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交通事故の治療で、6ヵ月間も通院が必要になれば、それは重症といえるでしょう。
この場合、請求できる慰謝料の金額も比較的高額となります。
ただ、交通事故の慰謝料は、算出方法や事故対応の仕方によって、金額が大きく変わってきます。
何も知らずに保険会社から提示された慰謝料の金額を鵜呑みにして示談してしまうと、本来なら請求できたはずの慰謝料をもらい損ねてしまう恐れもあります。
本記事では、交通事故被害で6ヵ月間の通院をした場合の慰謝料相場を紹介します。
また、慰謝料の算出方法や増額ポイントの解説もしていますので、慰謝料請求の予備知識として参考にしてみてください。
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交通事故で通院を6ヵ月間(1ヵ月の通院日数は10日)継続した場合の通院慰謝料の相場額は以下のとおりです(3つの基準に関する詳細は下記で解説しています)。
通院を6ヵ月間した際の慰謝料相場 |
|
51万6,000円(50万4,000円)(※1) |
|
64万2,000円 |
|
116(79)万円 (※2) |
※1:()内は2020年3月31日までに発生した事故に関しての慰謝料額4,200円で計算し、()外は2020年4月1日より後に発生した事故に関しての慰謝料額4,300円で計算しています。
※2 弁護士基準の()の慰謝料は、むちうちなど他覚症状のない負傷の相場額
なお、慰謝料とは治療費や車の修理代など数ある損害賠償の一部なので、『保険金の金額=慰謝料の金額』ではありません。
もし交通事故の損害賠償も全て確認したい場合には、以下の記事もあわせてご覧ください。
交通事故の慰謝料を算出する3つの基準と入通院慰謝料について解説します。
賠償基準は、被害者救済の観点から最低限度の補償として法律で定められたものです。
したがって、金額も最低限度の水準に抑えられています。
自賠責保険の入通院慰謝料は、以下2種類の計算方法で金額が少ないほうの計算式によって求められます。
【月10日の通院を6ヵ月間継続した場合】
①4,300円×180日=774,000円
②4,300円×60日×2=516,000円
金額が少ない②の計算式が適用されて、通院慰謝料は516,000円ということになります。
加害者が加入している任意保険会社の担当とやり取りをする場合、相手からの最初の提案は任意保険基準に従って計算されている場合が多いと思われます。
保険会社によって基準の内容は変わってくるため、あくまで目安になってしまいますが、以下表が任意保険基準の大体の相場であるといわれています。
<任意保険基準の入通院慰謝料の相場>
入院 |
1ヵ月 |
2ヵ月 |
3ヵ月 |
4ヵ月 |
5ヵ月 |
6ヵ月 |
|
通院 |
25.2 |
50.4 |
75.6 |
95.8 |
113.4 |
113.4 |
128.6 |
1ヵ月 |
12.6 |
37.8 |
63.0 |
85.6 |
104.7 |
120.9 |
134.9 |
2ヵ月 |
25.2 |
50.4 |
73.0 |
94.6 |
112.2 |
127.2 |
141.2 |
3ヵ月 |
37.8 |
60.4 |
82.0 |
102.0 |
118.5 |
133.5 |
146.3 |
4ヵ月 |
47.8 |
69.4 |
89.4 |
108.4 |
124.8 |
138.6 |
151.3 |
5ヵ月 |
56.8 |
76.8 |
95.8 |
114.6 |
129.9 |
143.6 |
155.1 |
6ヵ月 |
64.2 |
83.2 |
102.0 |
119.8 |
134.9 |
147.4 |
157.6 |
7ヵ月 |
70.6 |
89.4 |
107.2 |
124.3 |
136.7 |
149.9 |
160.1 |
8ヵ月 |
76.8 |
94.6 |
112.2 |
128.6 |
141.2 |
152.4 |
162.6 |
9ヵ月 |
82.0 |
99.6 |
116.0 |
131.1 |
143.7 |
154.9 |
165.1 |
10ヵ月 |
87.0 |
103.4 |
118.5 |
133.6 |
146.2 |
157.4 |
167.6 |
弁護士基準とは、過去の判例(裁判結果)を基に慰謝料を算出する基準です。
弁護士に慰謝料請求を依頼した場合はこの基準で慰謝料額を算定してもらうのが一般的です。
弁護士基準では、むちうちのような他覚症状(他者から見て負傷がわかる状態)のない負傷で通院していた場合には、慰謝料の金額が少し変わってきます。
弁護士基準の通院慰謝料の相場額は、以下のとおりです。
<弁護士基準の入通院慰謝料の相場>
入院 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
|
通院 |
53 |
101 |
145 |
184 |
217 |
244 |
266 |
284 |
297 |
|
1月 |
28 |
77 |
122 |
162 |
199 |
228 |
252 |
274 |
191 |
303 |
2月 |
52 |
98 |
139 |
177 |
210 |
236 |
260 |
281 |
297 |
308 |
3月 |
73 |
115 |
154 |
188 |
218 |
244 |
267 |
287 |
302 |
312 |
4月 |
90 |
130 |
165 |
196 |
226 |
251 |
273 |
292 |
306 |
316 |
5月 |
105 |
141 |
173 |
204 |
233 |
257 |
278 |
296 |
310 |
320 |
6月 |
116 |
149 |
181 |
211 |
239 |
262 |
282 |
300 |
314 |
322 |
7月 |
124 |
157 |
188 |
217 |
244 |
266 |
286 |
304 |
316 |
324 |
8月 |
139 |
170 |
199 |
226 |
252 |
252 |
274 |
292 |
308 |
320 |
9月 |
139 |
170 |
199 |
226 |
252 |
274 |
292 |
308 |
320 |
328 |
10月 |
145 |
175 |
203 |
230 |
256 |
276 |
294 |
310 |
322 |
330 |
11月 |
150 |
179 |
207 |
234 |
258 |
278 |
296 |
312 |
324 |
332 |
12月 |
154 |
183 |
211 |
236 |
260 |
280 |
298 |
314 |
326 |
|
13月 |
158 |
187 |
213 |
232 |
262 |
282 |
300 |
316 |
||
14月 |
162 |
189 |
215 |
240 |
264 |
284 |
302 |
|||
15月 |
164 |
191 |
217 |
242 |
266 |
288 |
<弁護士基準(他覚症状なし)の入通院慰謝料の相場>
入院 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
|
通院 |
35 |
66 |
92 |
116 |
135 |
152 |
165 |
176 |
186 |
|
1月 |
19 |
52 |
83 |
106 |
128 |
145 |
160 |
171 |
182 |
190 |
2月 |
36 |
69 |
97 |
118 |
138 |
153 |
166 |
177 |
186 |
194 |
3月 |
53 |
83 |
109 |
128 |
146 |
159 |
172 |
181 |
190 |
196 |
4月 |
67 |
95 |
119 |
136 |
152 |
165 |
176 |
185 |
192 |
197 |
5月 |
79 |
105 |
127 |
142 |
158 |
169 |
180 |
187 |
193 |
198 |
6月 |
89 |
113 |
133 |
148 |
162 |
173 |
182 |
188 |
194 |
199 |
7月 |
97 |
119 |
139 |
152 |
166 |
175 |
183 |
189 |
195 |
200 |
8月 |
103 |
125 |
143 |
156 |
168 |
176 |
184 |
190 |
196 |
201 |
9月 |
109 |
129 |
147 |
158 |
169 |
177 |
185 |
191 |
197 |
202 |
10月 |
113 |
133 |
149 |
159 |
170 |
178 |
186 |
192 |
198 |
203 |
11月 |
117 |
135 |
150 |
160 |
171 |
179 |
187 |
193 |
199 |
204 |
12月 |
119 |
136 |
151 |
161 |
172 |
180 |
188 |
194 |
200 |
|
13月 |
120 |
137 |
152 |
162 |
173 |
181 |
189 |
195 |
||
14月 |
121 |
138 |
153 |
163 |
174 |
182 |
190 |
|||
15月 |
122 |
139 |
154 |
164 |
175 |
183 |
交通事故被害の通院を症状固定(これ以上の回復見込みがない状態)の診断により終えた場合、自賠責保険会社に申請して後遺障害認定を受ければ、入通院慰謝料だけでなく後遺障害慰謝料の請求も可能です。
後遺障害慰謝料は後遺症の等級(度合い)と3つの算出基準によって決まります。後遺障害慰謝料の相場額は以下のとおりです。
等級 |
自賠責基準 (2020年3月31日までに発生した事故) |
任意基準(推定) |
弁護士基準 |
1,150万円 (1,100万円) |
1,600万円程度 |
2,800万円 |
|
998万円 (958万円) |
1,300万円程度 |
2,370万円 |
|
861万円 (829万円) |
1,100万円程度 |
1,990万円 |
|
737万円 (712万円) |
900万円程度 |
1,670万円 |
|
618万円 (599万円) |
750万円程度 |
1,400万円 |
|
512万円 (498万円) |
600万円程度 |
1,180万円 |
|
419万円 (409万円) |
500万円程度 |
1,000万円 |
|
331万円 (324万円) |
400万円程度 |
830万円 |
|
249万円 (245万円) |
300万円程度 |
690万円 |
|
190万円 (187万円) |
200万円程度 |
550万円 |
|
136万円 (135万円) |
150万円程度 |
420万円 |
|
94万円 (93万円) |
100万円程度 |
290万円 |
|
57万円 |
60万円程度 |
180万円 |
|
32万円 |
40万円程度 |
110万円 |
交通事故の慰謝料を増額する以下2つのポイントを紹介します。
交通事故の慰謝料は、弁護士基準での請求が最も高額です。
もちろん弁護士を雇う費用は必要になりますが、通院期間が半年以上長引いたり、後遺症が残ったりするような被害が重い状態であれば、弁護士費用よりも弁護士基準の増額分が大きくなります。
場合によっては、収支がプラスになる可能性もあるでしょう。
そのため、保険会社から提示された条件ですぐ示談を受け入れるのではなく、事前に弁護士に相談をして、増額できる損害賠償の見積もりを出してもらうと良いでしょう。
なお、自分自身か同居している家族の任意保険に弁護士費用特約が付属している場合には、保険会社から弁護士費用を負担してもらえます。
もし弁護士費用特約を活用できるのであれば、弁護士への依頼を積極的に検討されることをおすすめします。
後遺障害申請には、保険会社に手続きを任せる『事前認定』と、被害者自身が手続きを進める『被害者請求』の2種類の方法がありますが、被害者請求を弁護士に依頼する申請方法のほうが後遺障害の認定率が高いとはいわれています。
しかし、それでも認定されるのは容易ではありません。
後遺障害申請の手続きには法律の知識が必要になる場面もあります。
しかし、診断書を作成してくれる医師や保険会社の担当者は、法律のプロではありません。
手続きを任せきりにすると、申請内容の不備に気がつけない場合があるので、事前認定での申請はなるべく避けたほうがよいでしょう。
後遺障害は等級が1つ変わるだけで、損害賠償の総額が100万円以上変わってくる場合があります。
適正な後遺障害認定を受けることは交通事故の損害賠償請求において重要です。
そのため、医師から後遺症の診断を受けた場合にも、弁護士への依頼を検討することをおすすめします。
交通事故で通院を6ヵ月した場合の通院慰謝料の相場は以下のとおりです。
基本的に交通事故の慰謝料請求はやり直しができません。
本記事で紹介した慰謝料の相場額よりも、提示された慰謝料が極端に少ない場合には、すぐに示談に応じず、弁護士に相談をして慎重に対応しましょう。
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