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更新日:

後遺障害等級第2級で獲得できる慰謝料の相場と増額方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
後遺障害等級第2級で獲得できる慰謝料の相場と増額方法

後遺障害等級第2級は自力で日常生活を送ることも困難になる非常に重い後遺症です。そのため、後遺障害申請で2等級が認定された場合は、被害者に対して多額の慰謝料が支払われるでしょう。

この記事では、後遺障害等級第2級のが認定された際に請求できる慰謝料の相場と計算例をご紹介します。後遺障害2等級の慰謝料の目安を確認しておきたい場合に参考にしていただければ幸いです。

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後遺障害等級第2級の慰謝料

後遺障害で獲得できる慰謝料には「後遺障害慰謝料」と「入通院慰謝料」の2種類があり、さらに「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つの基準に分かれています。
 
この基準の中でもっとも低いのが自賠責保険基準で、もっとも高額となるのが弁護士基準となっています。
 

等級

自賠責基準

(2020年3月31日までに発生した事故)

任意保険基準(推定)

弁護士基準

第1

1,150万円

(1,100万円)

1,600万円程度

2,800万円

第2

998万円

(958万円)

1,300万円程度

2,370万円

第3

861万円

(829万円)

1,100万円程度

1,990万円

第4

737万円

(712万円)

900万円程度

1,670万円

第5

618万円

(599万円)

750万円程度

1,400万円

第6

512万円

(498万円)

600万円程度

1,180万円

第7

419万円

(409万円)

500万円程度

1,000万円

第8

331万円

(324万円)

400万円程度

830万円

第9

249万円

(245万円)

300万円程度

690万円

第10

190万円

(187万円)

200万円程度

550万円

第11

136万円

(135万円)

150万円程度

420万円

第12

94万円

(93万円)

100万円程度

290万円

第13

57万円

60万円程度

180万円

第14

32万円

40万円程度

110万円

後遺障害以外の慰謝料

請求項目

内容と慰謝料の相場

 

入通院慰謝料

4,300円/日
【相場】
・通院1ヶ月につき10万~20万円
・入院1ヶ月につき約30万~50万円

 

後遺障害慰謝料

自賠責保険の後遺障害等級第2級では998万円

 
 

死亡慰謝料

一家の大黒柱:2,600万~3,000万円
これに準ずる者(配偶者):2,300万~2,600万円
それ以外の者:2,000万~2,400万円

 
 

後遺障害慰謝料以外の損害賠償費

治療費関係費

治療費や入院費が該当

看護料

通院付添費:2,100円/日

入通院慰謝料

4,300円/日

入院雑費

1,500円/日

通院交通費

通院に要した交通費など

その他

将来介護費・装具購入費・学費・家庭教師代など

休業損害

6,100円/日

傷害慰謝料

入通院期間に基づいて算定(あまりにも入院などが長い場合)

逸失利益

後遺障害で失われたであろう利益
【逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×中間利息控除係数】

後遺障害等級第2級に認定された場合の損害賠償額

今回は、以下の方が交通事故で後遺障害になった場合を考えてみましょう。

25歳の会社員が交通事故に遭遇。
入院90日。通院日数200日間(実際は150日)
事故前の年収350万円
後遺障害等級2級に該当
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・入通院治療費・・・・・・500万円(想定)
・後遺障害慰謝料・・・・・998万円(958万円)(自賠責基準)
・後遺障害診断書作成料・・1万5,000円
・入通院慰謝料・・・・・・124万7,000円
 1:入院期間+通院期間
 2:実通院日数(入院期間+実際に通院した日数)×2
 この2つの計算式を比べて日数が少ない方を採用。
 1:90 + 200 = 290
 2:240 × 2= 480
 = 290 × 4,300 = 124万7,000円
・付き添い看護料・・・・・31万5,000円
 2,100円 × 150日 = 31万5,000円
・入院中雑貨・・・・・・・13万5,000円(1,500円 × 90日)
・休業損害・・・・・・・・87万5,000円
 350万円 ÷ 12 =  29万円
 29万円 × 3ヶ月 =87万5,000円
・逸失利益・・・・・・・・8,295万3,500円【逸失利益の計算例
・入通院交通費・・・・・・2万円(必要なバス・電車代など)
・衣料損害費・・・・・・・3万円(購入時の時価)

合計:78,590,700円

後遺障害第2級の慰謝料を増額させるには

幾つかの方法がありますので、ここでご紹介させていただきます。

後遺障害慰謝料を弁護士基準で計算

後遺障害慰謝料を弁護士基準で計算するだけで、慰謝料や損害賠償金は大幅にアップします。

表:基準別の後遺障害慰謝料(上:自賠責、下:弁護士)

第1級

第2級

第3級

第4級

第5級

第6級

第7級

1,150万円

(1,100万円)

998万円

(958万円)

861万円

(829万円)

737万円

(712万円)

618万円

(599万円)

512万円

(498万円)

419万円

(409万円)

2,800万円

2,370万円

1,990万円

1,670万円

1,400万円

1,180万円

1,000万円

第8級

第9級

第10級

第11級

第12級

第13級

第14級

331万円

(324万円)

331万円

(245万円)

190万円

(187万円)

136万円

(135万円)

94万円

(93万円)

57万円

32万円

830万円

690万円

550万円

420万円

290万円

180万円

110万円

・後遺障害慰謝料 998万円(958万円) → 2,370万円

入通院慰謝料も弁護士基準で計算

表:通常の弁護士基準による入通院慰謝料の表(単位:万円)

 

入院

1月

2月

3月

4月

5月

通院

 

53

101

145

184

217

1月

28

77

122

162

199

228

2月

52

98

139

177

210

236

3月

73

115

154

188

218

244

4月

90

130

165

196

226

251

5月

105

141

173

204

233

257

6月

116

149

181

211

239

262

7月

124

157

188

217

244

266

8月

139

170

199

226

252

252

9月

139

170

199

226

252

274

10月

145

175

203

230

256

276

11月

150

179

207

234

258

278

12月

154

183

211

236

260

280

13月

158

187

213

232

262

282

14月

162

189

215

240

264

284

15月

164

191

217

242

266

288

 

 
表:むち打ち症で他覚症状がない場合に適用される入通院慰謝料表(単位:万円)

 

入院

1月

2月

3月

4月

5月

通院

 

35

66

92

116

135

1月

19

52

83

106

128

145

2月

36

69

97

118

138

153

3月

53

83

109

128

146

159

4月

67

95

119

136

152

165

5月

79

105

127

142

158

169

6月

89

113

133

148

162

173

7月

97

119

139

152

166

175

8月

103

125

143

156

168

176

9月

109

129

147

158

169

177

10月

113

133

149

159

170

178

11月

117

135

150

160

171

179

12月

119

136

151

161

172

180

13月

120

137

152

162

173

181

14月

121

138

153

163

174

182

15月

122

139

154

164

175

183

 
・入通院慰謝料 :121万8,000円 → 217万円(152万円)

適切な後遺障害認定を獲得する方法

後遺障害の認定が却下されることなく、確実に獲得したのであれば、後遺障害等級の申請を「被害者請求」で行うことです。
 

被害者請求とは、交通事故にあった被害者自身が自分で後遺障害などの被害を請求する、自賠責保険のカギとなる請求方法です(自賠法16条)。保険会社に後遺障害等級などの手続きを任せる事前認定とは異なり、自らが動いて請求するので透明性が高く、等級に応じた自賠責限度額を保険会社との示談を待たずに先取りできるなどのメリットがあります。

後遺障害等級に認定で最も怖いのは、後遺障害等級が認められないことです。生涯にわたって就業の機会を奪われた挙句、後遺生涯としての要件が満たされないと、慰謝料などの請求自体ができなくなります。

弁護士に相談することをおすすめします

後遺障害の等級認定ももちろんですが、弁護士に依頼することで多くのメリットがあります。

  • 保険会社との有利な交渉
  • 示談の最適なタイミング
  • 固定症状までにやるべきこと
  • 面倒な書類作成 など

こういった実務を代わりに行ってくれるだけではなく、何よりも慰謝料などが100万円以上もアップするという事実があります。今回ご紹介した慰謝料の相場などはあくまで参考です。交通事故を得意とする弁護士であれば、裁判で億単位の賠償金を勝ち取ることもできますので、一度検討されることをおすすめいたします。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ交通事故(旧:交通事故弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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