まったりする可能性があります。

術後の経過は?

手術の翌日から普段どおりの食事を摂れるようになり、自分の足で歩いてトイレにも行けるようになります。手術の翌日か翌々日にはチューブを抜き、その後は元の生活へと戻れます。

約1週間後に頭部CT写真を撮り、慢性硬膜下血腫の再発の有無を調べ、再発していないことが確認できれば退院です。ただし、合併症の有無などそのときの状況によっては退院日が延期されます。

慢性硬膜下血腫を原因とする後遺障害等級と慰謝料額

慢性硬膜下血腫の予後は基本的によいものの、片側性の麻痺や言語障害、認知症などが残る場合があります。交通事故と慢性硬膜下血腫の因果関係が証明できており、このような後遺症が残った場合には、後遺障害等級が認定されます。

片側性の麻痺、言語障害、認知症でそれぞれ何級に認定される可能性があるのか、慰謝料とともにご紹介します。

半身の麻痺

身体の左右どちらかに麻痺が残った場合(片麻痺)は、第14級〜7級・第5級のいずれかの認定を受ける可能性があります。慰謝料の基準は下の一覧表を参考にしてください。

言語障害

言語障害は、言葉をうまく発することができない状態です。この場合は、第10級・第6級のいずれかの認定を受ける可能性があります。同時に咀嚼機能が低下している場合は、第9級・第4級・第3級に認定されることが予想されます。

認知症

認知症は、精神機能が慢性的に低下することで日常生活に支障をきたす状態です。

認知症の後遺障害等級については具体的に規定されていませんが、精神障害によって労務に制限がかかることに該当するため、認定される可能性がある等級は、第9級・第7級・第5級・第3級となります。

表:等級・基準別の慰謝料一覧

等級

自賠責基準

(2020年3月31日までに発生した事故)

弁護士基準

第1級

1,150万円

(1,100万円)

2,800万円

第2級

998万円

(958万円)

2,370万円

第3級

861万円

(829万円)

1,990万円

第4級

737万円

(712万円)

1,670万円

第5級

618万円

(599万円)

1,400万円

第6級

512万円

(498万円)

1,180万円

第7級

419万円

(409万円)

1,000万円

第8級

331万円

(324万円)

830万円

第9級

249万円

(245万円)

690万円

第10級

190万円

(187万円)

550万円

第11級

136万円

(135万円)

420万円

第12級

94万円

(93万円)

290万円

第13級

57万円

180万円

第14級

32万円

110万円

再発して再治療が必要となる場合がある

高齢者の場合は、手術によって血腫が取り除かれても、脳の構造が正常に戻るまでに時間がかかり、術後に症状が改善しないケースがみられます。

また、多房性血腫と呼ばれるものでは、手術によって血腫を完全に取り除くことができず、十分な効果が期待できない場合もあります。

さらに、手術後は症状が改善していたものの、比較的早い時期に再び出血が起こり、頭痛や吐き気、精神症状などが再出現するケースもあります。症状が再出現するケースでは、再手術が必要です。

手術は血腫を取り除くことを目的としており、出血の原因に対処するものではないため、症状の再出現はどうしても起こり得ることだといえます。

まとめ

慢性硬膜下血腫は、頭蓋骨内に少しずつ血液がたまっていくことで発症するため、交通事故の後すぐには診断できません。約1~2ヶ月後に症状が現れるため、すぐに示談しないよう注意が必要です。

また、後遺症が残る可能性もあるため、退院後もある程度の期間は通院して、必要な検査を受けるようにしましょう。慢性硬膜下血腫は、しばらくしてから症状が現れる厄介な病気であるため、後遺障害が残るかどうかわかるまでにも時間がかかります。

示談交渉がうまく進まない場合は、弁護士の協力を仰ぎましょう。

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参照元一覧

[80] 血液をさらさらにする薬|循環器病情報センター

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は交通事故弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※交通事故弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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